1997年・礼文島


1997年7月21日。
北海道礼文島


8時間トレッキングコース。
その終点。


荒波の海岸、登山まがい、
ゴロゴロ岩場などなど。



前の日、同じキャンプ場にいた人に、「8時間コースはきつ過ぎるから、
絶対にやめておいた方がいい4時間でもきついよ」と言われ、カチンと来た。
ああそうですかい、じゃあ絶対に踏破してやりますよ・・・当時は結構
意地っ張りでした。単純莫迦とも言うのでしょうか。

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当時の日記を元に、礼文島顛末記を少々。


礼文島へは稚内港よりフェリーで渡る。所要時間1時間55分。バイクと
込みで、5,560円('97当時)掛かった。ぼったくりじゃあないのかと
憤った記憶がある。離島便は、得てして高い乗船料金を取るようだ。


島の東側を道道(内地なら「県道」とか「府道」という類の道路)40号線が
通っているが、西側には道路が無く、島の一周は不可能であった。
キャンプ場は2箇所。内陸部と、島の北部の海岸にそれぞれ。海岸の
キャンプ場は、当時無料で利用出来たので、迷わずそちらへ。風は結構
強く、テントの設営には一苦労したが。
桃岩荘という、一部の旅行者にとても有名なユースホステルがあるそうだが、
無理矢理歌を歌わされたり、ドンチャン騒ぎがあったりするそうなので、
最初から行く気は無かった。そういうの、嫌いだ。無理強いは困る。


商店少なく、物価は高い。離島だ、その辺りは致仕方無い。そういう
不便を(地元の方には申し訳ないが)逆に愉しんだ。
「皆様のくらしを助ける漁協ストア」なる狭くて旧くてボロボロの
スーパーが、どうしようもなくナイスであったなあ。缶詰類が
やたら多い。ボンカレーが160円もするのに驚いた。野菜の鮮度も
明らかに悪く・・・同じ北海道でも、新鮮なものがふんだんに手に入る
富良野辺りの内陸とはやはり別世界なのだ。
ボンカレーは100円以下でないと買う気がしなかった為、となりにあった
145円のセーラームーンカレーを臆面もなく購入し、味付けに手を加えて、
少しだけ安く食えたぜ!などと一人悦に入っていた、などと言う
今考えても恥ずかしい行為に及んだ事は、ここだけのナイショ話よん。


大相撲名古屋場所千秋楽をラジオで聴いた事が記述されている。
この年の夏は、貴乃花が優勝していた。周りにいた人達と、
結構真剣にどうなるかな?と話し合いながら聴いていた筈だ。
関係無いが、僕は安芸乃島関が割りと好きだった。如何にも
相撲取り、という、あの固太りした体型と、重心の低さが良かった。


さて、礼文島には島の名物といえる、トレッキングコースがある。
4時間コースと8時間コースがそれぞれ設定されており、健脚自慢の
皆様に人気であった。きっと今も変わらずあるのであろう。
礼文に渡ったからには!と、僕は8時間コースを迷わず選んだ。
キャンプ場からスタート地点のスコトン岬まではヒッチハイクで。
朝6時丁度にスタート。岬から海岸へ降り、濃霧の中をずんずん進む。
そして気が付いたら間違えていて、4時間コースの終点に辿り着き、
呆然自失。気を取り直し、8時間コースまで1時間程引き返し、再度
チャレンジ。まんま登山道のような箇所あり、ゴロゴロの海岸岩場あり、
相当に過酷なコースだ。しかもふたつのコースを踏破したのだから、
もうへろんへろん。ゴールは14時23分だから、所用8時間23分。
4時間コース終盤を1時間も掛けて往復した割りには、いい記録でしょ?


今のふにゃらけた僕ではちときついであろう。
肉体的にはまだどうにかなりそうだが、精神的に駄目そうですわ。
嗚呼、若いってすんばらしい!いや、勢いだけだったけど。
エンデューロブーツを、トレッキングシューズに履き替え、
デイパックには水1,5リットル入りポリタンク、菓子パン3ヶ、
カメラ、ラジオ、時計、カッパ。無茶だったかも。貧弱な装備だ。
ゴール地点からは、再びヒッチハイク。しかし足りずに、もの凄く
値段の高い島内バスでキャンプ場近くまで帰った。内地なら300円も
出せばいいような距離に、730円を費やした。





あの時僕に「駄目だよ無理だよ」と言ったひとに、「どうだい、俺は
やり遂げたぞ!」と胸を張ってやりたかった。実にくだらん話だが。
あれから9年以上も経った年の暮れに、こうしてドバドバと唐突に書いて、
尚且つ先日スキャンしておいた当時の写真までここにこうして
載せちゃったくらいだから、あのひとの否定的な意見への反撥は
相当大きなものだったのかも。かも?うーん?

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今日は平日ですお休みじゃないです。実は今日は19時半には
帰宅出来たとは云え、まあそれなりに結構忙しく動き廻ったのです。
疲れております。なのに無駄に頑張って唐突に思いついた礼文島での
出来事を、写真付きでこれでもかと書いております。充分満足したので
ここいらで自分勝手に終わらせちゃいます。


旅の追体験が、見事に出来ました。うん。こういうの、
今後もたまにやりたいものですな。

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明日もドタバタしそうな予感。でも例によって頑張ろうじゃないか!
明日もいい日にしてみせますよ。おやすみなさいませ。