STEINS;GATE 閉時曲線のエピグラフ

あらすじ:
2010年11月。β世界線。これは岡部倫太郎が、7月28日に牧瀬紅莉栖を救えないまま戻ってきた後の物語。
倫太郎は紅莉栖への想いもタイムマシンへの情熱も封じこめ、ラボへもほとんど足を運ばず、ごく普通の大学生活を送るようになっていた。
そんなある時、大学のセミナーで一人の女性と出会う。その女性の名前は比屋定真帆(ひやじょうまほ)。紅莉栖と同じヴィクトル・コンドリア大学脳科学研究所の研究員で、セミナーにて講演を行うレスキネン教授の助手として来日したのだった。
そのレスキネン教授が研究している『Amadeus』と呼ばれるシステムが、やがて自身を再び陰謀のはびこる世界へと導くことになるとは、このとき岡部はまだ知らなかった。
そう、そこに『彼女』は今もいる―――(公式より)



感想:
ドラマCD付は4000円で小説のみが1000円というなんだか凄い値段設定の本である(一番最初の感想)
今作は林直孝先生は監修に留まり「シュタインズゲート比翼恋理のだーりん」にて「まゆり」「フェイリス」「萌郁」をルートを担当したたきもとまさし先生執筆による公式新作小説である。*1
β世界線ってナンだっけ?
とお思いの方もおるでしょうから軽く説明。
β世界線とは、原作の終盤でラジ館で親父に殺されそうになったクリスを助ける為にオカリンが鈴羽とタイムマシン乗って過去に行き、親父を殺そうとしたらクリスを殺して絶望して現代に戻った辺りの世界線です。原作ではその後、未来からのメールで再起して再度過去に飛ぶって所。
今作では”未来からのメールは届かず”クリスを殺してしまった罪悪感に苛まれて仲間から離れ中二病キャラを封印して、精神科に通って、テニスサークルに入って合コンやって普通(?)の大学生活を送るオカリンが、クリスの大学の先輩である『比屋定真帆』が来日することで巻き起こる新たな事件である。
だーりんのシナリオを担当したたきもと先生だが、今作は本編のような雰囲気の物語なのでオカリンに於ける恋愛要素は低い。
新キャラというと語弊を生むが、原作からみれば新キャラのダルの未来の嫁であり鈴羽の母親「阿万音由季」が過分に登場する世界線であるのでダルと未来嫁の恋愛要素は高い。
それ以外にも、まゆりのコスプレ仲間として名前だけ登場していた「フブキ」「カエデ」が出てきます。喋ります。
完璧な新キャラであり、クリス無き世界でクリスポジションに立つだろう存在としてクリスの先輩「比屋定真帆」はアニメ版4話でクリスがメールを送っていた相手という裏設定があるらしいです。
それ以外も新キャラが多いが、後はおっさんなので省略する。


内容は「記憶のデジタルデータ化」というクリスの研究結果を元にデータ化された記憶を人工知能に載せて人物をパソコン上に一時的に存在させる”Amadeus”システムがキーになっていそう。*2
今作は舞台設定の説明で序盤の大半を使っているので、物語の進みがかなり遅くぶっちゃけるとあらすじが本の内容の8割を物語っている。195ページで1000円を高いと思うか安いと思うかあなた次第だ。ちなみに完結しない(三部作)。次巻は冬コミで先行発売するらしい。
面白いので一読を。ちなみに公式HPで第0章が読めます。

STEINS;GATE 閉時曲線のエピグラフ 【書籍】(小説のみ)

STEINS;GATE 閉時曲線のエピグラフ 【書籍】(小説のみ)

*1:だーりんは本編を執筆した林直孝先生は監修に留まっており、たきもとまさし先生と安本亨先生の二人ががルートごとに担当を分けて執筆した。個人的にはたきもとまさし先生は当たりである。

*2:そのアメデウスシステムの進化系がロボノの愛理だと一瞬浮かんだが、愛理の稼動は2008年でこのセカイが2010年だから違うか、つーかロボノやってない