IUCN評価書に見られる、国後と択捉の記述

Date: Sun, 12 Jun 2005 16:06:19 +0900
○○さん 
【読売新聞に北方領土との「国境をまたいだ」公園を作るという文言がIUCN評価書に書かれていたとの報道を受けて、該当部分2箇所の英語原文を引用し】>はっきりと、国後と択捉をロシア領と書いていることになります。国境をまたいだと書いてあります。 この文書は、日本政府として容認できないものでしょう。【】

IUCN評価書を未公表段階で報道した読売新聞の意図

Date: Sat, 18 Jun 2005 14:56:55 +0900
皆様、読売新聞の下記の2つの記事は、書いた人の意図を疑います。
読売新聞北海道版2005.6.4付北方領土含む保護区も IUCN評価書 国境問題解決後に
・IUCN評価書に国後択捉をロシア領と記述されていることは、ロシアでなく、日本政府が飲めないはずです。当然、事務局は外務省関係にはこの情報を直ちに伝えたことでしょう。何かうまい落としどころがないか検討していると思います。しかし、報道されれば、その解を見つける前に世論が動いてしまい、制御できなくなるおそれがあります。読売新聞も、それは承知のうえのことでしょう。このような重大事項は、編集委員がチェックしているはずです。
【読売新聞北海道版2005.6.15付】IUCN評価書研究員知床視察ダムが産卵環境破壊 河川保護へ「モデル地区指定を」
・ダムの記事は、【知床のダム撤去検討を求めつつ、】それを日本のダム行政全体の手本とせよとIUCNから指摘されたら、ますますダム行政は頑なになるでしょう。【】第1段落は限りなく迷惑な記事です。新聞という「社会の公器」がいまこんなことを書けば、逆効果であることは明白です。
http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20050616
http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20050612

IUCN評価書の和訳について

Date: Tue, 12 Jul 2005 16:38:48 +0900
皆様・・・原文自体に誤解や誤記がある部分も、原文に忠実に訳し、訳注として載せるべきだと思います。
【】その上で、文書に誤りがあることも考えられるので、内容を確認すべきだと思います。

  • 【】国後択捉をロシア領と決め付けた表現には修正を求めるべきです。(今日か明日!)これは科学委員会の判断すべきことではありませんが、IUCNが国境紛争に際し一方の見解を採用するのはおかしいと思います。
  • ○○さんの詳細な分析により、troutの放流にも留意すべきことがわかりました。
  • サケマス類の種数については、どの種をさして数えたか、確認を求めるべきでしょう。

 よろしくご検討ください。特に、ロシア領千島の表現は、日本の外交政策全般に係ります。良識ある対応をされていると期待しています。

IUCN日本委員会により公表されたIUCN評価書の仮訳

Date: Sat, 6 Aug 2005 12:56:53 +0900
○○各位
例のロシア領についての記述ですが、このサイトのIUCN日本委員会仮訳では
「知床と同様の生態系、特に、同様の植生や比較可能な陸と海の生態系の相互作用が見られるのは、知床に隣接するクリル諸島(千島列島)の南端の2 島(訳注;国後島択捉島)である。」
および別の箇所で「知床と近隣の諸島には、その環境や生態に類似性があるのは明確かつ明らかである。この地域の生態については日本とロシアの研究者間の非公式の交流(informal contact)もある。将来、これらの案件の保全の促進を両国で同意することが可能であれば、この案件を広範な「世界遺産平和公園(World Heritage Peace Park)」として発展させる事も可能である。」とあります。この訳文ならば、日本政府ものめるでしょう。【】
松田裕之