アニエスによるヴァルダ 先日、『アニエスによるヴァルダ』(2019)という一風変わった映画を鑑賞した。アニエス・ヴァルダのフィルモグラフィーを総括するような、自身をテーマとした特異なドキュメンタリーであり、実際にこの作品が大監督の遺作となった。 アニエス・ヴァルダはヌーヴェル・ヴァーグを出発点とするフランス系の映画監督で、特に『5時から7時までのクレオ』が出世作。と言いつつ、僕は映画鑑賞に関してはまだまだド素人で、なんともこの遺作になってしまった『アニエスによるヴァルダ』を最初に観てしまったのだ。おかげで彼女の映画監督としての軌跡も朧気ながら掴めたし、それはそれでよかったのかもしれない。 今は…