1874年〜1914年。洋画家。岡山県生まれ。 天彩学舎と不同舎で洋画を学び、三重県尋常中学校などで教員を勤めた後、1900年に渡仏し、アカデミー・ジュリアンでジャン・ポール・ローランスに師事した。 帰国後は京都に住み、関西美術院、京都高等工芸学校などで指導に当たった他、太平洋画会に出品し、三宅克己と水彩画論争を行ったりした。 1906年、1915年にもパリに滞在し、ローランスの愛弟子として注目された。
(国吉康雄『横たわる裸婦』、1929年) ★野田佳奈子「鹿子木孟郎と明治の洋画」 北海道立近代美術館、2021年10月31日(日)14:00 (WEBサイト→) artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp 北海道立近代美術館は、1977年の開館以来、様ざまな作品を収集してきました。「北海道の美術」「日本近代の美術」「エコール・ド・パリ」「ガラス工芸」「現代の美術」という5つの方針による収蔵作品は、現在5,600点以上を数えます。今年度の近美コレクション展では、「コレクションストーリーズ」と題したシリーズにより、1年間を通して各分野の魅力を改めて掘り起こします。 シリーズの3回目…
存在が判明しているものの未公刊の日記については、「オタどんが死ぬまでに読みたい未公刊の日記群ーー堀一郎の日記はどうなった?ーー - 神保町系オタオタ日記」で言及したことがある。関西美術院第3代院長だった鹿子木孟郎の妻鹿子木春子の日記も、未公刊で気になるものである。この日記は、京都大学総合博物館で発見されたスウェン・ヘディンがチベットで描いた原画を関西美術院の画学生が模写した絵画の経緯を調べるために資料を管理している鹿子木良子氏から閲覧させてもらったものだという。 ヘディンは明治41年来日した際に京大で講演し、チベットで画いたスケッチや水彩画の展示も行われた。日記によると鹿子木の自宅で模写作業が…
MOTコレクション『歩く、赴く、移動する 1923→2020』。2023.12.10~2024.3.10。東京都現代美術館。 東京都現代美術館 美術館に行くときは、その時期に開催されている企画展を目的に出かけることが多い。 だから、常設展は、その鑑賞のあと、心身の余裕があれば見ることになる。だから、どうしても、気持ちの中で、ついで、といった感じがあって、東京都現代美術館ができた頃も、そんなふうに常設展を見ていた。 建物の隅っこに常設展の入り口があって、そこから歩いて入ると、現代美術の定義の一つといわれる1945年以降の作品が並んでいる。それは、確かに日本の美術の歴史であって、重要なのはわかるの…
朝食は近くの人気の喫茶店へ 翌日は7時半頃に目覚ましで目が覚める。昨晩はややうるさい部屋なんかもあったが、そこは安宿に宿泊する時に不可欠な「適度な無神経」スキル(さらに老化に伴う聴力低下もある)とこの宿の標準装備である耳栓で切り抜けて概ね爆睡している。 爆睡が効いたのか眠気はほぼなくなり、体もやや軽い。年中体調不良の私としては比較的良い体調と言えるだろう。こういう時は朝食のために近くの喫茶に繰り出すことにする。 立ち寄ったのは「カフェ・ド・イズミ」。実は前回立ち寄ろうとして満席で入店できなかった店である。この店は数年前にも訪問しているのだが、その後どうしたわけかGoogleマップでの評価が異常…
…7月19日(水)から11月5日(日)まで、特集展示「堅山南風《大震災実写図巻》と近代の画家 大観・玉堂・青邨・蓬春」を開催いたします。 1923年の関東大震災から100年の節目をむかえる本年、堅山南風《大震災実写図巻》を展示します。巣鴨で被災した南風は浅草や上野に出向いて、被害状況や復興に至る様子を描き留め、のちに31枚の絵を3巻に仕立てました。その描写から、当時の人々の苦悩・悲哀や助け合いの様相が伝わります。あわせて、南風と同時代の画家による作品12点を初公開…… 堅山南風の関東大震災画 ……震災の惨状を描いた画家もいました。彼らの代表的な作品として鹿子木孟郎(1874~1941)《大正十…
コレクター高野光正氏が海外から集めた、明治時代の日本の風景画を展示。日本人画家による当時の暮らしの絵画や西洋人画家の作品のほか、幻の画家、J. Kasagiこと笠木治郎吉の貴重な水彩画も登場します。会期:2023年8月17日(木)→9月3日(日)会場:日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール— 日本橋高島屋S.C.【公式】 (@n_takashimaya) 2023年5月24日 高野光正は実業家でコレクター。海外に流出していた近代の日本人画家の洋画家を購入して「里帰り」という。 …あれ? morina0321-2.hatenablog.com こちらの第4章に近いものが…。別に関連するつもりはなか…
なんか旅行してる感な(多少の遠出 pic.twitter.com/VETjL9bnys— daily tsubamegaeshi (@morina0321) 2023年8月13日 茅ヶ崎までは東海道線のグリーン車を使うと、ちょっとした旅行気分でいいよ。休日はちょっと混んでるけど。実質8/11から長期休暇に入ってて、この日はちょっと遠出を。 駅から「高砂通り」という、最初は居酒屋とか雑然としてるけど、それからお洒落な店が点在する、という通りを行く。 あ、「高砂」は「たかすな」と読む。うっかり「たかさご」って読んじゃうよね…。 で、途中に「高砂緑地」という場所がある。駅手前方面が日本庭園と茶室があ…
本日8/11は「山の日」。祝日なので、出願準備作業は小休止。 なれど向かった先は海のほう。茅ヶ崎美術館へ。 「イギリス風景画と国木田独歩」展を目的に。一昨日に、東所沢の角川武蔵野ミュージアムに行ったことに連想して、要するに〈武蔵野〉つながりだ。 www.chigasaki-museum.jpなぜ〈武蔵野の人〉である独歩*1が茅ヶ崎と縁があるかというと、彼が晩年に結核に冒されて、茅ヶ崎の結核療養所である南湖院で療養生活を過ごしたことによる。 彼の最期は、劇作家・小説家である真山青果によって「病床録」として読売新聞に連載された(しかしなぜ真山青果なのか)*2。田山花袋の『東京の三十年』には、年来の…
『り📚書店員による小説のすゝめ』 こんにちは。り📚書店員です。 みなさまいかがお過ごしですか? px.a8.net 【アソビュー!】休日の便利でお得な遊び予約サイト 本日の独自展評はこちら。 国立西洋美術館企画展『憧憬の地ブルターニュ』をレビューします。 www.nmwa.go.jp 『り📚書店員による小説のすゝめ』 『憧憬の地ブルターニュ』で学んだこと 3作のヨット ポール・シニャックさん 『嵐のベリール』『ポール=ドモワの洞窟』クロード・モネさん 『後向きの裸婦』モーリス・ドニさん 『樹と流れ』アンドレ・ドーシェさん 『ケルゴエスの宿』金山平三さん 『放牧』鹿子木孟郎さん(かのこぎ・たけし…
24時間勤務アケで、細君と東京メトロ千代田線乃木坂駅にある国立新美術館へ。 『1889年に小山正太郎、浅井忠らによって結成された明治美術会は、白馬会の独立などで勢力が衰え、1901年に解散したが、ヨーロッパから帰国した同会の新進作家、吉田博、満谷国四郎、中川八郎、丸山晩霞、有吉秀太(永地秀太) らを中心に、石川寅治、都鳥英喜、大下藤次郎、渡部審也 らが会務委員となり、明治美術会の後身として「太平洋画会」が結成された。 1902年1月、第1回展を上野公園5号館で開催する[1]。第2回展は、小杉未醒、石井柏亭、高村真夫らが出品。第3回展(1904年5月1日-6月6日)は、フランス留学から1904年…
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202304_oosaka.html 東京ステーションギャラリーへ来るのは、2021年の「コレクター福富太郎の眼」展以来。このときにも自分にとってはあまり知らなかった甲斐荘楠音や島成園などの作家を知った。今回も自分の知らない作家名が多数ありで、いろいろと見応え、情報量が沢山ある企画展だった。 まず大阪の日本画というのが目新しい。日本画の画壇というと一般的には東京か京都となる。その京都にも近接した大阪で、ローカルな画壇が形成されていたということになる。 関東の感覚でいえば大阪、京都は東京と横浜くらいになる。でも…