犬越路〜道志〜芦川〜甲府

最近は差し迫った仕事がないので、久々に休暇をとってツーリングに出かけることにする。まだ山間部は充分寒いので、残念ながらバイクではなく車だ。

あんまり明確に行き先を考えていなかったのだが、とりあえず近場で、以前から気になって仕方がなかったポイントにまず寄ってみようと考えた。
この犬越路トンネルというところが、僕が意識的に地図を見るようになってから(つまり6年位前)からずっと「通年通行禁止」ということになっていて、ここっていつになったら工事が終わるんだよ!と思っていたのだ。
このリンクの地図を見ればお分かりのように、このトンネルが開通すれば、箱根方面へのアクセスが非常によくなることは間違いなしなのに…。
「通行止め」とは言っても、中には可動式のゲートだったりして、通行可だが自己責任だよと暗黙に言われている程度の通行止めだったりすることもままあるので、ぜひ確かめてみようと思ったのだ。さらに地図の解説を見ると、この「犬越路」の由来は、「信玄が北条攻めのとき通った折あまりの険しさに犬を先導させたことにちなむ」などと書いてある。ますます期待は高まろうというものだ。

ついでに、地図を見ていると、この犬越路に入る前のところで、「長者舎 冬は猪鍋と鹿刺料理」などと書いてある。猪に鹿か。鹿は食ったことがあるのだが猪はないはずだし、これはぜひ食いたいねえ。

さて、その長者舎というところに到着した。地図はこちら


この、あからさまに放置された看板を見て、なんだかイヤな予感がした。

 

こんな感じで、河原沿いに建っている山荘のようだ。建設中?のバーベキューや露天風呂の施設もある。

 

しかし、どうみても営業している様子はない。工事中のまま途中で放棄されているような感じだ。うぬーこれはいったいどうしたことだ?
いま検索してみたのだが、どうもいまいち状況がつかめない。あとでもうちょっと調べてみよう。

懸案の犬越路の通行止めは、トンネルどころか、トンネルに向かう林道の時点で厳重な封鎖がされていた。うーんこれはさすがに無理だなあ。


ここはもうあきらめて、今回は以前から通ってみようと思っていた林道をめぐることをテーマとすることにする。


国道413、通称道志道に戻ろうとしていたところ、一休みした自販機のところに謎な遺跡があった。

 

ババア宮という遺跡なんだが、ババアはないだろババアは!
看板を読むところによると、忠実な姥の感動譚らしいのに…。
検索してみると、なんと近くにジィジィ宮というのもあったらしい。


猪と鹿を食い逃して腹が減っていたところに、道志水源の森そば打ち教室という看板が見つかった。
もちろん教室だけではなく、普通に蕎麦屋も営業しているはずなのでそこに向かう。


なにせ水源の森なので、橋を渡って店へと向かいます。
橋の上から、おそらく鮎の友釣りをしていると思われる人を見下ろした。


近くに「オトリ有ります」という看板が出ていたので、きっと鮎の友釣りなんだろう。


これがその店です。隣の建物ではまさしく蕎麦打ち教室が開かれていました。

もりそばの大盛りを頼んだのだが、これかなりの量だなあ。1.5人前相当とは書いてあるけど、僕感覚では2人前って感じなんだが。
腹がずいぶん減っているというのに、いまいちピンとこない。決してまずいわけではないのだけど、あんまりコシがないのがどうも好みではない感じ。ほかにもつゆとそばの風味がアンバランスなのかなあ? そばの風味が弱い割にはつゆが甘すぎる(みりんの効きすぎ?)のか…。
わさびも普通の市販の練りわさびなのかな。単にピリピリくるだけで盛り上げ役になっていないというか。うーんちょっと残念。

次のターゲットは、この都留市の山奥から笹子峠へとつながる林道だ。
こちらも、もし通れるならば、バイクならぐねぐね道が存分に楽しめるのではないかと、以前から期待していたのだ。
しかしこちらも、林道を入ってすぐのところで厳重なゲート封鎖をされていたので、通行不能だった…。残念だ。


小さなボディのバイクだったら、ゲートの脇から通行できそうな感じ。LANZAだとギリギリ無理っぽいかな?


河口湖の近くまで来ると、富士山がかなり近づいてくる。


富士山といえば、僕にとっては天気のいい日に遥か遠くに見える山だったり、バイクなどで登る対象だったりするわけなんだが、こうやってごく日常の、交差点のど真ん中に富士山が見えるのは、なんだか不思議な気分だった。
地元の人にとっては、全く日常のことなんだろうが…。


次のターゲットは、御坂峠越えの旧道だ。ここは昨年の6月に通ろうとしたが途中で封鎖されていたので、再挑戦だ。
しかしこちらも、やはり途中で通行不能になっているとの看板が出ていたので、あきらめて御坂トンネルのルートを取った。

うーん今回は、狙った道がすべて通行不能で悔しいなあ。
そこで、その昨年の6月には通行できた、芦川村へ向かう林道に向かうことにした。今度こそはいくらなんでも大丈夫だろ!


…この道もまた、通行不能ということだった。


気合を入れなおすため、地図で見つけた一番近くの温泉、上九の湯に行くことにする。
…しかし到着してみると、営業こそしていたものの、入浴受付は18:30までということで、タイムオーバーになってしまっていた。


このあたりはすずらんが名物らしく、街灯までこんな形をしております。

だんだん日が暮れてきて、甲府盆地の夜景がきれいだ。道を進むごとに夜景が大きく広がっていく。

 

しかしなんだか今日は踏んだり蹴ったりだな!
そろそろ暗くなってきたし眠くなってきたので、甲府駅前で宿をとることにする。
甲府出身の同僚にいきなり電話して、このあたりでお勧めの食い物屋を教えろと問うと、有名なのはほうとうの小作とのことだった。
と聞いたその瞬間に、目の前にその店が視界に入ってきた。せっかくなのでこの店に入ることにする。

昼に長者舎で食べる気まんまんだった猪にリベンジするため、猪肉ほうとう2000円を頼む。
猪肉はちょっと独特の臭みが残っているのだけど、別に不快ではない。意外に脂身が多い感じ。わざわざ脂身部分をチョイスしているのかな? それほど豚肉と大きな違いはないような印象。
でもなかなかうまいです。ほうとうはいままで食ったことのあるものより、うどんよりすいとんに近い食感。たぶんこれが本来の姿なんだろうな。
これがかなりのボリュームだったので、腹に余裕があれば食おうと思っていた、鹿刺1000円を食うのはあきらめた。
そのかわりといっちゃなんだが、まるごとかぼちゃアイス500円というのを頼んだ。


こんなやつです。それにしてもこのスプーンもまたすごいな。これ使うの20年ぶりくらいじゃないか?
かぼちゃをくりぬいた中に、かぼちゃ味のアイスが入っているというものなのだが…あんまりかぼちゃっぽい感じがないなあ。全然ないわけじゃないんだけど、バニラ?バター?ともかく油脂系の味のほうが印象に残る。
ジェラート系じゃなくて、僕が子供のころの時代の「アイスクリーム」って感じの味と食感。
でもこれはこれでけっこういけるかも。腹が膨れているのに、あれよあれよとかぼちゃ丸々一個分のサイズを食ってしまった。

明日は休暇をとってしまうことにする。それはいいのだが、さていったいどこへ行こうか?
この分だと、冬季閉鎖ってことで、林道系は今日みたいにほとんど通れないだろうし、かといってこのへんだと主だった道は一通り通ったことがあるし…。
まあこれから地図を見て考えよう。