高麗大学 高麗大学で ソウルで仕事をしていたとき、私といっしょに仕事をした人がいた。その人は私の元教え子で、家族ぐるみの付き合いがあった。 その人のご主人は、両班の由緒正しい家柄に生まれ、本人もたいへん有能な人で、それまでの人生はずっと順風満帆だった。 いい学校を出ていい大学に入り、財閥系の大企業に入って、とんとんと出世してきた。 ところが、私がソウルにいたころ、その人は40を遥かに過ぎたところで、生まれて初めての挫折を経験した。 その会社で史上もっとも若い重役に昇進するはずがなれなかった。 私たちから見ればたいしたことではないのだが、その人にとっては大変なことだったらしい。 ひどく落ち込み、…