はじめて読む村上作品。軽薄感満点のタイトルとおしゃれな装幀、そして、芥川賞狙い?の文体でそこそこリッチな若者の生活が描かれる。最後まで読み通せたのは読みやすい文章とテンポの良さのおかげで、もったいぶった表現や屁理屈が無いのが良い。こんな本がなんで百万冊以上売れたのか不思議だけど、ま、自分の感受性の鈍さのせいにしておきませう。 著者のデビュー作にして芥川賞受賞作と思い込んでいたけど、調べてみると受賞作品ではありませんでした。審査員の多くが推していたのに落ちた。落ちたけど読者には大受けで村上春樹はスター作家になった。審査員に市場を読む時代感覚がなかったということですか。いや、市場に迎合する必要はあ…