デス博士の島その他の物語

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)


未来の文学」シリーズ、ジーン・ウルフの短編集です。

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アムネジア

アムネジア

アムネジア


読みました。
前作『アクアリウムの夜』を読んだときに気になった登場人物達の少年少女な感じは、作中の人物の年が上がったせいか、それとも作者自身の経た15年という歳月のせいか、見事に払拭されています。
話自体もずっと面白かったです。
闇金融永久機関、かみのけ座、本当の物語・・・と妖しげなキーワードをばら撒きつつ進んでいくのは同じですが、それらが単なるガジェットではなく、物語の読み解き方を変える岐路になっています。
結末に近づくに従い物語はどんどん曖昧になっていくので、人によってはそこに、精神病理を見るかもしれないし、闇金融の怖さを感じるかもしれないし、宇宙人襲来や生れ変わりなんてのもアリなようです。
多分、再読したら僕もまた見方が変わるんでしょう。
今回はダメでしたが、
次は「本当の物語」とやらの姿を見たいと思います。