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この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

ゲーム

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

このよのはてでこいをうたうしょう

リスト::ギャルゲー//タイトル/か行

エルフ(elf)が発表した作品。1996年12月にPC-98x1(DOS)版が発売された。翌1997年セガサターンへ移植。2000年12月22日に発売された「エルフ大人の缶詰」には、DOS版をもとにしたWindows用移植版が同梱されている(なおこの移植版では、一部テキストが伏せ字になっている)。

『物語』という名の迷宮へ…

この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』は、A.D.M.S.=Auto Diverge Mapping System(オート分岐マッピング・システム)を採用した、今までに無いタイプのアドベンチャーゲームです。マップを見ながら、様々な分岐世界を探索する・・・・新たなマルチシステムA.D.M.S.は、複雑にからみあった世界を、目に見えるマップとして作成していきます。

ストーリーの根幹には「並列世界」と呼ばれる概念が存在します。プレイヤーの目的は、この並列世界の探索、そしてその奥に潜む謎に迫ることです。あなたの判断と行動が、様々な分岐世界を進んでいくきっかけとなるのです。

A.D.M.S.が仕掛ける数々の謎を解くことができるでしょうか?

物語上の特質

YU-NOの物語性における特徴としては、まったく性格を異にする展開形態――第1部「併行世界編」と、第2部「ユーノ編」――が、同一の作品の中で同居していることを挙げられよう。すなわち、第1部においては一体化していた「ゲームの中の主人公」と「操作するプレイヤー」とが、第2部の冒頭において突如として切り離されるのである。これは、主人公がプレイヤーに対して話しかけるという動作を行うことによって示されている。そして、紙媒体の小説を読み進めるようにして物語が進行をはじめる。

この変化は、「それまでとは違う物語空間」への移動が起こったことを宣言する機能を果たしている。第2部に選択肢はほとんど無いため、プレイヤーに対して要求されるのはクリックすることだけである。かかるゲームシステム上の転換は、プレイヤー(読み手)に思考を挟む余地(=物語世界が転換したことに対する疑念)を起こさせないように誘導している。

YU-NOゲーム性における特徴(特に時間の進行)については「剣乃ゆきひろ」の項で触れている。

なお、この解説において直接の言及は行わなかったが、先行研究として東浩紀動物化するポストモダン』第三章*1がある。

*1:初出は、「過視的なものたち」雑誌『ユリイカ』2001年7月号