ジェットカー

一般

ジェットカー

じぇっとかー

阪神電気鉄道各駅停車用電車の総称。

名前の由来

阪神の路線の特徴として、平均駅間距離が1.1kmと、路面電車並みに短いことが挙げられる。

急行列車が主要駅に停車する一方で、各駅停車はこれらの駅にこまめに停車し、阪神間を結んでいた。そのため、急行停車駅毎に、各駅停車急行列車に追い抜かれ、急行列車との所要時間差は非常に大きなものとなっていた。

戦後の復興とともに、利用客が急激に増大していたが、所要時間差が大きいことは、急行列車に利用客が集中することを意味しており、混雑緩和・分散を図る上では、好ましいものではなかった。

そこで、昭和20年代後半、各駅に停車しながら、極力、急行列車と平行ダイヤで走ることを目標として、高加速・高減速性能を持つ、新たな各駅停車用の電車を開発することになった。

このようなコンセプトで開発された各駅停車用の高性能車は、加速度4.5km/h/s・減速度5.0km/h/sの性能を有し、当時、世界最高の加減速性能を実現した。その加減速性能をジェット機の離着陸のそれになぞらえて、「ジェットカー」という愛称が付けられ、以後、阪神普通車の愛称として定着した。

現存系列

  • 5001形(2代目):32両製造
    • 1977年(昭和52年)〜1981年(昭和56年)にかけて、旧5001系・旧5101系・旧5201系の代替車として製造された系列。
    • 2両編成16本が製造された。
    • 車体は3901系(現在の8901形)に準ずる。
    • 新製時から冷房付き。
    • パンタグラフは連結面に1個。
    • 主電動機は東洋電機製90kW、台車はS型ミンデン式、制御装置は東芝製で抵抗制御
    • 後に4両固定編成に改造し、中間運転台を撤去。
    • 当初は表示幕装置を持たなかったが、後に取り付けられている。
    • バンドン型密着連結器から廻り子式密着連結器への交換が始まっている。
    • 阪神大震災による廃車はなく、現在4両編成8本が活躍。
  • 5131形:14両製造
    • 1981年(昭和56年)〜1983年(昭和58年)にかけて、旧5231系の代替車として製造された系列。
    • 2両編成7本が製造された。
    • 車体関係は2代目5001系に準ずる。
    • 新製時から冷房付き。
    • パンタグラフは運転台寄りに1個。
    • 制御装置は東芝製で電機子チョッパ制御。
    • 主電動機は東洋電機製75kW、台車はコイルバネ式で、いずれも旧5231系からの流用。
    • 後に4両固定編成に改造した車両について、中間運転台を撤去。
    • 当初は表示幕装置を持たなかったが、後に取り付けられている。
    • 阪神大震災による廃車はなく、現在4両編成3本が活躍。余った2両編成1本は、5311系と組んで4両編成を構成する。
  • 5331形:10両製造
    • 5131系と、ほとんど同一の系列。
    • 5131系とは、制御装置が三菱製の電機子チョッパ制御であることが異なる。
    • 後に4両固定編成に改造した車両について、中間運転台を撤去。
    • 当初は表示幕装置を持たなかったが、後に取り付けられている。
    • 阪神淡路大震災で2両が廃車。
    • 2005年現在、4両編成2本が活躍。
  • 5311形:4両製造
  • 5500系:36両製造
    • 1995年(平成7年)〜1999年(平成11年)にかけて製造された系列。
    • 当初、老朽ジェットカーの置き換え用として計画されていたが、阪神淡路大震災ジェットカー8両が被災廃車となったため、それを補うために投入されることになった(置き換え自体は震災前から計画されており、急遽設計した系列ではない点が9000系とは異なる)。
    • 阪神初のVVVFインバータ制御を採用。
    • 台車は阪神初のボルスタレス台車を採用。
    • 前面形状は8011系なみに変更され、窓が拡大されているほか、表示幕が種別用・行先用に分離されている。
    • 車体色は、クリームと紺色のツートンカラーから脱却し、灰青色と灰白色のツートンカラーとなっている。
    • 側窓は8000系と同様の連窓タイプ。
    • 車内にはLED式の案内装置を備える。
    • 加速度4.0km/h/s・減速度4.5km/h/sに落としており、高加減速性能は低下しているが、VVVFインバータ制御採用により、中速度域での加速力を上げているため、従来の「ジェットカー」と同じ所要時間で運転できる。
    • そのため、厳密には「ジェットカー」の範疇に入れない場合もある。
    • 2005年現在、4両編成9本が活躍。

過去の系列

  • 5101形:10両製造
    • 1959年(昭和34年)〜1960年(昭和35年)にかけて製造された系列。
    • 5001系の試験成績を基に、ジェットカーの量産車として製造された。
    • 増結用の両運転台車で、単車運転が可能。
    • この系列から、クリームと紺色のツートンカラーが採用された。
    • 1981年(昭和56年)までに、2代目5001系に代替され廃車。
  • 5201形:20両製造
    • 1959年(昭和34年)〜1960年(昭和35年)にかけて製造された系列。
    • 5001系の試験成績を基に、ジェットカーの量産車として製造された。
    • 5101系と同一性能だが、片運転台車。
    • 第1編成は、車体がステンレス製で、「ジェットシルバー」と呼ばれた。
    • 1981年(昭和56年)までに、2代目5001系に代替され廃車。
  • 5261形:14両製造
    • 1967年(昭和42年)〜1970年(昭和45年)にかけて製造された系列。
    • 2両編成7本が製造された。
    • 1500V昇圧後、初の1500V専用車として製造された。
    • 2両ユニットを組み、制御装置は1C8M式。
    • 前期の10両は7801系と同様の車体を持つ切妻車で、非冷房車。
    • 後期の4両は7001系と同様の車体を持ち、車体断面が大きい冷房車。
    • 非冷房車は後に冷房化されている。
    • 阪神淡路大震災で前期車4両が廃車。
    • 2000年(平成12年)3月までに全車老朽廃車。
    • 後期車4両は、阪神が当時経営していたジャズハウス「ブルーノートOSAKA」の全面広告電車として、阪神としては前代未聞の青1色に塗装されたことがある。
  • 5151形:2両製造
    • 1964年(昭和39年)に製造された系列。
    • 性能的には5231系に準ずる。
    • 当初は増結用として、1両単位での運用が可能であった。
    • 製造当初は抵抗制御
    • 昭和50年代に、制御装置を東芝電機子チョッパ制御に変更、冷房改造を実施、2両固定編成化。
    • 制御装置の交換は、この5151系で試験的に実施されたが、好成績だったことから、他の系列にも実施されるようになった。
    • 表示幕は持たなかった。
    • 阪神淡路大震災で2両とも被災し廃車。

その他