古代の中国と日本はどのような関係があったのだろうか。記録に残る遣使の始まりから古事記の完成する頃まで、つまり弥生時代~飛鳥時代初期までの遣使を取り上げる。これより、古代日本の王権の状況、中国やそれにからんだ朝鮮半島との関係の手がかりとしたい。あわせて 57年、107年、266年の遣使の意味をそのタイミングから推測していく。やや記録中心となるが、解説を加え、より大きな推理(わたくしに限らず)への利用を可能とする。 ■卑弥呼以前 57年:倭の奴国王が後漢に朝貢し、光武帝から金印を授かる 107年:倭の国王、師升(すいしょう)が後漢に朝貢、生口160人を献上する 奴国(なこく、なのくに)は1世紀から…