グランド・フィナーレ

グランド・フィナーレ (講談社文庫)

グランド・フィナーレ (講談社文庫)


川上未映子の旦那ということで読んでみたら、面白かった。程よく文学的で程よくエンタメってところ。

生きてるだけで、愛

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)


阿部和重と比較すれば、文学性が少なく、エンタメ性が増えた感じで、これはこれで面白い。安堂は実際には珍しいかもしれないけどいかにもどこにでも居そうなキャラで、楽しませてくれる。ラティーナの家族も「いかにも」だが、これは造形が甘すぎた。そこらへんが芥川賞「候補」で終わった原因ではなかろうか。
『あの明け方の』はそのまま短編映画になりそうな佳作。

虎と月

虎と月 (ミステリーYA!)

虎と月 (ミステリーYA!)


山月記』は大好きな小説だが、別にそれをネタにした本など読む気にはならないところだが、『ジョーカー・ゲーム』の作者の作品だということと、本のデザインとか段組とかがなんか読みやすそうだったので買った。
面白かったんだけど、一点だけ納得できないのは、趙老子が語った「虎になった理由」はよくできてるのに、その後の少女の語った「虎になった理由」がうまくオチてないこと。