(英: European Capital of Culture、仏: capitale européenne de la culture)
欧州連合が指定した加盟国の都市で、一年間にわたり集中的に各種の文化行事を展開する事業。当初、「欧州文化都市」(英: European City of Culture、仏: ville européenne de la culture)と呼ばれていたこの事業は、1983年にギリシャの文化大臣メリナ・メルクーリが提唱し、1985年にアテネを最初の指定都市として始まった。当初は、加盟国を一つずつ巡回する形で行なわれ、順番にあたる国の政府が開催都市を決定した。当初は各国の首都など、文字通り欧州を文化面で代表する都市が選ばれることが多かったが、やがて単なる文化事業ではなく、観光客の誘引など経済効果も大きい事業として注目されるようになると、都市開発の契機とすることを企図して、比較的知名度やイメージが見劣りする経済的に停滞した都市などを選ぶ例が増えていった。欧州連合への加盟国が増加し、この事業の導入希望が増えたことを受け、2000年には一挙に9都市が指定され、2001年以降は年次によっては複数の都市が指定されるようになった。1999年には、事業の改称が決定され、2005年から現行の名称となった。
制定都市一覧
- 1985年 - アテネ(ギリシャ)
- 1986年 - フィレンツェ(イタリア)
- 1987年 - アムステルダム(オランダ)
- 1988年 - 西ベルリン(西ドイツ)
- 1989年 - パリ(フランス)
- 1990年 - グラスゴー(イギリス)
- 1991年 - ダブリン(アイルランド)
- 1992年 - マドリード(スペイン)
- 1993年 - アントウェルペン(ベルギー)
- 1994年 - リスボン(ポルトガル)
- 1995年 - ルクセンブルク(ルクセンブルク)
- 1996年 - コペンハーゲン(デンマーク)
- 1997年 - テサロニキ(ギリシャ)
- 1998年 - ストックホルム(スウェーデン)
- 1999年 - ヴァイマル(ドイツ)
- 2000年 - ブリュッセル(ベルギー)、アヴィニョン(フランス)、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)・ボローニャ(イタリア)、ベルゲン(ノルウェー)、クラクフ(ポーランド)、ヘルシンキ(フィンランド)、レイキャヴィーク(アイスランド)、プラハ(チェコ)
- 2001年 - ロッテルダム(オランダ)、ポルト(ポルトガル)
- 2002年 - サラマンカ(スペイン)、ブルッヘ(ベルギー)
- 2003年 - グラーツ(オーストリア)
- 2004年 - リール(フランス)・ジェノヴァ(イタリア)
- 2005年 - コーク(アイルランド)
- 2006年 - パトラ(ギリシャ)
- 2007年 - シビウ(ルーマニア)、ルクセンブルク(ルクセンブルク)
- 2008年 - スタヴァンゲル・サンドネス(ノルウェー)、リヴァプール(イギリス)
- 2009年 - リンツ(オーストリア)、ヴィリニュス(リトアニア)
- 2010年 - エッセン(ドイツ)、ペーチ(ハンガリー)、イスタンブル(トルコ)
- 2011年 - トゥルク(フィンランド)、タリン(エストニア)
- 2012年 - ギマランイス(ポルトガル)、マリボル(スロベニア)
- 2013年 - マルセイユ・プロヴァンス地域(フランス)、コシツェ(スロバキア)
- 2014年 - ウメオ(スウェーデン)、リガ(ラトビア)
- 2015年 - モンス(ベルギー)、プルゼニ(チェコ)
- 2016年 - サン・セバスティアン(スペイン)、ヴロツワフ(ポーランド)