数寄者石山政義の時空遊泳　　その７８　山藤之花にゴルフ上達の極みをみた？

唐津の片口徳利以来、久し振りに一筆啓上致します（写真は碧雲山房内に咲く山藤の花）
さてと、ここんとこ朝夜は母屋デッキでゴルフクラブのアイアン素振りが日課
８番から始まって６、３番、そしてドライバで〆るという格好だけはベテラン並み
動きに目線になんとかかんとかと、最後にはワケ解らず大凡５０振りかなア・・・・・
定宿にしてる三畳台目茶室には、ところ狭しと今か今かと出番を待ってるゴルフクラブが整然と並ぶ・・・・・
取っ替え引っ換え気に入ったアイアンだのドライバだのを朝は旭に夜は月に照らされては矢鱈と試行錯誤し乍らデッキでビュンビュン
これがまた山中、どころではない、鎌倉中に響くのだから拙僧の調子次第ではリズムバラバラでその響き、周りの住人には迷惑なはなし
で、本日手に取りたるはタイトリストは軟鉄マッスルバックの名品、ツアーモデル１９８１年のシロモノなのだが・・・・
にしても情けないかな、ゴルフ歴２年目記念を目前にしての相変わらずの１３０叩き、このあいだはもう１６５だス！
こうなっては拙僧に残された道はもはやコレクション以外のなにものもないと痛感、ってゆーかア〜、プラス思考によって悟りを開いたのだ！
集めたアイアンセット１６セット、約１３０本、ドライバ１５本、パターときたぶんには熊野大社の末裔の御エライ方から畏くもいただいた５０本と拙僧の集めた１１本の総合計約２００本のクラブ
まあ、こんなこと自慢ニャならんからこのくらいで
で、こっから鎌倉駅までは約３００ヤード
ちょうど中間に位置する眼前の１５０ヤード先の眼下に建つ、億ションの４階ベランダを仮想敵に、はたまた右側１２０ヤードの銅板屋根の高そうな家目指して振ってみるものの相も変わらずの状態に青息吐息、おもわず天を仰ぐ・・・・・
っと、その仰いだ東南東方角の雑木林に垂れ下がるように薄紫の山藤の一群が目に飛び込んできたのにはびっくり
クラブをダラリと下げて、そのままの態勢でしばし呆然！
なんと美しく華やかなことだろうか　古来から日本人に好まれ、歌にも詠まれ、また画題としても大和絵、住吉、狩野、琳派等が競って描かれた所以だ
ア〜、なんかゴルフするのがアホらしくなった、今日はこれでオシマイ！
早速、クラブに代えて徳利と酒杯を・・・・とイキたいところだがそうは問屋が卸さない、辛い仕事が待っている
母屋からカバン抱えて山道石段でもう一度、漸く蒼めいてきた雑木とのコントラストも美しい山藤の花の大群を観てサササっと降りて鎌倉駅に・・・・
しかし、あのときの呆けたような、何もかも忘れて身体のチカラが抜けた一瞬は・・・あれはもしか、本来のゴルフに向かう姿勢と同じかな
う〜ん、こりゃ、山の藤花の氏神さまだか精だかが密かに拙僧にここ一番の極意を伝えてくれたのかしらン
よし！忘れんうちに今日は早めに帰って七里ガ浜練習場に行ってやれ、ウィッヒッヒヒ・・・・
ゴルフなんかコンコンチキだ、っと舌の根も乾かないうちに懲りない拙僧はコーヒー抱え、ほくそ笑んで鎌倉湘南ラインに乗り込み、これから１時間、時空遊泳にうつつを抜かすのであった