コンセプト(所在地と建物)

鄱所在地

(図1)

(図2)

(図3)


<美術館> 
 当館「古美術館〜Bien〜」は、表参道、田島工務店が建設中の複合ビル「KOBIKEN21」内に開く。(図1参照)

<表参道について> 
 1919年(大正8年)に明治神宮の参道として整備された大通りが「表参道」そのものであるが、現在ではその通りを中心とする原宿・青山地区の町域を指して「表参道」と称することも一般的である。町域としての表参道には渋谷区神宮前と港区北青山・南青山が含まれ、銀座と並んで高級ブランドの旗艦店が集積しているエリアとしても知られる。通りとしての表参道から、地下鉄・表参道駅周辺までの一帯を「表参道」と呼ぶことも一般的である。その範囲は広く、青山の骨董通り周辺から、青山通り表参道駅周辺、旧原宿・旧穏田地区の表参道沿いを経て、原宿駅周辺までもが含まれる場合がある。
またこの一帯はショッピングストリートとして知られ、特に表参道沿いには日本国内外の有名ブランド店が集積している舗が数多く立ち並んでいる。2006年(平成18年)には大型商業施設・表参道ヒルズ(図2参照)も、表参道沿いに開業した。一方、裏通りは閑静な住宅地となっており、新進気鋭なセレクトショップや有名美容院などが点在し、若者にも人気の地域となっている。(図3参照)
 ターゲットとする客層を、20代半ば〜30代の比較的経済的に自立した若者層に焦点を当てている「古美術館〜Bien〜」では、この表参道を美術館設立場所として最適であるとの最終判断を下した。
 そのポイントとなった点は、
 1.当館の最たる特長である、「体験型古美術空間」で「日常的空間に宿る古美術の魅力の発見」を紹介するという、アカデミック性よりはむしろエンターテイメント性に重点を置く姿勢を生かすには、ファッショナブルで先端的都市性を備えた地域がふさわしいということ。
 2.当館ではミュージアムショップやカフェ及びレストラン、体験施設など御客様に「古美術品の展示」だけを提供するにとどまらず、さらなる「古美術の面白さ、魅力」を一層深めて頂く為のさまざまなサービスをご案内していく。またそうしたサービスから得た収入を館運営を行う際の重要な財源とする方針からも、お客様の経済的寛容性の獲得は必至である。表参道は比較的高級ショップの出店が多く、客層もそうしたショップで買い物のできる経済的寛容性の高いものと考えられるということ。
 上記の二点が挙げられる。

<アクセス>
・JR山手線 原宿駅
東京メトロ 副都心線 明治神宮前駅 
東京メトロ 千代田線 明治神宮前駅
東京メトロ 副都心線 表参道駅
東京メトロ 千代田線 表参道駅
東京メトロ 半蔵門線 表参道駅
より徒歩約5分

<営業時間>
Museum / 10:00〜20:00
Shops / 10:00 〜 20:00 
Restaurants / 10:00 〜 22:00

<定休日>
火曜日(火曜日祝日の場合翌日水曜日)

<駐車場>
60台収容可

<住所>
東京都渋谷区神宮前5-10-1


<建築デザイン>

(図4)

(図5)

(図6)

 上記は当館及び他商業施設が複合するビルのイメージ画像である。上記のイメージは中途段階のものであり、今後より和風仕様な外観となる予定である。
 建築デザインは、日本人建築家ユニットSANAAに依頼。
 SANAA(サナア、Sejima and Nishizawa and Associates)は、妹島和世(せじまかずよ)と西沢立衛(にしざわりゅうえ)による日本の建築家ユニット。主な受賞歴としては、
 1996年 - 日本建築学会賞作品賞(岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー・マルチメディア工房)
 2004年 - イタリアヴェネツィアビエンナーレ第9回国際建築展金獅子賞(金沢21世紀美術館)(図5参照)
 2005年 - 毎日芸術賞金沢21世紀美術館
 2006年 - 日本建築学会賞作品賞(金沢21世紀美術館
 2010年 - プリツカー賞
 などがあり、国内外で高い評価を獲得している注目のユニットである。
 また当館における外観デザインは、表参道ではあまり見受けられない「和仕様」を全面的に打ち出すことで他施設との差別化を図り、その為には今回はあえて日本人建築家への依頼を決定した。
 またSANAAは表参道において既に「Dior表参道」(図6参照)を設計しており、同ユニットの表参道第二弾建築はいかなるものか、という世間の話題を呼び込むことも広報戦略の一環として行う構えである。
 また同ユニットは「金沢21世紀美術館」を設計したことでも有名であり、個性的なデザイン性と美術館の機能性を両立させる手腕も期待できる。


<建物:概要>
施設名称:
KOBIKEN21(コビケン トゥエンティーワン)
計画地:
渋谷区神宮前5‐10‐1
構造・規模:
鉄骨造、地下2階、地上5階
敷地面積:
約1,760m²
延床面積:
約9,000m²
店舗面積:
約5,000m²
事業主:
株式会社田島工務店
設計:
株式会社田島工務店SANAA(共同設計)
施工:
株式会社田島工務店
総合プロデュース:
株式会社田島工務店
商環境デザイン:
株式会社たじMAX
工期:
2011年6月1日〜2011年10月31日
オープン:
2012年2月8日(予定)


<建物:構造>
(図7)

(図8)

(図9)

ビル自体の内部構造は、


・地下2階 搬入出入口、荷解き室、前室、写真撮影室、学芸員室、資料室、医務室

・地下1階 「KOBIKEN21」ビル全体の御客様、従業員用駐車場

・1階 商業施設

・2階 「古美術館〜Bien〜」作品収蔵庫、修復室、応接室、館長室

・3階 「古美術館〜Bien〜」風除室、エントランスホール、フロント、ロッカールーム、ミュージアムショップ、レストラン・カフェ(図8参照)

・4階 「古美術館〜Bien〜」常設展示会場

・5階 「古美術館〜Bien〜」特別展示会場、体験ルーム、茶室

・屋上 「古美術館〜Bien〜」庭園

となっている。
 
 ビル内全体は閉鎖的な空間ではなく、流動的な移動が可能な開放的な空間を目指す(図7参照)。「古美術館〜Bien〜」自体は3階〜屋上までが範囲である。ショッピングに立ち寄る感覚で美術館へ来館頂けることが重要である。また3階にまずフロントを設け、あらかじめミュージアムショップやカフェやレストランの存在を印象付けておくことで鑑賞後に立ち寄って頂ける流れを作る。美術空間を野外へと拡張し、屋上には庭園を設け、表参道を眺めながら古美術作品鑑賞の余韻を味わって頂く。

<他商業施設>





SOU・SOU
一澤信三郎帆布
marimekko
United Colors of Benetton 等


<美術館内:構造>