日記を書くのはやはり苦手だ。
日記を書く時間があるのなら他にやりたい事は山ほどある。
映画の公開前はそれほどまでに忙しい。
先日「ツヒノスミカ」の静岡上映が終わった。
9月8日から10日までの3日間。場所は静岡のサールナートホール。定員約220人。
都合9回上映のところ、初回から入りきれないお客様が200人弱発生、急遽追加上映等も行い何とか
乗り切った。
結局10回上映。2010人という僕の予想をとんでもなく大きく上回るお客様が「ツヒノスミカ」と
遭遇した。
ご来場いただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。
また上映をともに準備して下さったサールナートホールの皆さん、僕の静岡の友達たち、そして静岡市役所の
熱川さんをはじめとする有志の皆さん、ありがとうそしてご迷惑をおかけしました。
上映が無事終わった安堵感とともに、12日へとへとになって東京に戻って来る。
その日の午後、今度は11月に公開となる映画監督協会70周年記念映画「映画監督って何だ!」の
上映打ち合わせに、協会の責任者の一人として出席する。
その席で配給のマジックアワー有吉さんから、「山本さんすぐ映画系の通信社に静岡が成功したことをFAX
しなきゃだめですよ!」と発破をかけられ、その夜からFAXやらダイレクトメールやらお手紙やら、
考えられる手を駆使しての「ツヒノスミカ」東京上映の宣伝活動。
そして週末には、たまっていた京都造形芸術大学の仕事(6月から林海象監督からのお誘いで新映画学科の
立ち上げに加わらせていただいている)を進めるために京都へ向かう。
こんな調子で、毎日血管が切れそうな勢いで動き回り、くたびれ果てて酒を飲み、そして眠る毎日。
静岡の荷物は狭い僕んちの中で山のようにうず高く積まれたままだ。
静岡のみなさん、ごあいさつすらちゃんとできずすみません。
あっと言う間に9月も25日となってしまった。やれやれ。



忙しい中、夏1日だけ伊豆に釣りに行った。
今年はソーダガツオやアジ、サバなどの回遊魚の回りが遅く、さっぱりだった。
そして昨日。家に帰る途中、立ち読みした釣り雑誌。
どうやら秋に入り、約一ヶ月遅れで伊豆方面に回遊魚が回り出したとの報。
がきんちょが立派なヒラソーダを手に自慢げに写真に納まっている。
ちくしょー!
こちとら週末から映画の上映で、当分釣りなんて行けそうにない。
近所の魚屋さんでアジやサバの顔を拝んでがまんがまん。
上映が一段落つくまで、回遊魚は待っていてくれるだろうか。
ああ、心おきなく釣りして、そして海でぼーっとしたい・・・



さてさて、今週末からいよいよ「ツヒノスミカ」上映となります。
前作「ジム」以来、3年半ぶりの新作の公開です。
前回もそうでしたが今回もいろんなマスコミ、評論家などさまざまな方に試写状をお送りしているのですが、
先週まではほとんど動き無し・・・
東京新聞の「人」欄で先日ご紹介いただいたのが唯一のマスコミ紹介記事という現状です。
今週は動きが少し出て、明日26日の読売新聞ほか数紙で紹介の動きが。
記事お読みになって興味抱かれた方はよろしくお願いします。
劇場には、10月2日夜は林海象監督、3日夜は成田裕介監督、4日夜は高橋伴明監督、5日夜は福岡芳穂監督
という、僕が先輩として尊敬する監督の皆さんが駆けつけて下さいます。
また、7日昼はこの映画のタイトルの名付け親である伊藤俊也監督、9日昼はドキュメンタリー映画の大先輩の
佐藤真監督が来場されます。
さらに、初日は女優の斉藤とも子さん、10月1日は音楽の谷川賢作さん、宮野裕司さんも登場。
1日夕方からは1階でミニライブを含むイベントもあります。
さらに、さらなるゲストの方に現在交渉中。
少し頑張り過ぎかとも思える充実のイベント。
こうご期待下さい。




映画「ツヒノスミカ」

10数年前にじいちゃんを亡くし、その後もひとりで住んでいたばあちゃんが、突然寂しいと言った・・・

毎朝、2枚のパンと納豆、それにリンゴを絞ったジュース。
何十年も淡々と続けられた、変わらない暮らし。
その家が取り壊される。
息子夫婦との同居という、ばあちゃんにとって新しい生活を始めるために。

実の祖母に突然訪れた「家の取り壊し」という出来事。その中に、大切な人や物とのいずれ訪れるであろう別れの時を静かに見つめる映画『ツヒノスミカ』。処女作『ジム』で、無名の4回戦ボクサーたちの日常と青春の果てを見つめ続けた山本起也監督の新作は、ばあちゃんの家の終焉を愛おしむように見つめた、ひと夏の小さなレクイエムとなった。

今回プロデュースを務めるのは、1995年『奈緒ちゃん』1999年『えんとこ』や新作『ありがとう』など、日本のドキュメンタリー映画の第一線で精力的に作品を発表する監督の伊勢真一、数々の伊勢作品のプロデュースを努めてきた岩永正敏、そして、伊勢作品の音響構成を担う一方、最近では2004年『花はんめ』(監督 金聖雄)ほかドキュメンタリー映画のプロデューサーとしても活躍中の米山靖。数々の名作ドキュメンタリーを世に送り出してきた面々がスクラムを組み、山本監督の長編二作目を強力にサポートする。
撮影は『ジム』でメーンカメラをつとめた内藤雅行が引き続き担当。フィルムの持つ奥行きや深さを最大限に引き出した陰影に富む映像が実に印象的。また、音響構成として、2004年『タイマグラばあちゃん』(監督 澄川嘉彦)等のドキュメンタリーで活躍中の若手渡辺丈彦が参加。独特の音使いに支えられたラストが深い余韻を残す。
音楽は谷川賢作のオリジナル。ジャズミュージシャンとしての数々のセッションや、映画、テレビへの楽曲の提供、そして最近は父である詩人谷川俊太郎氏とのコラボレーションなど精力的な活動はとどまることを知らない。また、ナレーションは映画にテレビにCMに大活躍中の俳優寺島進。いずれも『ジム』に続いての参加となり、山本作品には欠かせない存在となっている。

撮影は2005年5月クランクイン。
山本監督の故郷静岡で、のべ70日のロケを敢行ののち、半年近い編集作業を経て2006年3月完成。監督にとって、2003年2月の『ジム』公開以来待望の新作となった。



「ツヒノスミカ」9/30〜10/13
東京ポレポレ東中野にて公開(JR東中野駅北側出口より徒歩1分/大江戸線東中野駅A1出口より徒歩1分)
時間/13:00 17:10 21:10(上映時間80分)
9/30(土)13:00の回終了後女優の斉藤とも子さんのトークあり
10/1(日)13:00の回終了後「ツヒノスミカ」音楽の谷川賢作さんのトークあり
       (17:30から映画館1階でミニライブ付きイベントあり/別料金2000円)
10/2(月)21:10の回終了後映画監督林海象さん(「夢見るように眠りたい」「探偵事務所5」)の
        トークあり(終了22:50予定)
10/3(火)21:10の回終了後映画監督成田裕介さん(「あぶない刑事FOREVER」「バカヤロー!
        2」」)のトークあり(終了22:50予定)
10/4(水)21:10の回終了後映画監督高橋伴明さん(「TATTOO(刺青)あり」「光の雨」「火火」)
        のトークあり(終了22:50予定)
10/5(木)21:10の回終了後映画監督福岡芳穂さん(「愛してよ」「空が、近い」)のトークあり
       (終了22:50予定)
10/7(土)13:00の回終了後映画監督伊藤俊也さん(「女囚さそり」「誘拐報道」「プライド
        運命の瞬間)のトークあり
10/9(月)13:00の回終了後映画監督佐藤真さん(「阿賀に生きる」「Out Of Place エドワード・
        サイード」)のトークあり
前売り1300円 当日1500円 シニア・障害をお持ちの方1000円
問い合わせ/ポレポレ東中野(03−3371−0088)いせフィルム(03−3406−9455)