(Thomas Carlyle 1795〜1881)
イギリスの作家、評論家。代表作に『衣装哲学』、『フランス革命史』、『英雄と英雄崇拝』などがある。ドイツ文学に造詣が深く、ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』を1824年に部分訳している。自伝的な要素を含む『衣装哲学』は19世紀イギリス批評を代表する作品として一定の評価を確立している。
歴史書として度々言及される『フランス革命史』であるが、当時の歴史学においては、同じく1795年生まれのランケのような厳密な史料批判と客観的科学の実証主義が隆盛を誇っていた。ために、ドイツやフランスの歴史家に比べて、カーライルのものは非科学的として一級の扱いを受けてはいない。
明治・大正期には、夏目漱石や北村透谷、内村鑑三のような日本の知識人にもよく読まれた。