2008年9月25日初版発行 2020年8月25日改版発行 裏表紙「婿養子が公金を持ち出し失踪。不祥事の責任を取りお家を守るため、妻子に『お腹召しませ』とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断とは…。武士の本義が薄れた幕末期。男としての正念場を、侍たちはどう乗り越えたのか。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを特別収録。司馬遼太郎賞・中央公論文芸賞受賞作。〈解説〉橋本五郎」 お腹召しませ 家督を継がせた入り婿の与十郎が、藩の公金に手を付けた上、新吉原の女郎を身請けし逐電してしまったため、困り果てた高津又兵衛は、家を守るためには“腹を切る”しかないと決断した。が、妻と娘は、あっさり「お腹召し…