ー愛しき面倒な演劇人 名プロデューサーが明かす知られざる素顔(26)ー(悲劇喜劇2022年1月) 本当に困った人だった。こっちが演出部だったりプロデューサーだったりした時は、全く付合いきれない人だった。 しかし舞台の上や映画の画面では、可笑しいことこの上無い人だったことは万人が知っている。 あんまり可笑しいので前歯を折ったという客が居た。旧宝塚劇場で菊田一夫の喜劇をやっている時、のり平と八波むと志(事故で早世した当時売り出しの喜劇役者)の2人の場面のこと、あまりの大受け満員の客席は全体が笑いで大波を打つ様に動いていて、笑い声の総量は二千数百人分、劇場のドアがポンポンとハチ切れるのではないかと云…