JFLの町田ゼルビア対松本山雅FCの試合を見てきた

野津田に集まった観客数


日本で、“ダービー”や“クラシコ”と呼べるような試合は何か、というのがNumberのサイト上で投票が行われていた。

静岡ダービー多摩川クラシコなどが挙がっていたのだが、Jリーグに限らないでいえば、松本山雅長野パルセイロの「信州ダービー」だろう。なんせ、J1のその下のJ2のさらにその下のJFLというプロアマ混合リーグで?万人の観客を集めるんだから。

そんな、信州ダービーを取り上げた知る人ぞ知るサッカーについてのドキュメンタリーに「クラシコ」がある。

JFL昇格をかけたこのドキュメンタリーは震災直後の3月に都内でも上映されていた。自分自身もJFL地域リーグなど「これからJリーグを目指すチームと純粋な企業チームの相克」を眺めるのが好きだったので、日ごろ結果だけはチェックしていたこともあり観賞した。サッカーを愛する人たちの日常が垣間見れて本当に良い作品だった。

そんななか、今年から、自分の愛するチームであるマリノスから松田が松本に移籍して、さらに気になっていた。そんなこともあり、今回、都内で松本山雅の試合が見られるということもあり、見てきた。

相手の町田ゼルビアもJを目指すチーム。Jリーグの審査を経て準会員になり、かつJFLで4位以内になればJ2に昇格できるのだが、昨年の町田は3位ながらも審査(スタジアムが基準に満たさなかった)ため昇格できなかったというチーム。昨年監督だった相馬直樹が川崎に引き抜かれながらも、今年は大分の降格決定後魅力あるサッカーを見せていたポポビッチが監督になっている。

会場に着いて驚いたのが人の多さ。JFLというとJ2の下だからと思って甘く見ることなかれ。球場外には屋台の車が並び、縁日のような雰囲気。そして、この日は夏休みということもあってか人も多くにぎわっていた。なんせ松本山雅は「クラシコ」でもわかるようにサポーターが熱い。この日もバスを何台もで駆けつけていたようだし、公園の駐車場にも松本ナンバーの車が多く見受けられた。そして、ゴール裏のサポーターの数は町田のそれをはるかにしのいでいた。

ちなみに、会場の野津田陸上競技場は町田や鶴川からバスで行く山の中の公園の中の競技場という感じ。のどかな場所で雰囲気は悪くない。むしろ、この日は人が多すぎて行き帰りのバスの運営などで手間取っていたのが今後の課題か。

試合については簡単に。前半はお互い守備を固めながら膠着した展開が続くも、後半になると、松田直樹を怪我で欠く松本がペースをつかめないなか、町田が手数をかけずに攻めて先制。その後もカウンターを狙う町田にしびれを切らした?松本がイライラを募らせ徐々に荒れた展開に。

退場者を一人出し(あのとび蹴りはどうかと思う)、カードを乱発する松本。点が入る気配はセットプレーしかなかった。自陣からドリブルで仕掛けて取られるという悪癖を繰り返す中、きれいなカウンターから町田が追加点。松本も終了間際に1点返すが、そのあと町田にとどめを刺されて万事休す。町田がJFLの「先輩」であることをうかがわせる大人の展開だった。でも1点取られたときは詰めが甘いなとも思ったけど。そして、挑発に乗りやすく、どんどん自爆していく松本。ちょっと心配。

試合内容よりも、会場とJFLの雰囲気を味わえて、非常に満喫できました。ちなみに、この日の観客数はなんと8113人。すごい。野津田の新記録だったそうな。

※松田選手は怪我ではなく、出場停止だったのですね。そして、今日の心筋梗塞の報道。本当にびっくりです。もともとマリノス時代から彼のファンだったのでショックです。回復を心よりお祈りいたします。(8月2日追記)

松田直樹選手が8月4日に亡くなりました。このことをこうやって追記するのが躊躇われるほど本当にショックで、今でも信じられません。観に行った試合の思い出とかいろいろとあるのですが、心の中が整理できないのでひとまず追記だけ。ご冥福を心よりお祈りいたします。(8月4日追記)