議員会館、建て替えへ

さてもうすぐ通常国会が始まるわけですが。

両院事務局は「議員事務所は2・5倍の100平方メートルとする」などの方針に沿って、13階建て3棟に国際会議場も併設し、総床面積約32万平方メートル、総建設費約2100億円との計画を策定。04年度予算の概算要求では実施設計費など約11億6000万円を要求した。  

これに対し、財務省は「高過ぎる」として原案内示では「ゼロ査定」に。復活折衝で(1)国際会議場の規模縮小などで総床面積を約1・5万平方メートル削減(2)建設費は3割減の1500億円めど−を条件に着工を容認。04年度の予算も約7億1000万円に減額して認めた。

たまに立法府と行政府の役割がわからなくなる。
国会が予算を決めるんだから、国会が妥当だと思えば、予算審議の段階で予算案修正して建て替え原案どおり通せばいいじゃないか、と思うが。
なんで国会が財務省に「ゼロ査定」を食らわなければならないのだろう。謎だ。1977年の政府見解「国会の予算修正は内閣の予算提案権を損なわない範囲内において可能」(真田内閣法制局長官)はあるにしろ、「損なわない範囲内」がどこまでかは不明確だし、国会がそれに縛られる必要はないと思う。提案権と修正権を巡る学説もいろいろあるけど。
巨額の立て替え費用を計上すると出と入りが合わなくなるから、ということであれば、予備費にあらかじめ建て替え費用分を積んでおいて、国会でそれを削って建設費用に充てれば本音と建前が両立していいような気がする。それもまぁ談合なんだけど…。
いや、財務省要求プロセスを経て予算の必要性等がより明確になるという効果があることは否定しないけど。
んーしかしこの場合建設費用に関する国民への説明責任は誰が負うんだ?具体的には国会審議でこの予算が問題になったら誰が答弁するんだ?政府案に入っているから内閣が負うのか?それもおかしな話じゃないか…。
「国会の予算」でぐぐったら、次のようなページが見つかった。

では、国会の予算はどうなるのか? このことはあまりマスコミにも登場しませんが、予算においては国会も一つの役所として内閣に予算要求をしています。20日には財務省原案が提示され、最後のトップ交渉を行います。私も、昨日から議運の野党筆頭理事に就任したことから、このトップ交渉の現場に出席することになりました。20日土曜日の夕方に、議運委員長、与野党筆頭理事、事務総長以下の事務方らと折衝に臨みます。相手は財務省副大臣や主計局スタッフでこれが最後のいわゆる復活折衝となります。さらにその後、国立国会図書館の来年度予算の復活折衝も行います。こちらは、私が議運・図書館運営小委員長に就任したことから、私が表に立って交渉することになっています。

民主党の藤村先生、官主導を批判する民主党の議員として、このことがおかしいとは思いませんか?

国会の予算修正権

(追記)国会会議録検索へのリンクは死んでいる模様です。興味のある方はhttp://kokkai.ndl.go.jp/から検索してくださいな。
昭和52年(1977年)2月23日衆議院予算委員会における「予算修正権」についての政府見解、及び質疑。総理は福田赳夫内閣法制局長官は真田秀夫、対するは公明党矢野絢也
面白いなぁ。法制局長官の答弁が何とも微妙なしどろもどろ感を醸し出していて面白い。こう考えると最近の国会審議は面白くないなぁ。しかし面白い国会審議=裏方の役人は瀕死、だからあんまり面白くても困るのだが…。
予算修正権の話ではないが、中曽根大勲位若かりし時に大演説をぶった時の議事録(昭和28年3月2日衆議院本会議)。吉田総理のバカヤロー発言に対する懲罰動議の回でもある。面白い。太田予算委員長の答弁も面白い。というか予算委員長がつるし上げされるのか。それに対する中曽根君の再質問も面白い。再々質問を求めて大野「岐阜羽島」伴睦議長に食い下がる中曽根君も味がある。

キーワード中絶天国について。

id:qsaqさんが登録。
qsaqさんの一連の中絶関連のキーワードは非常に興味深く拝見させていただいたが、これはちょっとどうだろうか。二つ問題がある。一つはキーワード内容の中立性・真実性、もう一つは一般的でない名詞のキーワード登録について。
まずキーワードの内容だが、「第二次大戦直後には最大の産業にまで成長」とある。しかし、当時はそもそもその他の産業の基盤がことごとく破壊され衰退したのであって、仮に最大の産業であったとしても、別に「中絶産業」が「成長」したから「最大の産業」になったのではない。また、闇経済が広がりを見せていた時期でもあり、最大の産業とはなかなか言い切れないと思う。それに、直感的に考えるならば、人工妊娠中絶以外の医療行為の方が大きいのではないかとも思う。
さらに、「昭和50年には50%の女性が中絶を経験」とあるが、これは間違いだろう。せいぜい「妊娠した女性のうち50%」ではないだろうか(それ自体も不勉強な私にはちょっと多すぎるような気もするんだけど)。
これらの記述はおそらく「村松博雄」氏の著作からの引用であると思われるが、ちょっとぐぐってみたところではなんとなーく偏った人のような気がする。ある人が著書で述べているだけの見解を無批判にキーワードにしていいものだろうか。
「中絶」の議論は非常に政治的で、紛糾しやすい。以上のことを踏まえ、qsaqさんには適宜修正・反論等をお願いしたい。
次の問題は、一般的でない名詞のキーワード登録について(これはqsaqさんだけにあてたものではなく、むしろ一般的な話)。1127見解によって名詞以外のキーワード登録の原則禁止が確認されたが、一般的でない名詞、作られた名詞についてはどう考えるか。「中絶天国」を日本の別名として使う言い方は、私は初めて聞いたし、そう一般的とは思えない。
キーワード「ナロ」というのがある。今回の騒動の発端となった「ナロる」を作った人が同じく登録したキーワードで、「ナローバンド」のことだそうだ。これも一般的とは言い難く、登録者以外が使うとも思えない(しかも、前提として「ナロる」という動詞の表現がまずあり、「ナロ」それ自体が名詞であると言うよりも「ナロる」の語幹であるから名詞という反射的効力によって名詞と主張しているように見える)。
問題なのは、私が「一般的」と言うのは「私が一般的だと思っている」ことでしかないということだ。世の中のすべてのことに通じている人はいないし、私がよくわからない分野においてはそのキーワードは「一般的」なのかもしれない。この辺の調整をすべきなのか、必要ないのか。
例によって結論はない。