塩竈桜。桜の一種。八重の花弁。
宮城県塩竈市
人口約6万人の港町で、練り製品の産地として知られる。
マグロの街。寿司屋の街。病院もやたらと多い街。
「塩竃」「塩釜」と書かれることもある。
市の見解としては、「特に書き方の指定がある場合は”塩釜”、それ以外は市では“塩竈”と表記する」ということになっているようです。この表記法の混乱には歴史的経緯をみる必要があります。
もともとは現塩竈市を含め、現松島町などの一帯はひっくるめて「松島」と呼ばれていたようです。やがて鹽竈神社周辺が整備され門前町が整備されると、神社周辺が「鹽竈」と呼ばれるようになりました。
「竈」の字が画数が多くしかも複雑な字形をしているので、次第に「カマ」の漢字部は画数が少なく簡易な表記で音も似ている「釜」の字を好んで当てられるようになります。昭和50年代まではほとんどの表記が「塩釜」になっていたようです。
ところが「竈」は「かまど」の意味であり、「釜」は「かまどの上にのせるかま」の意味です。地名の由来である「鹽竈神社」は、「しおのかまど」を意味するので、「塩釜」と表記するのはおかしいのではないか?という運動が起こりました。とはいっても「塩釜」の表記もかなり広まっているのでそれを今さら強制的に変更させるのも難しいので、前述の市の見解が出ていたというものです。
市の見解でいうところの「特に書き方の指定がある場合」というのは、初めから「塩釜」と表記しているところです。これは、県や国の施設に多いです。一方、市の施設では書き方の指定はしていないという解釈として扱い全て「塩竈」と表記します。
つまり、どちらが正しいということではなく、どっちでもいいのです。市の施設に限っては、「塩竈」と表記する、ということなのです。