1931年生まれ。早稲田大学中退。週刊誌のフリーライターを経て1966年「兜町(しま)」で文筆活動に入る。企業を舞台に壮大なスケールで描く作品には、熱狂的なファンも多い。1974年「動脈列島」で第28回日本推理作家協会賞受賞。主な著書に「小説兜町」「動機」「首都圏銀行」「経営の神様」「重役室」「兜町物語」など
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします m(_ _)m さて、自らのブログを振り返る(番宣?)コーナーの後編は、経済小説7くくりと、雑記3くくりから取り上げます。 なお取り上げる作品は、一番好きな「小説」ではなく、「書評」を基準に選んでいます。 11 城山三郎・清水一行 経済小説10&10 1971年、三菱重工社長在職中に亡くなった牧田與一郎の物語。「野武士」のように三菱の風土を変えて行ったエネルギーは、その後の会社の進路も含めて毀誉褒貶がありますが、紙面から溢れ出るほどの迫力でした。そして本作品のブログを書く時に調べる過程で、牧田の子息の消息を知って慄然としました。 次点…
「経済小説のパイオニアを扱った作品」の第二弾は、黒木亮『兜町(しま)の男 清水一行と日本経済の80年』(毎日新聞出版、2022年)。多くの資料の収集・分析と入念な取材をベースにして、清水の生涯を克明に描き上げたノンフィクション。城山三郎については多くの評論や解説があり、一方、清水に関する評論は皆無に近い。そうした経済小説界の状況を一気に覆し、大きな空白を埋めたのが、ほんの少し前に刊行された本書にほかなりません。清水ワールドをトータルに理解できる格好の書です。 [コンテンツ] 清水一行の生き様が時系列的に 清水のデビュー作となる『小説兜町』(旧名『兜町山鹿機関説』)の出版をめぐる「いきさつ」の描…
昨年(2021年)の3月26日から始まったこのブログも、1年を過ぎてミステリーの書評を「10くくり✕20選」で合計200作品(プラス番外)取り上げさせていただきました。最初はおっかなびっくりで始めたブログですが、書評を書くことが楽しくて、そして何よりも皆様との交流にも支えられ、ここまで続けることができました。読者の皆様、改めまして本当にありがとうございました。 ミステリーの分野も他に取り上げたい作品が、そして「くくりたい作家」もまだまだいますし、今後も新しい作品も続々と発表されます。しかしそれは将来(いつ?)に取っておいて、ここでミステリーは一区切りつけたいと思います。 次回から取り上げるのは…
◆ビジネス・自己啓発 安宅和人 (2010)『イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」 』英治出版。 アバタロー(2021)『自己肯定感を上げる OUTPUT読書術』クロスメディア・パブリッシング。 上田正仁(2013)『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』ブックマン社 。 草薙龍瞬(2015)『反応しない練習』KADOKAWA。 グレッグ・マキューン(2021)『エフォートレス思考』かんき出版。 ロバート・B・チャルディーニ(2006)『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』SB Creative。 渋沢栄一(1916)『論語と算盤』ちくま新書。 石井遼介(2020)…
(記事中リンクには広告が含まれています) 1.小説兜町(清水一行) 以前紹介した経済小説の大家・清水一行の伝記ノベル「兜町(しま)の男」(黒木亮)の関連で、昭和41年にベストセラーになったデビュー作「小説兜町」を読みました。 age60-boy.hatenablog.com 魚のブローカーから一転して興業証券へ再入社する。37歳の山鹿悌司の転身は、「兜町最後の相場師」へのスタートとなった。入社から2年後、株式市況の悪いなか、新設された投資信託販売特別班長の1人に山鹿は抜擢された。まったくの素人にもかかわらず、独自の発想と勘で金融機関から大口の注文を集めた山鹿は、たちまち兜町で頭角をあらわしてい…
▶日経平均株価が、昨日の終値でとうとう34年前のバブル期の最高値を抜いた。3万9098円だった。本日の日経新聞は、1面のほぼ全てを使ってこの事実を伝えている。実際にバブルを経験した我々の世代の多くは、1989年末に記録したバブル期の最高値3万8915円がいかに異常な値であるかを知っていたので、再び日本においてこの値を上回る株価が出現するのは、一体いつのことだろう、それは次の世代なのか、あるいは次の次かと思わずにはいられなかった。少なくともこの30年間はずっと。 ▶ところが昨年、投資の神様とも称されるアメリカ人のウォーレン・バフェットが来日して日本の商社株を大量に購入したことが知れ渡ってから、株…
「実家じまい終わらせました! 」 松本明子 東洋経済のサイトに紹介記事がありまして、元の本も読んでみました。 私も同様に実家の維持と今後のしまい方に悩んでいるところなので、たいへん身につまされる話でした。 toyokeizai.net 実家じまい終わらせました! ――大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方(松本明子:著) 祥伝社
本当に無知で申し訳ないが、清水一行ってずっと官能小説と推理小説を書く人だと思っていました。それが城山三郎と並ぶ経済小説の巨人だったとは… 本屋に行くと、文庫本コーナーに結構並んでいましたので名前だけは知っていましたが、帯のエロい文句だけが記憶に残ったようです(;^_^A (;^_^A 実際の企業の事件をモデルにした小説が彼の本領だったそうです。そのために大勢の取材スタッフを雇っていたとか。 そんな清水一行の生涯を描いたノンフィクション小説を読みました。 兜町(しま)の男 清水一行と日本経済の80年 経済小説の巨人・清水一行の波乱の生涯と日本経済の興亡を、現役作家・黒木亮が徹底取材で再現!
さて、昨夜は紅白というか、ボクシングを見ながら紅白を耳で聴いて、24時前に就寝。 今朝は7時まで寝て(普段は5時起き)、自転車で富田のセブンに新聞を買いに。バッテリーは30%なので、ほぼ電源オフで帰りの上りだけ電動にした。 信毎に比べ、市民タイムスがあの内容で110円は立派だと思う。 さて、去年は8月に働きはじめてからは読書がストップしてしまった。 2023読書 1月 1.人を惹きつける新しいリーダーの条件/ 田原総一郎 2.風樹の剣/ 北方謙三 3.形影ー菊池寛と佐佐木茂索/ 松本清張 4.大島が出来るまで/ 菊池寛 5. 幻華/ 松本清張 6. 十字路が見える/ 北方謙三 7.天路の旅人/…
人斬り半次郎 幕末編(新潮文庫)【電子書籍】[ 池波正太郎 ]価格: 869 円楽天で詳細を見る 【あらすじ】 薩摩藩内でも「唐芋侍」と蔑まれる貧乏郷士の家に生れた中村半次郎。その逆境の中で、ろくに読み書きもできないが、大らかで真っ直ぐな性格で知られていた。示現流の使い手でその剣に敵はなく、美男子で惚れた女性には見境いない。「出戻り」の幸江に入れあげて、夜這いを繰り返す毎日。 島津久光に従って上洛すると京で諸国の志士たちを交流して、同時に生涯を共にする西郷隆盛と出会い、重用されてそばに付き従う。志士との交流で学問も必要と考えて本に向かうが頭に入らず、字を習うも「師匠」となった法秀尼と男女の仲に…
昨日朝、起きられませんでした。 先週とやっていることが同じパターンで呆れ果てます。 日中、強烈な眠気。最近思うのですが、自分は「ナルコレプシー」ではないか?と。 そしてナルコレプシーの患者は発達障がいの人が多いのだそうです。 ○ナルコレプシー https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%BC 秋葉原、岩本町のほうを少し歩きました。 歩道橋の上から眺める銀杏。 学生の頃の思い出ですが…。 何の授業だったか憶えていないのですが、小説を読んで感想を書く課題があ…
これは戦後を迎えてのことだが、ゾルゲ事件で獄中にあった尾崎秀実が妻の英子と娘の楊子に宛てた書簡集『愛情はふる星のごとく』がベストセラーになっている。それは昭和二十一年からのことで、出版ニュース社編『出版データブック1945~1996』のベストセラー表をたどってみると、昭和二十一、二十二年、いずれも第二位、二十三年が第一位で、トータル部数は定かでないけれど、二十一年は十二、三万部の売れ行きだったとされる。ちなみに同時代のよく知られたベストセラーは太宰治『斜陽』(新潮社)、永井隆『この子を残して』(講談社)である。 手元にある『愛情はふる星のごとく』は昭和二十二年十一月第四刷で、B6判並製、二八三…
佐藤純彌監督の『新幹線大爆破』のリメイクだと思って、デヴィッド・リーチ監督の『ブレット・トレイン』を観たんすが、五十年弱で新幹線の外観はもとより車内の様子や路線が凄く変わったんだな……と思うわけないっす、リメイクじゃないのは知ってるっすよ流石に。日本ロケじゃないし。 2021年の春に、台湾で特急列車の脱線事故があったじゃないですか。特急列車が線路わきの切り立った崖から転落したトラックと衝突したみたいなんすが、それで増村保造監督の『動脈列島』を連想したんで……。それと新幹線繋がりってことで同年公開の、佐藤純彌監督の『新幹線大爆破』を目録に。 標題:佐藤純彌の新幹線大爆破と増村保造の動脈列島 分類…
23・08・06 日 晴 36.0度 小説なんて最近は滅多に読まないのだけどって人の書いたものが何年か連続して100万部を超えるベストセラー出していると何かで見て読んで見る気に成った 禿げ頭の何となく助平親父の気がして第一印象悪かった 関西人らしく時折橋下徹と仲良くしていた見たいで右寄りの人かと思って居た 小説書いている人とは知らなかったしyoutubeで姿見た時も大抵飛ばして無視していた それが何時頃だったか橋下とお互いに喧嘩状態で居るってのをチラって聞いて笑って居たのだ 橋下は維新の足立ともバトル繰り広げていたしね 橋下って奴は商業柄かデペイトには長けているし袁悦も上手いが言っている事は底…
Twitter・YouTubeを始め、ネットにはビッグモーターの悪行が沢山あるけど真偽不明である。現在進行形ならまだこれから真偽明らかになるものもあるだろう。それは結果を待てば良い。 一方、過去の話はエビデンス付きで出てくるとか、捜査機関が明らかにするとかじゃなければ判断を保留するしかない。週刊誌(Web版含む)の情報はどちらかというと過去の話が多くエビデンスの提示も無く判断材料にしにくい。 今回は報道ベースで出てきたものをいくつか載せておく。 専門紙から2つ。 www.netdenjd.com この手の専門紙が書くって言うのは結構インパクトがある。行政罰や行政指導の話も大きい。行政罰の場合過…
尾上縫のことはもともと何かで聞いて知っていた。 ja.wikipedia.org rakuten:furuhon-kaitori-honpo:10909248:detail バブルとはえらい時代だ。料亭の経営者にそれほどのを動かす力があったとは。そんな感想を持っていた。 そんななか清水一行の小説が面白いとなって henkendameningen.hatenablog.com 清水さんの小説を漁っていたときに見つけたのが 【中古】 女帝 小説・尾上縫/朝日新聞出版/清水一行 / 清水 一行 / 朝日新聞 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】価格: 1313 円楽天で詳細を見る この小説。…
【公判調書1869丁〜】 「第三十九回公判調書(供述)」⑤ ○証人=新井 実(三十五歳・埼玉県警察本部刑事部鑑識課勤務、技術吏員) 植木弁護人=「普通、その特徴点は何ヶ所くらいあることが必要なんですか」 証人=「大体まあ、わが国でやっている方法は十二点方式と申しまして、指紋の特徴は十二点以上あれば同一の指であるという結論に達しております。これは日本の場合、大体大多数の県の警察、または警視庁あたりでも同じ方法じゃないかと思うんですけれども、それがたまたまこの場合三ヶ所ということですね」 植木弁護人=「その三ヶ所しかなかったというのは、どういう原因によってそういう特徴点が少なかったということですか…