リアルタイムに訂正中(ゆる〜く)
<構成>
1.エピソード
2.通説(と定義)
3.通説にそった前回の記事とその問題点
こんな感じかな?
「60年代的な音楽」と「80年代的な音楽」、言葉では説明しずらいので、いちばんわかりやすい、ジャズファンク(60年代的)とフュージョン(80年代的)を紹介するね。
全然違うでしょ?ていうかわざとまったく違うのをチョイスしたのだが(笑)。ジャズファンクの方は、マイルス・デイビスの75年大阪公演の録音ね。マイルスが、燃え尽きると同時に、ジャズファンクが終了した(と勝手に決定)記念碑的な作品。聴いてもらえればわかるけど、ジャズファンクは、60年代後半のアングラ・サイケを継承しているのだが、それが、フュージョン化になるときれいさっぱり消えている。フュージョンの方が、ジョージ・ベンソンの「Breezin'」という曲(76年作)。たぶんCMとかテレビとかで使用されまくっている。さすがに名曲だけど、ジャズファンクにある汗くささ、泥くささとかがなくなってるよね。良い意味でも悪い意味でも「無臭」である。本当は、この人たちもくさいはずなんだけどね(笑)。
パンクは60年代的なるものか80年代的なるものか(その1)
40代後半から50代前半ぐらいの年齢のロックを聴いてきた人と話しをすると、音楽遍歴がだいたい70年代中ごろをもって終了していることが多い。ビートルズから始まって、サイケデリック、ハードロック、グラムロック、プログレまでは聴いたが、パンク以降は全然聴かなかったというのである。
ただ不思議とどの人も、口をそろえて、「だけど、ポリスは聴いた」と言う。確かにポリス(1st〜2ndまで)は、70年代中ごろに消えてしまった60年代的なるものを持っていた稀有なバンドであった。それは、70年代中盤〜後半に誕生した80年代的なるものを体現する音楽とは決定的に異なっていた。80年代的な音楽とは、具体的には、ディスコ、フュージョン*1、AOR、ニューウェーブ*2 *3のことである。
確かに、70年代中ごろ以前とそれ以降のロックの間には大きな断絶があるように思われる。それは、実はロックだけではなくポップミュージックの大きな変容過程であったことは以前に書いた。ジャズロック・ジャズファンクのフュージョン化、ファンクのディスコ化、ロックのポップ化・アメリカ化(仮)*4、この変化が意味しているのは、におい。
60年代的なるもの終焉と80年代的なるものの誕生。
何でいきなりこれを書こうとしたかを書いてなかったね。以前に「80年代中ごろにロックの新たな試みは終わった」と書いた。このときは、様々な方向へ拡がろうとしたロックの可能性を終わらせ、「そうじゃなくてロックはロックンロールのことだけでしょ」と言い切った存在としてパンクを捉えていた。記事に関連させていうと、パンクを「80年代的なるもの」の登場と捉えていた。しかし、そうすると、パンクから初期ニューウェーブへのつながりと、なぜ、パンクがNYアンダーグラウンドとジャーマンロック*5のリバイバルだったかを説明できないんだよね。「80年代的なるもの」に入らない初期ニューウェーブと、「60年代的なるもの」を最も表していたNYアングラとジャーマンロックに関係していたパンクをどう捉えなければならないのか。それがこの記事のテーマである。