ジャック・リヴェット監督による1966年作『修道女』を『セリーヌとジュリーは舟でゆく』で描かれた劇中劇の演者の視点からの映画として読み解き、そして同監督の映画において別世界として現れる演劇の世界は何か、そこにおける鑑賞者の位置はどこにあるのかを考えていく。 あらすじ 1757年のパリ。家庭の経済事情で修道院に預けられた小貴族の三女シュザンヌは、修道女となる儀式を拒否。だが、自分が母の不義の子だったという秘密を知らされ、修道女になることを自ら認める。ある日、シュザンヌが慕っていた院長が亡くなり、規律に厳しいクリスティーヌが後任に就く。シュザンヌは新院長に反発し修道請願取り消しの訴訟を起こすが、悪…