読んでいて気持ち悪くなる本というのはたまに存在する。残念ながら本書はそうした本のうちの一冊である。 著者が悪いのではない。日本が戦争へと向かうにあたってラジオというメディアが率先して日本国内全体を全体主義へと向かわせていたのに、そのことについての反省を何ら見せることなくのうのうとしていることに、その当時の日本国民に戦争へ向かわせ戦争で死ぬことを賛美しておきながら、ラジオ関係者は自分達のことをエリートだと考え、日本のために必要不可欠な人材であるために生き残り続けることを平然として選んでいたことに、ラジオを通じて報じる内容はただただ精神論を振りかざし、科学的根拠の無い誤魔化しに終始していたことに、…