鞍馬天狗は嵐寛寿郎だった。通称「アラカン」 この本はある人に勧められてずいぶん前に読んだ。おもしろくて夢中になった。 内容はほとんど忘れているが、アラカンが「おなごは可哀そうなものじゃ」と何度も何度も語っていた事はよく覚えている。 だからなのか、アラカンは5回の結婚と4回の離婚を繰り返したが、そのたびに前妻に全財産と家を譲り渡していた。鞍馬天狗のように「弱きを助け強きを挫く」おじさんだったのかもしれない。 アラカンの従妹が森光子だと知ったのもこの本からだった。 本のなかのアラカン節の痛快さはこんな言葉にもあらわれている。 「ゲイジュツ、関係おまへんのや。そらまあ、ベストテンやら賞をとる俳優さん…