市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

nanoプロジェクト


  • EOF:

    • 週末に集めた古典論文群を印刷。

    • Glendinning, Russel (1983) に目を通す。

      • これ、に読んだものと同様 hydro は考えず、 linearized PB eq の2体問題を多重極展開で解いている、というもの。 これはこれで面白い(というか、ストークスの2体問題のようで、 計算に親しみが持てる)。

      • ちなみに、Brady et al (1988) に引用されていて、 長い間読みたいと思っていた同じ著者たちの 1982 年の論文も 一緒に印刷した(と言っても、もちろん図書館に行けば存在するものではあるので、 単なる不精者の言い訳レベルの話だが)。

    • Yoon, Kim (1988) に目を通す。

      • spheroid の1体問題。 Henry (1931) のように double layer 長を任意で、 EP の計算は Teubner (1982) による。

    • O'Brien (1983) に目を通す。

      • thin DL limit で DL の polarization を考えた理論。 この辺りの話を押さえるときに大事な一つの土台だ。

    • 今日の勉強内容を tex note にまとめる。

      • eof.tex: 1.2 2008/02/26 00:20:00 ichiki Exp

雑感。先日来いろいろと文献に当たっているが、 "Journal of Colloid and Interface Science" という雑誌は実は結構すごい。


  • 今現在はどうなのか分からないが、少なくとも80年代は、 今調べている辺りの内容はほとんどこの雑誌に網羅されている。 これまで JFM よりも格下かなというような印象が漠然とあったが、それは多分、 自分の中で pure な -- つまり電気が関わらない neutral な -- 系だけに filter して来たせいだろう。しかし、実は単に明確に住み分けられていただけで、 雑誌の格的には JFM と同じで、その世界のトップなんだと。 多分、分野の専門誌という意味では、ほとんど唯一だから、これも必然なのかもしれないが。

  • 「過去の賢人、侮りがたし」と当たり前のことを日々思っている。 最近の論文で「ガツン」と来るのは(こちらの感受性の問題も多分にあるんだけど cf. 6/7/2007) なかなか無い(けど、時々はある)。 これは、論文の粗製濫造ゆえの S/N 比の低下なのか、やっぱり人類の知的能力の低下なのか (「人類の知的能力」と「計算機の能力」は、もちろん別物)。

  • 付記:一つだけ、この雑誌(および同じことをしているもの)に文句を言いたいのは、 式番号を [1] とかぎ括弧(と言うの?英語では、 wikipedia 様によると、 square or box brackets)で囲んで、文献番号を (2) と書くところ (こっちは英語では parentheses)。 習慣というか文化というか、そういうものだと思うけど (それ故に、無下に「こうしろ」とは言えないものがあるのだけど)、 全く逆の世界に慣れた目には、この違いはかなりイライラする。

  • 3/19/2008: 学術論文に対する個人的な懐古趣味。

  • 3/28/2008: UofA から JCIS が全部読める!

colloidal dynamicsという会社。


  • その道で有名なオーストラリアの O'Brien さんが 1986 年に起こした会社らしい。 出来る人は、のほほんとアカデミズムに身を浸して時を過ごすことに甘んじない、 ということか?

  • 以下は前に聞いた話。 ストークス流で有名な Kim さんは、その当時アカデミックに居場所が見つけられず、 ある企業にコンピュータ系のスペシャリストとして入って、9時ー5時はサラリーマン、 それ以外の時間は純粋に自分の知的興味に使うという生活を長らくしていたらしい。 そういう期間を経て最近(?)最終的に大学に居場所を見つけられたんだそうだ。

  • 身の回りに(今時の言葉で言うところの)ロール・モデル (by mochio) が居ない我々 (cf.8/2/2002) にとっての、いわゆる一つ(今日は2つか)のロール・モデルとして。 (サマリー:人生の主導権