けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 腹がイッパイの朝

5:00起床。「初雪かも知れませんよ!」とテレビの姉さんが仰っていたが、初雪にはならないだろうな!と気配を感じていたら、案の定、初雪にはならなかった(のかな?)。

昨日は冬至だったけど、柚子湯にも入らず、かぼちゃも食わなかった。というか、関係ないものをたくさん飲み食いしてしまって、今でも腹がイッパイだ。とりあえず、味噌汁とキャベツで一日しのげそう。

 これはひどいなあ。

小谷野敦の「卑怯」

という倫敦橋さんのエントリで知った話。

−−−
これは酷いなあ。

荻上チキの正体
(cache)http://s03.megalodon.jp/2007-1218-2252-05/d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20071218

ブログ世界では、猫猫先生と可愛く呼ばれている人らしいけど、大学センセの小谷野敦センセが書いたエントリ。このエントリから、

http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20071220/p1

ということになったそうです。開示していない実名を晒されることが、「覚悟の問題」って・・・。小谷野敦センセについては、私が巡回している数少ないブログの一つでも触れられています。こちら、

猫猫先生が青筋立ててます

このエントリが書かれたのは2007年9月。で、その時期に「昨年の三月から四月にかけて、云々」の話が、mixi経由でmuffdivingさんに届けられたらしい。2006年3月から4月。ということは、約18ヶ月前の話の再燃。一年半前が唐突に。

大学のセンセともあろうお人が・・・*1

*1:これ、皮肉ですが。

 三津田信三「首無の如き祟るもの」(原書房)〜首斬りの考察

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

秘守一族なる三家が息づく山奥の村で、繰り広げられる首斬り連続殺人事件の話。村の生業は炭焼きと養蚕であり、そこから示唆されるように第一の事件は、第二次世界大戦前に発生したものである。そして、事件は、不可解な謎を残し、未解決のまま戦後を迎える。

本筋には関係ないけれども、この未解決事件を通して向き合う戦地に赴く駐在と村に残るもう一人の駐在の別れの場面。この辺りは、上手いなあ。

さて、終戦後、第二の事件が発生する。それは、連続殺人事件でもあり、いずれも「首斬り」死体が残される。何故、首は斬られて持ち去られたのか?そして、登場人物の一人が、J.D.カー「三つの棺」の"密室講義"ならぬ、"首斬りの分類"を語る。

首切りの分類。これについては、他書において既出の分類も含まれているが、民俗学的な考察も含まれており、興味深い。民俗学的といえば、本書は「祟りや怪異を人々がどのように捉えるか?あるいは捉えたか?」という、物の怪の考察におけるテーゼ*1が、謎解きの基軸になっており、民俗学に興味がある方にもお勧め。

話が逸れたが、本書は密室物のミステリでもある。しかし、なによりも首無しのホワイダニットは、凝りに凝った構成で最後(?)の謎解きには驚く。難点をあげれば、「最後(?)」と書いたが、最後の"揺らし"的謎解きは抜きにして、ストレートに結んでも良かったのでは?と思う。あと、町の殺人鬼の話が、どう本筋に関係があるのか分からない。

と、難点をあげたが、本年読んだ本格ミステリの中では、三本指に入る本。

なお、奥多摩という舞台設定(架空)であり、爪生卓造「檜原村紀聞」(東京書籍)が参考文献として掲げられているのだが、滅法読み返したくなった。

檜原村紀聞―その風土と人間 (平凡社ライブラリー)

檜原村紀聞―その風土と人間 (平凡社ライブラリー)

おお、絶版かと思っていたけれども、試しにAmazonしてみたら版元が替わりながらも販売されているのか!

*1:というと大袈裟かな。

 ポール・アルテ「赤髯王の呪い」(早川書房)〜ラストからラストへ

ポール・アルテ。ミステリ好きの巷間では、「狂人の部屋」(asin:4150018014)が注目されているでしょうが、当該本は未読。でも手に入れてあるから、後で読みます。

今回は、ちょっと古いけれども、最近読了したこちらの感想文

赤髯王の呪い (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1790)

赤髯王の呪い (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1790)

正確には、表題作の感想文。

本作を一言で記すならば、"アルザス・ロレーヌ地方の悲劇"に尽きる。

アルザス・ロレーヌ(wikipedia)

犠牲となった密室殺人事件の被害者の少女が、時を経て再び現われる。奇怪な発端。主人公は、生まれ育った村を離れ、ロンドンでシェフの仕事に就き平和に暮らしていたが、知らせを受けて、アルザスの村に戻る。戻るまでが、とても長い・・・。

で、戻る前に探偵役のツイスト博士が登場して、主人公の口から過去の事件が語られる。ここで、過去の事件の犯人は目星がついてしまう。そのトリックも。いや、憚りながら私にも分ってしまった。

そして、ロンドンでロマンスを楽しみ、名残惜しくも村に向かうと、村では変死事件が発生する。過去の主要な登場人物が、ツイスト博士を囲み当時の状況を語る。「当時の状況」は、ロンドンで語られた当時の状況ではないのが味噌。

読者は、その味噌を噛み締め、あるいは犯人のミスディレクションを感じながら、過去の事件の謎解きに立ち会うことになる。フーダニットというよりも、ホワイダニット。禁じ手と個人的には思う手法には納得がいかない点もあるのだが。

とまあ、ミステリとしては、大したものではないと無責任な読者の私は思うが、ラストは感動的。引用してみよう。ネタバレになるかもしれないので、反転させて読んでください。

憶えているかい?本当にいい結婚生活だった。三十年間、幸せそのものだったよ。(略)けれども今夜、わたしは呼び声に答えるだろう。いっしょに行くよ・・・(略)