封切り二日目。 席数154の【CINE9】の入りは八割ほど。 『リディア・ター(ケイト・ブランシェット)』は時代が産んだマエストロ。 「ベルリン・フィル」初の女性首席指揮者であり作曲もこなし、アマゾン原住民の音楽にも造詣が深い。 冒頭、対談形式のセッションでは彼女の経歴が延々と語られ『レナード・バーンスタイン』の弟子ともされている。 劇中名前が挙げられる多くの人物は実在。それを巧く絡めているため、架空の主人公があたかも現実に存在するように錯覚してしまう脚本の妙。 彼女の楽曲に対する解釈は同業者が教えを乞うほど独創的。 自己プロデュースも完璧で、自伝を出し、出資を募り女性指揮者を育て上げるプロジ…