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師走のITDN−Tokyo講演会 「インプラントのマテリアルセンス」

Implant & Tissue-engineering Dental Network Tokyo:代表 加藤 英治先生)主催による 講演会が東京国際フォーラムにて開催された.2013年も残りわずか.年を締めくくるに相応しい真理を探究する師走の講演会に多くの臨床家、研究者が集った。
今回のテーマ「インプラントのマテリアルセンス」は、格段に進歩したインプラント治療において、改めて生物学的応答を検証し、近未来のインプラント治療の進むべき道を探るには、マテリアル研究開発のなかに多くのヒントがあるとの思いから、昨年夏に行われたテーマ「インプラントのバイオロジックセンス」を引き継ぐ形で企画されたものである.
インプラント周囲の生物学的環境を、「骨・硬組織」と「粘膜貫通部・軟組織」に分け、午前のセクションでは、コーディネーターである加藤英治先生が、「抜歯窩のバイオロジックセンス」をテーマに問題提起され、それを受ける形で小川哲朗先生(オリンパステルモ社長)が骨充填材の展望についてお話された。我が国でセラミクス人工骨が開発されてから40年になるが、各人工材料開発逸話からそれぞれの特徴、吸収置換型βリン酸カルシウムンに至るまでの経緯は、今後の人工骨の使用に大きなヒントを示すものであった。午後のセクションでは、粘膜貫通部の問題提起に対し、東京歯科大教授 吉成正雄先生が「ジルコニアの歯科インプラントへの応用」をテーマに、軟組織接触部位へのジルコニア材料の生物学的可能性と表面改質法のみならず、比較として酸化チタンの光触媒作用にまで言及された。最後に改めて三講師にご登壇頂き、トータルディスカッションの時間を設け、会場からの講演内容に関する質問に対し、熱い議論が交わされ大変充実した1日となった.
東京オリンピックの招致と開催決定に沸いた2013年.歯科界からも日本発世界へ.本講演会が確実な一歩と成ったはずである.

以上
吉野 晃(吉野デンタルクリニック 東京都北区開業)
の寄稿より