どんな薬か」だけじゃなく「どこの薬か」を考えたことありますか。を

日経ビジネス7.21号に、渡哲也さんが出ている第一三共の広告がありました。
これ、TVでもやっていましたね。

ところで、この広告の意味するところは何ですか。
一般的に、医療用医薬品(医者が処方箋を書いて、調剤薬局でもらう薬)は、
その製品名を広告することができない縛りがあります。

で、医薬品企業は、医師に対しては情報提供という名の
自社品の宣伝を行うわけですが、生活の質を改善する薬や
新しい疾患に対して、一般の患者さんや潜在患者さんに
訴求しないと受診もしないので薬は売れないわけで、
最近は広告をするようになってきました。

最近で言えば、やくみつるさんの水虫の薬とか、
以前は「うつ病の薬」もやっていましたね。

また、ジェネリック医薬品という、特許が切れた薬を安く作って売る
メーカーも出てきています。

実際には、例えば日本で一番大きい医薬品企業は武田薬品ですが
(一時期約1兆5千億を有する日本で一番のキャッシュリッチ企業
でもありました、最近バイオベンチャーを幾つか買収したので、
かなり使ってしまったようですが)、医療用医薬品が約7〜8割の
売上を挙げていることを知っている一般の人は少ないですね。

そういう意味で、医薬品産業は、あまりに世間と隔絶した
世界で商売していた産業だと思います。
客観的に、例えばブランドの価値ということ一つとっても、
もっと企業の存在価値や社会的な意義を世間に知らせる必要があると思います。

だって、これほど医療費のことが社会的に話題になっているし、
命に関わるモノを生産・販売している会社が、もっと自らの
価値をアピールしないのは、むしろ損でもあると思うのですが。

で、製品そのものを訴求することも必要ですが、
もっと重要なのは、その薬を出している企業のブランド力が
これからものを言うということを示唆している気がします。

バイラルプロモーションを成功させる3つのポイント

ちょっと遅く取り上げることになってしまったが、Markezineの7月1日、
「バイラルプロモーションを成功させる3つのポイント
http://markezine.jp/article/detail/4253
について・・・

書かれている、『成功の法則其の1:面白いクリエイティブを作れ!』は、
どのメディアでも当たり前のこと。

『成功の法則其の2:しっかりとしたシーディングを行なう』に関しても、
当たり前のこと。

『成功の法則其の3:プロモーション後もチューニングを行なう』も、
ネット広告やプロモーションでは今や当然のこと。

ということは、「バイラルプロモーションを成功させる3つのポイント」は
何れもネットメディアに対するマーケティングとしては
当然のことをすれば良い、ということなのね。

バズというかWOM・クチコミに関しては大柴ひさみさんの
「日経ネットマーケティング米国ネットの“ざわめき”を聴く」が
より参考になりますね。

人が人の情報に動かされるメカニズムは、心理学や他の学問の観点だけ
でなく、マーケティングでもっと論じられるべきと思います。

まだきちんとした理論体系が(大袈裟でなくともいいんですが)
確立されていないのが弱いです。「影響力の武器」とか、
ちょっと趣は違うけどコールド・リーディングなどの本にもあるように、
基本「広義の欲望と(広義、と言っても何をして広義というかは
取り敢えずおいときますが、簡単に言えば、論理的には
正しくない望み・衝動)心理的な弱点」がほとんどじゃないですかね。
もちろんそれがすべてではないと思いますが、今は試行錯誤の段階ですね。

NHKスペシャル「マネーの暴走が止まらない」の行く末

この間(23日)放送していたNHKスペシャルの「マネーの暴走が止まらない」の録画を見て感じたこと。

もうこの頃の現象は、マネーゲーム、というか資本主義のなれの果てのようで、要するに末期的な状態ですね。

柄谷行人蓮實重彦が80年代の後半に出した「闘争のエチカという本がありますが、そこにはほぼ予言的なことが書かれてあり、そこから想像すると、暴走の果てに人間社会も潰れるかもしれないなと。
サブプライムは一つの現象でしかなく、余剰の金は米国のグローバルスタンダードという名のもとに欲望の暴徒と化し、オイルに、穀物にと、破滅するまで果てしなく投資対象を変え膨らんでいくのでしょうかね。

戦争よりもこちらの方が怖いですね、いや、戦争もむしろこの中の一現象でしかないから。

欲望を制御するマーケティングが生まれても、恐らくそれは埋もれてしまうでしょう(マーケティングそのものが本来欲望の学問ですしね)。誰も、それを採用する企業・国はないでしょうか。悲観的な話で終わらせないためにすべきことは、はて・・・

「スマップ」「キムタク」のマーケティング戦略は

以下のサイトを覗いていたら、キムタクのランキングが2位に落ちたとか・・・

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2008/05/post_2bba.html#more

人気ランキングのトップにいると言うこと自体、そろそろ落ちるというシグナルで、ライフサイクルから言えば、レイトマジョリティ層、成熟期から衰退期へ差し掛かる時期といえるし、月9ドラマでの設定にしてもさすがに対象層ももう飽きてきたでしょう的なので(視聴率は獲れてるんですかね)、大きなお世話ですが、リブランディングするべきかなと感じますが。

変えるにも、あそこまで人気があるとなかなかその勇気というかタイミングは難しいだろうし、それと、じゃどう変えるのよ、という問題もあって、間違えは許されない存在だけにジャニーズも戦略に困ってるのかな

変えようとする試みなのか、その迷いかな、「武士の一分」はどうみても戦略ミスですね、監督、脚本、全くかみ合わないでしょ、彼とは。

ジョニー・デップは巧くいってますよね、あの線はどうですかね、タイプが違うといえば違うんだけど、ミステリアスな部分とコミカルさがカッコいいキャラクターって、日本でうけるかっていうのもあるんですが(インサイト調査が必要ですね)、大人、知的、辺りを纏うことが出来るかにかかっている気がします。

期待してます。僕もかなり好きなタレントだから。。。

間違いだらけのマーケティング・センス

自社業界にはみんな疎い

仕事柄、いろいろ業界の企業と接してきたけれど、その業界独自の価値観に捕らわれていると感じることが度々ありますね。多くは慣習的に行われていることに疑問を持たない、つまりラジカルに考えることを忘れているからでしょう。或いは普段からマーケティング思考の在り方に気をつけていれば「何かおかしいぞ」と気付くことが出来ると思うけど・・・

結局マーケティングはスタティックな形式ではなく、動的なものとして捉えてインサイトすることを忘れてしまうのかもしれませんね。

客観的にみると、何億もの広告予算をドブに捨てているということにならないよう、特にマーケティングを管理するポジションの方は日々のマーケティング・センスを磨くことが必要だと思います。

先ずは、自社の、そして業界のインサイトを!