「千の風のふるさと・新潟市」まちおこしアイデア募集

http://www.city.niigata.jp/info/bunka/sennokaze/sennokazeidea.html

新潟市のホームページであります。アイデア募集はしてますけれど、選に選ばれたならどうなるかとか、そのへんの詳細はありませんね。

※応募されたアイデア著作権などは新潟市に帰属するものとします。
このアイデアは、選定されても提案どおりに実施されるとは限りませんので、あらかじめご了承ください。

だそうで、メアリー・E・フライ問題などのように、後々ナニがないよう予防線が張られています。ま、著作権云々はともかく(訳詩でいいんじゃないの、印税8%で)これで“まちおこし”とは新潟市も何考えてんだか。これって葬式の歌だろ?
葬儀のあとで坊主のリードで「千の風になって」を歌うか?でも墓を否定するうただもの坊主や霊園業者が困るだろうな。
もちろん、境港市のように妖怪ランドみたいな“まちおこし”もあるわけだけどね。では、わたしのアイデア

イデア
千の情念となって
内容と実施方法
作家・音楽家・イメージプランナーである新井満氏の名声に(多分)勝るとも劣らぬ(だろう)新潟市出身で新進気鋭のアーティスト会田誠氏に“死者のたましいが風となって押し寄せる”という「千の風になって」のイメージを市の上空を滑空する千の“死の残骸”としてプロデュースし、新たなる都市伝説を想像する。
例:春日町あたりに「巨大フジ隊員とキングギドラ」バルーン像を
 :本町市場周辺飲食店で「食用美少女美味ちゃん」メニューを
 :万代シティーモールで「犬の生活」パフォーマンスを
 :白山駅前で「女子高生切腹之図」再現ドラマを…他
期待される効果
メメント・モリ《死を想え》の教えを、日々の暮らしの中で学ぶことができる

ワハハ、駄目か?駄目だろ。

文藝春秋の新刊 2000・4 「春の宵」  ©大高郁子

ロゼワイン色の海がもうこんなに不用意でなまめかしい。
漁村の坂の風景か、夕焼けに染まる屋根瓦も親和の艶に囲い込まれる。だらしなくべたと凪いだまま遠近法など無視してたゆとう湾の海水たちの怠惰を、大いに肯定するような灯台の明かり。画面全体がこんなにエッチでけだるく無意味に陶然としているなんて、当てられたぼくらはにかむしかないぞ、春の海。
─というわけで、こういう風景・風情をのびのび描いていたイラストレーターでしたというお知らせでした。

 光文社文庫 2008年2月チラシの紹介

光文社文庫 2月の新刊 光文社文庫のカバーが変わりました 
上品な色づかいの新カバーをぜひ、書店などでご覧下さい

バイクのメーターにチャップリン

男と冒険の物語フェア
笹本稜平
極点飛行

新堂冬樹
聖殺人者

東直己
ライダー定食


真冬のホラー小説フェア
明野照葉
降臨

式貴士
カンタン刑 式貴士 怪奇小説コレクション


今月の新刊
東川篤哉
完全犯罪に猫は何匹必要か?

菊池秀行
殺戮迷宮 魔界都市ガイド鬼録

斎藤栄
横浜QE2号殺人事件

笠原靖 写真・笠原美緒
生命と向きあって ゴエモンが行く!

日本ペンクラブ
犬にどこまで日本語が理解できるか

ダグ・アリン 木下晋也=訳
レイチェル・ヘイズの火影

澤田ふじ子
土御門家 陰陽事件簿 三 狐官女

牧秀彦
電光剣の疾風

西村京太郎
鳥取・出雲殺人ルート


新訳シャーロック・ホームズ全集完結記念 レターセットプレゼント
光文社古典新訳文庫新刊
光文社文庫であの名作を読もう 開高健水上勉
光文社文庫3月刊 予告
第11回日本ミステリー文学大賞決定


 光文社文庫 07年11月刊 中場利一 NOTHING

NOTHING (光文社文庫)

NOTHING (光文社文庫)

短編集。特に感想というほどのものもないけれど、主人公が泥棒という「めじろ」。自己紹介といった筆致で描かれたドロボウ稼業のノウハウは、今後のわたしの人生で役立ちはしない(…ければいい)だろうが、ともかくえらくためになったし何より楽しい。
実学のもろもろやウンチク・時事的な情報などってのは大衆文学の有用性というツールとして大切というより“読むこと”のはかなさをまっすぐ伝えてくれる貴重なものです。だもんだから、わたしって純文学に触手が伸びないのね。純文学って「文学の可能性」っていう上昇志向ベクトルに乗ってる有頂天さ(生真面目さをそういうわけです)が、それが純なほどなれなれしいみたいで鼻についちゃうんだよね。

…ボクの手口は軽トラにハシゴを積んで住宅地を回りピンときた家のチャイムを鳴らす。ダレも出てこなければそのまま作業開始だが、家の人が出て来たら、
「あ、ども!屋根の雨もりや雨ドイの修繕はございませんか」
と頭を下げる。それで本当に修繕を頼まれたならハシゴで屋根に登り、タバコを三本ほど吸って、近所との距離やつき合いをたしかめ、その家の周りを歩いてドアや窓、勝手口のカギの種類を頭にいれ
「けっこう雨ドイにゴミがつまってますね。よければ明日、一気にきれいにしますが」
と言ってやる。
「うーん、明日はアタシ、昼から留守にするのよ。あさっては?ダメ?」
「いいっすよ(ハート)」
もちろん留守中にうかがいますと、心の中で言い、その日は帰ってゆく。…

ま、唐突な出会いや死など気にさわった部分はあるけれど、きちんと文学になっている「めじろ」ですが(なればこそ実学が有用)、他の短編はみな失笑・脱力系って感じかな。「日記」なんて、これ落語に負けてるぞ、それも二つ目とかに。ドラマツルギーとか構成とか話法とかを、もうちょっと考えてほしいんだけどな。

小説に関してはともかく「僕に似た人」。小説の登場人物に驚いても仕方ないけど、こういう暴力人間って、本当に世の中に存在するんだよね。フロイトのいう親殺しを具体化させればこんな類型的な暴君とその末路を描くのがわかりやすいだろう。
でもこれ、現実に今、暴力ってわたしが考える以上に世間では頻発しているみたいで暗いニュースの多さに暗然とするけれど、そんなDVや“危険な隣人”への「対処法・処方箋」みたいな書物、中場センセイみたいな現場をよく知る人に爆笑体験付きでノウハウ本を書いていただくっていう企画は如何か。