大連2日目

大連満鉄旧跡陳列館

まず駅に行って帰りの列車の切符を買って、旧満鉄本社へ。地球の歩き方の最新刊に「南満州鉄道株式会社の遺構、ついに開放」とあったので、行ってみました。これまでも、魯迅路にある満鉄旧本社建物の外観だけは観光コースで必ず寄る所で、僕も何度か来たことがあるんですが、地元住民のカン君は知らなかったです(ありがちなことですが)。大連駅前から路面電車に乗って「世紀街」下車。4年前にはなかった連接車の新型車輌が投入されていてビックリ。旧型車輌も走っているので、さながら江ノ電の様相。行ってみると、入り口には何も書いてなくて、覗いてみると、奥に確かに「陳列館」の文字が見えるものの、地球の歩き方に書いてある開館時間は過ぎているはずなのに、鍵がかかっている。押したり引いたりガタガタやっていると、出勤途中の職員の女性がちょうど通りかかって、声をかけてくれて助かりました。彼女について、現在使っている玄関へ回り、普通の見学者が立ち入れない建物を経由して陳列館へ。陳列館に改装されているのは、ロシア統治時代に建てられた最初の建物で、それ以外が満鉄が増築した部分だそうです。展示室は元ロシア正教の礼拝室で、天井を見るとそれとわかりました。なぜか前に客がいて、一緒に説明しましょうかと言われたのですが、自分で見るからと言って断り(途中からになってしまうので)、日露戦争のところでカン君と話しながら、[写真を撮ろうとしたら、「写真はご遠慮ください」と声をかけてきたのが男性の学芸員。結局、彼が僕たち2人について説明してくれました。僕には日本語で、カン君がわからない言葉が出てくると中国語でも説明してくれて、ホントによかったです。展示室の他、総裁室・秘書室・金庫が見学出来るようになってました。土産物売り場には、当時の遺物の一部も売り出されていてビックリ。特に保存すべき物を除いて、世界のコレクターの方に提供するとかで、満鉄マーク入りの切り子硝子のグラスなど数百元の物から、どうでもいいような日用品まで売ってました。本物ですから、ほしい人もいるかもしれませんね。残念ながら鉄道関係の物はありませんでした。おかげで、いろいろ勉強になりました。カン君も「50元(入館料)の価値ありましたね」。地元の人だけで来ることないだろうから、彼も勉強になってよかったと言ってました。

大連港

その後、東海公園に行って海を見ようと思ったら、例の学芸員が、今は工事中でゴチャゴチャですよと教えてくれたので、予定変更して大連港へ。日本統治時代に作った桟橋が今でも現役です。桟橋前の大連港湾局は満州時代の港湾会社の建物で、屋上から港が見渡せる。4年前にガイドツアーで来たことがあるので、入ってみると、個人の見学にも対応してくれました。こちらは20元。女性の係員が来てエレベーターで屋上へ。マニュアル通りと思われる簡単な日本語の説明をしてくれます。シャッターを押してもらったので、ご覧の通り。後からガイドに伴われて日本人客が来たので、ああいうガイドツアーは700元くらいだったよ、と言うとカン君びっくりしながら、「アルバイトでガイドやったらいいですね」。彼の日本語力だったら問題なし。客が土産物売り場に入った後、外で待っているガイド氏に、いろいろ話聞いていました。ホント、客が多いとき臨時にガイドとして雇ってあげてほしいもんです。

昼食&喫茶

駅前に戻り、お昼ご飯。何を食べるか悩んだ末、彼が連れていってくれたのは、大連名物の糯米nuomi(餅米で作る、日本の餅菓子風)と、红豆粥hongdouzhouという小豆粥を日本のお汁粉風に甘くした物を売る店。おもしろいと思ったのは、女性一人で食べに来ている客が結構いたこと。カン君がたくさん注文してくれたので、食べきれない分はお持ち帰り。帰りの列車まで時間があるので喫茶店へ。大連には「喫茶店」がある。久し振りにコーヒーを飲みました。なんか、「やっぱり大連は落ち着く」と言うと、それは「所属意識」ですか?とカン君。・・・ある意味、そうかも。

火車huoche

2:35発の長春行き空調快速で、硬座でも47元。中国の列車は、同じ区間・同じ席種でも列車によって値段が違う。使っている車輌による価格の違いでしょうか。この価格は一番高い。乗ってから車掌さんに鞍山着の時刻を訊いたら5:40と言うので、所用3時間は一番速い。まぁ特急料金か? 席は例によって、集団で乗ってるグループに代わってくれと頼まれて、これまた窓際に代わってラッキー。乗り過ごさないように注意してないといけないが辛いけど、明るい時間なので安心でした。途中、大石桥Dashiqiaoに停まっただけ。それにしても、車窓に広がる旧満州の広大な平原を眺めていると、ここは大陸だと実感出来ますね。10分ほど遅れたものの無事鞍山に到着。充実した2日間でした。