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2015-05-08

問いを発する能力と問いに答える能力

ノーベル医学生理学賞を受賞したシドニー・ブレナー氏の自伝(琉球新報社『エレガンスに魅せられて』)に、次のような一節があります。

もちろん、クリックを私はいつも尊敬してきた。彼は常に適切な問いをする頭脳の持ち主である。もっとも、彼が常に正しい解答を得たというわけではなかったが。


問いを発する能力は、研究には必須の能力だと思いますし、研究以外でも質の高い仕事をするためには重要でしょう。

ただそれとは別に問いに答える能力というものもあり、一方が欠けていたらなかなかよい仕事はできません。

ここでの「問いに答える能力」は、知識だけでなく技術や人脈、体力や器用さなども含みます。

どちらの能力も高いことが理想だと思いますし、実際にそういう人物も少数ながらいると思いますが、研究者としてそこそこの仕事をしていても、一方に偏る人が多いのではないでしょうか。


最近の研究、特に生物学の場合、一人で研究を進めるという状況は稀だと思いますが、もしそうなった場合には、問いを発する能力と問いに答える能力のうち、低い方に応じた成果が出るのではないかと思っています。

問いを発する能力が低ければ、研究が小さくまとまってしまい、革新的な研究は難しいでしょう。

逆に問いを発する能力が高くとも、問いに答える能力が低いと、問題提起しただけで終わってしまいます。


問いを発する能力が高ければ、それに応じて問いに答える能力も磨かれそうですが、実際は必ずしもそうではなく、一方に偏りがちです。

問いを発する能力はある一点を深く掘る能力に近いと思うのですが、問いに答える能力はある程度広い知識と技術を必要とします。

ある一点を深く掘る傾向が強いと、知識や技術の新規開拓には消極的になる場合が多いのではないでしょうか。

また新規開拓に積極的だと、知識や探求の深さを維持することは概して難しくなります。

両者をバランスよく兼ね備えた人物はめったにいない印象です。


先ほどは独力で研究する場合について考えましたが、複数人のチームで研究する場合はどうでしょうか。

問いを発する能力の高いボスについていれば、問いに答える能力だけでも質の高い研究ができるかもしれません。

逆に問いに答える能力の高いボスについていれば、問いを発する能力だけで研究できるケースもあるかもしれませんが、学生の頃はボスの設定したテーマに取り組むことが多いですから、こちらの方は稀かもしれません。

おそらく若いころは「問いに答える能力」の方が重要視されがちで、研究者として生き残れるかどうかもそちらの能力の方が大きく影響すると思います。

しかし、自ら研究室を運営する段階になると、「問いを発する能力」の方が重要になってきます。

つまり、若いころに求められる能力と、ベテランになってから求められる能力に齟齬が生じるわけです。

業界内での競争を促し全体の質を高めようとする戦略は様々な問題を引き起こしますが、個人的には上記のような求められる資質の齟齬が一番深刻だと考えています。

2011-10-26

修士論文が不要に?

大学院、来年度から修士論文不要に 試験などで審査  :日本経済新聞

「第2次大学院教育振興施策要綱」の策定について:文部科学省

修士論文が不要になる」という記事が話題になっています。

この施策は以前から中教審等で提案されていたもので、コースワーク(専攻内の様々なラボで学び、幅広い知識・技術を身につける)を含む博士一貫教育を推進する目的で行われるものだと思います。

つまり博士取得を目標とする学生には、修士(博士前期)課程で幅広い知識を修得させ、その際に修士論文を書くことが負担になるのであれば、別の方法で修了を審査しても構わない、という制度になるわけです。


注意点は、

・単純に修士課程修了の要件が甘くなるわけではなく、修士論文を課さない場合には博士論文研究基礎力審査(筆記試験&面接)を課す

全ての学生に適用されるわけではない(おそらく博士後期課程進学希望者でコースワークに参加した学生のみ。導入するかどうか、導入した場合に何割程度の学生を対象にするかは研究科次第)。

すでに大学院設置基準大学院設置基準では修士論文提出以外の修了要件も認めており、この部分をさらに緩和することを目的とした施策


ただまぁ現時点の日本の大学院教育やそれを取り巻く制度を勘案すると、仮に大学院進学者の2割ないし3割だとしても、博士取得を見込んだコースワークに学生を参加させてしまうのは、かなりリスキーだと思います。

その理由は以前ブログに書いたとおり。

物事の順序 - jotunの独り言(※かなり長い)

コースワークを含む博士一貫教育はアメリカで主流になっているわけですが、アメリカとは大学院での指導体制や大学の予算規模、博士取得者の雇用状況などが大きく異なるため、日本で導入しても上手く機能しないだろうというのが主な理由です。

文科省施策としてリーディング大学院博士課程教育リーディングプログラム:文部科学省)というものも行われていますが、それも含めて博士一貫教育の成果をきちんと評価し、存続・拡大すべき制度かどうか見極めてもらいたいところ。


ちなみにこの件に関して、文科省は年明けにパブリックコメント(国民の意見)を募るそうなので、意見のある方はその際に文科省に伝えるといいと思います。

2011-10-22

「適切な指導」についてのケーススタディ・その1

twitter上で論文の草案を早く見せなければならないが、まだ十分に書けていないので見せたくない」という発言を目にして、強く共感しましたし、結構「指導」における重要なポイントなのではないかと思ったので、少し考察してみようと思います。


理想的には「その段階で書けるだけの内容を書いて、評価してもらう」のがいいわけですが、なかなかやる気が出ずに「書けるだけの内容を書く」ことができない場合には、「自分でも不十分と分かるが、とりあえず見せて、もらえるだけのアドバイスをもらい、また不十分な点を指摘された際の負のエネルギー(悔しさ、恥ずかしさ等)を書く意欲に繋げる」というのが次善の策でしょう。

指導する側も、指導される側がその戦略を取るように仕向けるのが巧妙と言えます。


その場合重要なのは、「草案の質が低かったとしてもそこまで酷評しない(まして人格や資質を否定しない)」こと。

なぜなら酷評されることが分かっていると、「不十分な段階で見せる」ことが(心理的に)難しくなり、「自分で満足できるまでは見せない」という戦略を選んでしまうからです。

もちろん、すぐに自分で満足いく質のものが書けるのならいいですが、そういう人間はそれほど多くなく、結果的に「いつまで経っても草稿すら書きあがらない」という状態になってしまいがち。

これは指導する側にとっても好ましいことではないでしょう。

(たまに「なぜ学生が指導を受けに来ないのか理解できない」という人がいますが、指導が厳しすぎるのが原因の場合が多いのではないかと。まぁ殊更優しくする必要はないんですが、過度な叱責はどのみち学生の能力の向上に寄与しないので、人材を育成する気があるなら慎むべきかと)


指導する側と指導される側が、ともに上記のことを理解し、(論文作成等の)早い段階から密に連絡を取れば、十中八九上手く物事が進むと思います。


上記のような話はどちらかというと指導者の方が理解していることが多いと思うのですが、指導者が理解していて指導される側が理解していない(かと言ってすぐに書きあげる生真面目さはない)場合には、まぁ一言「そんなにキツく言わんからとりあえず不十分でも一度見せに来い」とでも言っておくのがいいんじゃないでしょうかね。

(そんな人格者には今のところ会ったことがないですがw)

あるいは草稿の質よりも締め切りの厳守を優先するような発言があれば、遅滞なく物事が進むかもしれません。


厄介なのは指導される側がそれを理解していても指導する側が理解していない場合で、指導者が「酷評」することで結果的に草稿の段階で高い質が求められてしまうわけですが、まぁ指導する側の行動理念が変わらないと思ったら、諦めて「不十分な草稿を見せて酷評される」か「どうにかやる気を出して早い段階で草稿を完成させる」かを選ぶしかないですね…


どちらにもそういった戦略が無く、指導する側が(酷評はするが)締め切りに関しては放任で、かつ指導される側に強い克己心もないと、高い確率で(論文作成等は)頓挫するでしょうw


まぁどちらが悪いという話ではないんですが、指導する側とされる側のコミュニケーションが円滑になるといいよね〜というお話でしたw

あと「(論文等の)指導」には知識や洞察を与える面の他に、指導される側のモチベーションを高める意味合いがある」というのも重要な点ですかね。

ケーススタディ・その2」をいつ書くか分かりませんが、何かよい例を目にしたらまた書いてみようと思いますw



P.S.どの程度の指導が「厳しい」かは相手による。

相手が打たれ強ければ(表面的な態度だけでは分からないので、指導を受けにくる頻度も見るべきだが)さほど配慮はいらないが、打たれ弱ければ相応の配慮が必要。

ただ極端に打たれ弱い相手に合わせても、どのみちその相手が成功する見込みは薄いんで、過剰な配慮は不要だと思うが、「打たれ強い」相手しか指導できないと、生産性人材育成の効率はかなり下がる。

まぁその数少ない「打たれ強い」相手が後に大成して「○○先生の指導のお蔭で…」なんて話をすると、「指導は厳しい方がいい」なんて妄言が流布するわけだけど。

…あ、この場合の「厳しい」は「緻密」ではなく「過度の叱責を伴う」とかそういう意味ね。

緻密(管理)と大雑把(放任)であれば緻密の方がおそらく好ましいでしょう。

2011-08-04

大学院生のキャリア設計に役立つ本

大学院生や院への進学を考えている学部生に役立ちそうな本を紹介しようかと。

とりあえず思いついたものを挙げてみましたが、適宜追加しようと思います。

ちなみに以下の本の著者でtwitterなどを利用されている方もいらっしゃるので、そういった媒体で情報を得るのもよいかと。


大学院の選び方だけでなく、大学院進学すべきかどうかについても様々な観点から考察されており、非常に参考になります。

冒頭に、大学院選択のケーススタディが何例かあり、その後で重要な要素を一つずつ検討する形式。

まずは大学院進学のリスク・デメリットについても詳細に検討している本書を読むのがよいかと。


大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル

大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル

大学院生向けの就職情報サイトを運営しているアカリクが出版している本です。

就職活動に関する一般的な話から、専門知識を学んだ大学院生が企業選びや面接時に心がけるべき点まで内容は多岐に渡ります。

すでに学部生向けの就活本を読んでいる方は、それらと重複する部分が多いので必要ではないかもしれませんが、大学院進学後に初めて就職活動をする場合には参考になるのではないかと。


博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

著者の榎木さんは、上記『失敗しない大学院進学ガイド』の著者の一人でもあります。

博士のキャリア設計の難しさや多様な進路の存在について、統計データなどに基づき解説してあります。


博士号の使い方

博士号の使い方

大学院生が集まってできたベンチャー企業リバネス」が編集したキャリアの本。

様々なキャリアパスの人にインタビューし、それをまとめてあります。

この本以外に『「博士号」の使い方2』、『好きになったら博士~博士号の使い方WOMAN~』も発売中。


この本も博士(修士)取得者へのインタビューが中心。アカポス(日本or海外)や、企業研究員、ベンチャー社員、翻訳者特許審査官など様々。

著者のお二人も学位取得後にそれまでと異なるキャリア(コンサルタント等)を積んでいます。

冒頭では博士取得者の人数や収入などに関する考察も。


海外に出るべきか、大学院で研究室を変えるべきかなど進路に関する様々なアドバイスが。平易な文章で読みやすく、内容も濃いのでお薦めです。

ちなみに白楽ロックビルさんは、この本以外にもキャリア設計に関する本を執筆・翻訳されています。


実際に留学した人の体験談が多数。この本で取り上げられているのは語学修得などではなく、研究に打ち込むために留学した人達です。

留学を考えた動機や具体的な手続き、現在のラボとの折り合いの付け方など参考になる話が多かったです。


就職四季報 2012年版

就職四季報 2012年版

就活生御用達の本ですが、巻末の方に、修士・博士を採用している企業のリストもあるので、院生の進路設計にも役立つかと。


〈関連するtogetterのまとめ〉

理系からの公務員就職

博士のキャリア設計

研究者の職探しと派遣労働について


〈関連リンク〉

TOP - 大学院生(修士/博士)ポスドクの就職・転職情報サイト「アカリクWEB」

2011-07-10

若者が騙されるパターン

以前、twitterでこんなツイートをしたら反響があったので、それに関連した記事を書いてみようと思います。

「若いうちに苦労しておくと後で楽」というロジックに騙される人間が多いが、実際は「後で役に立つ苦労」と「何の役にも立たない苦労」があるので注意。もちろん大部分の経営者は、若者を育てるためではなく利益を出すために人を雇うので、彼らの言う「将来のため」は十中八九方便であろう。

favstar.fm

まぁ大雑把に言ってしまえば「経験が足りないから」「正確な利害の予測ができないから」だと思うんですが、少し細分化して考えてみようと思います。


パターン1:知識の不足により騙される

これは単純なケースですし、若者に限った話ではないですけど。

例えば、ウェブ上のいかがわしいサイトでは、クリックした途端「直ちに料金を振り込まないと通報します!」などと表示されるものがあり、中にはその手の詐欺の手口を知らずに振り込んでしまう人もいるとか。

「そういう詐欺の手口がある」ということを知っていればまず引っ掛かることはないでしょうし、法律ITの知識(例えばIPアドレスから通常は本人の特定までできない)によって回避することもできると思います。

そんなわけでこのパターンに関しては、回避するのはそう難しくはないかと。


パターン2:将来の利益を過大評価して騙される

これに関しても「知識の不足」という面はあるのですが、若者は人生の残り時間が長いですし感受性も強いので、仮に老人と同程度の知識を有していても騙される可能性は高いと思います。

典型的なのが、「将来役立つスキルが身につく」などと謳って、劣悪な条件で働かせるパターン。

実際に収入や労働時間が不利でも得難い技術が身につくので価値がある、という場合もあるでしょうが、大抵はさしたる技術が身につくわけでもなく、人を騙して集めるテクニックに過ぎません。

でも若い人にはかなりの効果があるらしく、この手の宣伝文句を使って巧みに労働力を確保している会社もあるようです。

通常は入社して数ヶ月すれば騙されたことに気づくでしょうが、一度入ってしまうと辞める手間や転職時のリスクが大きいので、そのまま会社に残る人もいるでしょう。

また、中には入社してからも騙されたことに気付かずに、劣悪な労働条件で嬉々として働く人もいるかもしれません。

それはある意味では幸福なのかもしれませんが、その会社で学べることを学んだ後に転職を試みた際、自分が思っていたほど覚えた技術が評価されず、途方に暮れる危険性はあります。


パターン3:将来の不利益を過大評価して騙される

まぁ「不利益≒既に得られた利益や将来見込まれる利益の損失」と考えればパターン2と本質的に同じなんですが…

ただ心理的には「既に得たものの喪失」は「何も得られない」とは異なりますし、一般にダメージも大きいので敢えて別のパターンとして扱ってみます。

具体例を挙げると分かりやすいと思うのですが、例えば仕事の取引先に「もう少し安くしてもらえないと今後のお付き合いを考える」と言われて、相手の圧力に屈してしまうとか。

もちろん、こういった技術は交渉に不可欠だと思いますし、実際に取引を打ち切られれば不利益を生じるわけなんで、過小評価するのもマズイわけですが。

ただ実際は上記のような話が出たとしても、そう簡単に他の有利な取引相手が見つかるとは限らないですし、特別重要な顧客でなければ取引を打ち切った方が賢明という場合もあるでしょう。

しかしそういった判断をするには相応の経験が必要ですし、単一の製品の売買に限らず様々な協力を行っている相手であれば、「将来の不利益」を正確に見積もることは難しいと思います。

そういう状況で困惑するのは若者だけではないでしょうが、この手の脅しに屈しないためには、それなりの人生経験が必要ではないかと。


合わせ技

例えば新しく配属された部下に対し、配属直後でやる気のある時に、「やりがいのある仕事だが大変だぞ。やれるのか?」などと聞いておけば、新人は大概「ずっとやりたいと思ってた仕事なので、どんなに辛くてもやります!」などとポジティブな返答をするので(パターン2)、そこで言質を取っておきます。

その後、仕事内容がそこまで面白くなかったり、新人に雑用が多く回ってきたりすると、いろいろと不満が出てくるわけですが、「あれだけ大きなことを言ったんだから、ちゃんとやるよな?」などと釘をさしておけば、新人としては「言動に責任を持たない人間と上司に思われたらいろいろ不利になるかもしれない…」という心配もあり(パターン3)、上司に従わざるを得なくなります。



〈対抗策?〉

まぁ基本的に経験を積むしかないですし、私自身今でも騙されながら生きてるわけなんで、あまり偉そうなことは言えませんが…ただいくつかコツのようなものはあるかと。


1.知識・経験を増やす

これは当たり前の話ですけどw

最近はウェブ上で様々な情報が手に入るので、知識を増やすのは昔よりもはるかに簡単です。

ただ、自分ひとりで知識を増やそうとすると、知識の偏りが修正されない場合が多いので(例えば自説を補強する情報ばかり集めてしまうとか)、友人や先輩と適宜相談するのがいいでしょうね。

下記の「フィードバックを得る」の項でも似た話が出てきますが、自分がやろうとしている分野の先達に聞くのが一番強力な手法。


「経験を増やす」も言うまでもないことだと思いますが、理屈で重要性が分かっているのに、なかなか行動に移せない人がいるようです。

何人かそういう人を見て感じたのは、「どうも世の中がマニュアルどおり・社会通念どおりに動いていると思っているらしい」ということ。

ゆえに「わざわざ時間割いてインターンとか行かなくても大丈夫じゃね?」みたいな発想になる。

実際は現場を見ないと分からないことが多いですし、法律や社会通念に外れたことを平気でやっている所も結構あるw(まぁインターンではあまり見せないだろうけど)

まぁそういうことも「経験しないと分からない」ので、最初の一歩を踏み出すのが難しいですが…

とりあえず、

「この国は先進国に見えても一部の法律がザルだったり、前時代的な価値観が残ってたりするので、若いうちにいろいろ経験を積まないと危険」

ということと、

「これからの時代はグローバル化途上国と仕事を取りあったり、人口増加で資源を奪い合ったりするので、若いうちにいろいろ経験を積まないと危険」

という警告だけ記しておきますw


2.選択肢を広げる

特にパターン3に有効な手なのですが、相手の機嫌を損ねる可能性が深刻に感じられるのは、相手が自分にとって不可欠な存在だからであって、代替可能な存在であればそこまで顔色を伺う必要はないわけです。

仮に仕事が順調に進んでいる時であったとしても、他の上司や同僚などとも親しくしておき、いざという時そちらへ逃げられる、あるいは手助けしてもらえる状況を確保しておくべきかと。

一般的に、何らかの努力をして欲しいものを得た場合、その時点で努力をやめてしまいがちですが、得たものをずっと維持したいのであればその後も努力を継続し、仮に失っても再獲得できるのがベストだと思います。


3.適切なフィードバックを得る

パターン2に引っ掛かからない手というか、引っ掛かっても早い段階でリカバリーする方法です。

上記のような「転職に有利なスキルが身につく!」という謳い文句であれば、それが本当に転職に有利なのか、あるいは日常の業務で本当にそれが身につくのかを自分なりに検討することで、本当か嘘かを検証することができます。

学校の勉強であれば定期テストや模試などで(授業の理解度に関する)フィードバックが得られますが、社会に出てからは自分でフィードバックを得なければならないケースがほとんど。

またどうやって確かめたらいいか難しい問題も多く存在します。

さらに、フィードバックを得ることで自分の今までの努力が否定されることもあるので、怠惰な人間はついついそれを避けてしまいがち。

(まぁ「誤った努力の否定」こそがフィードバック効用なんですけどね。その後方向性を修正できればそれ以上無駄な努力をせずに済むし、目的達成の可能性も上がる)

しかしそれをしないことには、騙されたまま何年も棒に振ることになります。

(さらに騙された期間が長いほど、自分の努力を否定したくない心理が強く働き、嘘と見抜くのが難しくなる)


割と汎用性のある方法は「自分がやろうとしている分野の先達に話を聞く」ですかね?

そういう人が見つかれば、その人に自分の状況と意図を話すことで、正しいか間違っているか、あるいはどういう方向に修正すればいいかコメントをもらうことができます。

まぁ学校のテスト以上に「評価する側が間違っている」可能性は高いですし、「誰に話を聞くか」「どうやってその人に会うか」「相手に何を伝えるか」「相手の発言をどう解釈するか」など、経験がないと難しい部分もありますけど。

ちなみに上記のような「技術の向上」であれば、資格試験の類である程度評価することも可能かもしれませんね。


4.人間関係を気にしすぎない

人間関係」も「利益」や「不利益」をもたらす要因の一つに過ぎないわけですが、判断を誤る頻度の高い人は特に人間関係に拘るというか、ウェットな人が多いので。

もちろん人間の生活において重要な要素だと思いますが、予測できない部分もありますし、個人差が大きいので一般的な対処法を見出すのは困難です。

「特定の人物との良好な関係の維持」に固執すると、(相手の意図、要求に対応するため)ものすごいコストがかかりますし、上記のようにそれにつけ込まれて不利な条件を飲まされる危険性もあります。


「選択肢を広げる」とも関係するのですが、自分から積極的に友人を増やせる人は、誰かに嫌われても別の友人を見つけることができるので、他人の機嫌を伺うことが強迫的になっていない気がしますね。

(まぁ極度の寂しがり屋ゆえに友人を増やそうとする、というケースもあるにはありますが)

「他人と積極的に関われるか」には先天的な要素もあると思いますが、上記のようなリスクを知っておけば、いくらか積極的に動けるのではないかと。

ちなみに上司に関しても同様の戦略は有効だと思いますが、自分の意志で選べない場合が多いので、友人の場合よりも厄介ですね…



…こんな感じで思いついたことをつらつらと書いてみましたが、いかがでしょうか?

「若者」の特徴として、「未来のことや抽象的なものを高く評価する」という傾向があるように思えるので、騙すのであればそういった概念をちらつかせるのがポイントかと。

逆に騙されないようにするためには、言葉のイメージに踊らされずに実態を正確に把握するのが重要ですかね?


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