令和時代の幕開けとなりました。新元号は、初めて漢籍ではなく日本の古典(国書)から選定されたとされ、にわかに「万葉集」ブームだとか。ですが、「漢籍を典拠とせず」と殊更強調するまでもなく、元々、我が国の元号は、本朝の目指すところの理想を「漢字を借りて表現」していただけのものでありました。 とはいえ、時代の風潮には大きな波があり、舶来ものに憧れる度合いの強い時期と、独立自主性に力を入れる時期が交互してきたと、我が国の歴史を振り返ることも出来ます。「国風文化」とは、十世紀の初め頃から十一世紀の摂関政治期を中心とする「日本的美意識を見直し強調する」文化です。白村江の戦い以降の「唐風文化取り入れ」に区切り…