近代建築、近代都市の欠陥を指摘する書。雑誌の連載などの集成。 新型スラムの形成 近代都市は成長を前提とし、(新型)スラムの発生を伴った。近代都市計画はスラムクリアランス(再開発)を試みるが、それは必ず別種のスラム誕生に帰結する。ある部分を「浄化」しても、都市は他の部分との連関をもった系になっているから、部屋の端に荷物を寄せたということに過ぎない。スラムは消滅させるのではなく、保存・修復されなくてはならないという。ある都市圏における異質なサブセットを保存することで都市の冗長性を確保することができる。 人口流動性(漁農村→都市/都市A→都市B) 近代都市の形成は資本主義の発展にともなってなされた。…