研修医の頃の話です。僕はとある都会の総合病院に勤務していました。すべての診療科がそろっている大病院だったので、病棟の各フロアーにはさまざまな診療科の患者さんが混在していました。内科や外科といったメジャーな診療科は一つのフロアーを独占していましたが、耳鼻科や眼科などのマイナーな診療科は、混合病棟になっていました。僕が当時所属していた診療科は20ほど入院ベッドがあり、常に満床の本当に忙しい病院でした。 僕は研修医として毎日患者さんの部屋へ回診に行きました。大部屋もあれば個室もあります。中には特別室という部屋もあって、そこに入院している患者さん専用のトイレやシャワーがついているゴージャスな部屋もあり…