ビックリ! 「ウルトラクイズ時代」の早押しの何割かは、決まり切った問題でできていた?

 「クイズマジックアカデミー3」で、「復習用にメモを取る(または画面撮影をする)」ことについての話。
 この話について考える上で、参考になるかもしれないページを以前見つけていました。いつか紹介しようと思っていたのですが、眠レナイ夜*1を利用して書いてみることにします。
 なお、この文章では1)紹介 の他に、2)そのページを参考に、ある視点から問題提起を行うこと までを行います。


 リアルクイズ*2界で有名なだけでなく、QMAプレーヤー。そして、「クイズマジックアカデミー ファンサイト」の運営者でもある鈴木舟太(しゅうた)さん。
 その鈴木舟太さんが今から8年半ほど前('97年12月)に書かれた問題文の長文傾向についての考察。一見、QMAとは無関係な文章に思えますが……。以下、引用です。


>昔のクイズは知識よりもスピード重視であった


 一例として


>問題「オーケストラの音合わせに使われる楽器は何?(答:オーボエ)」


>私のようにクイズ番組をよく見ていた人ならば「音合わせ」のあたりでババッと押しに来るだろう。


>何で「音合わせ」の所で押せるんだ?と疑問に思った人もいるだろう。その理由は、かつては多くの視聴者参加クイズ番組があり、そこで出題されていくうちに問題文がまとまっていったり、出題しやすい問題が精錬されていき、「ベタ問題」と呼ばれる、クイズ番組でよく出題される決まり切った基本問題が自然と形成されていったのである。


 「多くの視聴者参加クイズ番組があ」った「かつて」とは、アメリカ横断ウルトラクイズ時代とかなり重なると見てもいいでしょう。(ちなみに、「ウルトラクイズ」が放映されたのは、'77年〜'92年と'98年)
 この文章を読んでますみは驚きました。ますみがかつて見ていた「ウルトラクイズ」の早押しは、定番クイズの暗記合戦だったというわけでしょうか? 続きの文章を読んでみましょう。


>そういうわけで、昔は基本問題をより多く知っていることがクイズに勝つことの第一条件であり、それがクイズの強さに直結したのである。裏を返せば、クイズ番組で出題される問題を知っているだけで十分で、あとは指の早さと、早い段階で押しに行く度胸で勝敗は決まったのである。



 まあ、ますみにはもともと「クイズ王は、クイズに出やすそうな知識をたくさん勉強して強くなったんだろう」くらいの認識はありました。(当時は、クイズ問題集がたくさん出版されていましたので。ウルトラクイズの放送内容と全ての問題を収録した本が、それぞれの回について出版されていたり
 ただ、話が思っていたよりディープだったので驚いただけです。(まあもちろん、早押しが100%基本問題だけ、という意味ではなく、基本問題の比率がとても高かった、ということなんでしょうけども)

*1:なんでカタカナなのか分かったあなたは、たぶん谷山浩子さんのファンですね?→http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005FPXJ/

*2:コンピュータのクイズゲームと対比させて使われる言葉

(つづき) 今のQMA界をふりかえりながら、色々考えてみる……

(※これは、上の話ビックリ! 「ウルトラクイズ時代」の早押しの何割かは、決まり切った問題でできていた?の続きです)


 さて。


 「復習用メモを取る」ことは、しばしば邪道と見なされます。これは、メモする行為そのものより「『問題』そのものを覚えることで強くなろうとする」ことが邪道と見なされる(場合がある)ということでしょう。(「素の知識」で勝負しないのは卑怯だ! みたいな)
 仮にそうだとして、じゃあ、かつての「ウルトラクイズの早押し」は邪道だったのでしょうか? 「ウルトラクイズの早押し」といえば、今につながるクイズの原点と言ってもいいくらいのポジションにあります。それが邪道だったのでしょうか?


 あるいは「ただ一般人としてクイズを楽しみたい人が、クイズ王的なアプローチをしたい人と戦わないといけないのは、たまらない」といった考え方もあるかもしれません。確かに、それはたまらないでしょう。「3」の組システムである程度緩和はされたと思いますが、本質的にはその問題はなくなっていない、とますみは思います。
 しかし、それは「クイズ王的なアプローチをするのが邪道だ」ということとは別ですよね。「『問題』そのものを覚えることで強くなろうとするのは邪道だ」と言うことは、「クイズゲームなのに、クイズ王的なアプローチをするのは邪道だ」と主張することにならないでしょうか? 別に主張してもかまわないのですが、それでは「何をいいたいのか、今ひとつよくわからない」ことになりませんか。


 あるいは、「QMAの現状と、かつてのリアルクイズ界の状況は違う」という見方もできるかもしれません。確かに、完全に同じではないでしょう。しかし、では、全然違うのでしょうか? 何か本質的な違いがあるでしょうか。程度の差があるだけではないでしょうか。
 ますみの書いていることは間違っているかもしれません。では、いったい何が間違っているのでしょうか。


 この話はここで終わりです。結論はありません。この文章の目的は、(繰り返しですが)
1)「QMA復習用メモ」について考える上で、参考になるかもしれないページを紹介すること。
2)それを参考に、ある視点から問題提起を行うこと。
 の2つですから。


 みなさまは、どうお考えですか?


P.S.
 ただ「メモ」と書かずに、しつこく「復習用メモ」と書いているのは、「カンニングペーパー」と区別して考えるためです。


P.S.2
 ますみ自身が「復習用メモ」肯定派だということは言い添えておきます。QMAシリーズをプレーしはじめて3年弱、「復習用メモ」否定派だったことは、一度もありません。