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2011-01-05

[] 「総合編成チャンネル」4局に認可か 14:43

韓国各紙によれば、2010年12月31日に開かれた放送通信委員会の会合において、CATVの「総合(韓国では一般に「綜合」の字を当てる)編成チャンネル」4局とニュース専門チャンネル1局を認可するとの決定がなされた模様。

「綜編」こと総合編成チャンネルというのは、CATVながら既存地上波3大キー局並みの総合編成(ニュース、ドラマ、バラエティ、スポーツ中継、教養・ドキュメンタリーなど何でもあり)が可能な、文字通りの総合チャンネルを運営できる番組供給業者のことです。6社が応募し、朝鮮日報(局名はCSTV)、中央日報(jTBC)、東亜日報(チャンネルA)、毎日経済新聞(MBS=韓国毎日放送)の4新聞社系が選ばれ、韓国経済新聞と財閥の泰光グループ系の2社が脱落。「合格」の各社は新聞資本としての資金力や世論への影響力からすれば妥当といえますが、親会社の論調から言うとバランスを欠いているような気がしないでもないです。一昨年あたりはせいぜい2局までと言われていたのに蓋を開けたら4局、というのも多すぎ。あと繊維・化学メーカー「泰光産業」を筆頭とする泰光グループは韓国の主要財閥ではたぶん唯一の無借金経営、最高レベルの財務力とそれに付随する超高株価を誇る優良企業で、CATVのMSOとしての実績もありながら、昨秋、創業一族間での相続や贈与を巡る不祥事が続々と明るみに出たのが響いての脱落となったようです。

ニュース専門チャンネルにはソウル新聞やヘラルドメディアなど新聞・通信・ネットメディア6社が応募したものの、選ばれたのはなんと、通信社聯合ニュース(旧聯合通信)系列の「聯合ニュースTV」。ピンと来た方もおられるかもしれませんが、聯合ニュースはかつて、韓国初の24時間ニュース専門CATVチャンネル「YTN(旧聯合テレビジョンニュース)」を立ち上げた会社です。現在YTNには韓国電力公社の子会社「韓電KDN」やKT&G(旧韓国たばこ人参公社)、韓国馬事会(日本のJRAに相当する組織)などの公企業・団体が大株主に名を連ね、聯合ニュースとは無関係となっていますが、「聯合」の名の入った2社が韓国のニュース専門CATVチャンネルを独占する形となります(現在ニュース専門局としてYTNと共に認可されている毎日経済新聞系の「MBN」は、同紙の総合編成参入決定により事業転換・廃止を余儀なくされるため)。しかも聯合ニュースがYTNを手放したのは、CATV立ち上げ当初の契約数の伸び悩みによる経営難が原因で、その点からも聯合ニュースのCATV「再参入」には批判の声が強いようです。

ちなみに「綜編」の一角に食い込んだ中央日報は、かつてサムスングループの直接の傘下にあり、TBC(東洋放送)というテレビ・ラジオ(AM/FM)局を1980年まで運営していました。新局の略称「jTBC」には「中央日報(Joong-Ang Daily News)のテレビ放送会社(TV Broadcasting Company)」という略語に加え、TBC(Tongyang Broadcasting Company)の復活という意味も込められているようです。で、日本でも報道されている通り、このjTBCにはテレビ朝日が130億ウォン(出資比率3.08%)出資するそうです。

個人的にはバランスを考えて左系や中道といわれるメディアにも1チャンネル持たせてやれば…と思ったのですが、左翼紙とされるハンギョレ新聞や京郷新聞の経営は思わしくなく、テレビメディアへの進出など夢のまた夢という状況、「中道紙」を公式に標榜し、かつては韓国初の民放テレビ(HLKZ-TVこと大韓放送)運営会社であった韓国日報も同様。同じく中道に分類されるソウル新聞は、ニュースチャンネルに応募したものの脱落。

で、韓国各紙の分析によればCATVの「綜編」が獲得できる視聴者数はせいぜい地上波の1/3程度で、広告市場では食い合いが発生*1する上に広告主はより影響力のある地上波を好むとなると、「綜編」4社の先行きには早くも暗雲が…というところのようです。*2

ただし、CATVでは現状の放送基準がそのまま適用されるのであれば、地上波では禁止の日本語楽曲や歌番組、ドラマ、バラエティ*3などの番組を無修正で放映できることになり、その辺がキラーコンテンツになる可能性がなくもないです。今もCATVの専門チャンネルでは多くの日本ドラマが放映され、日本語曲のPVなども普通に流れていますから。もちろん、「綜編」だから何もかも地上波と同じで…という条件を付けられる可能性も否めませんが。

で、中央日報のjTBCがテレビ朝日と資本提携にまで踏み込んだのは、日本へのコンテンツの売り込みや日本からの輸入というより、かつて「振り向けばテレビなんとか」とまで貶されたのに、ここ数年はバラエティや「相棒」に代表される中高年向けドラマ(若い視聴者の皆さん、すみません)でヒットを連発し、この年末年始の視聴率でも(大晦日以外)圧勝した同局から、人気番組を低コストで作るためのノウハウを学ぼうとしている意味がより大きいような気もします。日テレとSBS、フジとMBC(あとNHKとKBS、TBSとYTNも)という既存の提携関係もあって、組める相手としての空きがテレ朝とテレ東だけ、という事情もあったのでしょう。

【追記 1/6】 毎日経済新聞系の「韓国毎日放送」には、日本経済新聞社が1%出資しているとのこと。日経傘下のテレビ東京との提携もあるかもしれません。なお、朝鮮東亜と聯合ニュース系の各局に、日本企業による大口の出資はない模様です。

*1CM市場の争奪対策かつ「綜編」の育成策として、KBS第2テレビのCMを廃止し、代わりにKBS受信料の2倍以上の値上げを検討中とのこと。(1/6追記)

*2広告主を増やすため、現在は禁止の医療機関(美容整形)、結婚仲介業等のCM解禁も検討されているそうです。(1/6追記)

*3バラエティ番組は現時点ではCATVでも未開放のままでした。もっとも「綜編」開局に合わせ、コンテンツ確保のために日本製バラエティの開放を求める動きが事業者側から出ているようです。(1/6追記)

DeForestDeForest 2011/01/05 23:34 結局、東洋放送と東亜放送が復活して1980年の出来事が無かったことになるわけですね(謎)。
(残るは広告公社廃止でしょうか)

#無事帰宅しました

kyungakyunga 2011/01/06 14:04 ご無事で何よりです。
今回の新聞財閥への総合編成CATV許可は、李明博政権支援への論功行賞として与えられた、ある意味言論統廃合の原状回復な面もあるとは思うのですが、金大中政権以降の放送メディアの左旋回で影響力が削がれた保守陣営からの撚り戻し狙いの目的がより大きいと思います。MBの次も保守政権だったりすると、今回の4局の中から「成績」のよい1〜2局に地上波チャンネルが割り当てられそうな気もします。
KOBACOはいわゆるメディア法案が出てきた頃から、解体や競争原理の導入などが議論されながらも、野党や地上波各局の労働組合の猛反対で現状維持が続いてきましたが、来月の国会で「民営メディアレップ」設立による競争体制がどうやら本決まりになりそうな情勢です。

DeForestDeForest 2011/01/23 18:50 ついに李豪鎮氏(泰光会長)は捕まってしまいましたね。

2010-12-21

[] NAVERデジタルニュースアーカイブ 13:59

http://dna.naver.com/

「NAVER」や「ハンゲーム」で知られる韓国最大のインターネットサービス企業「NHN」社が2009年4月から運営している、過去の新聞記事をイメージ閲覧・全文検索できるサービス。以下「DNA」と略します。

DNAは当初、東亜日報・京郷新聞・毎日経済新聞の3紙について1976年から85年までの記事が対象だったのですが、現在は1960年から1999年にまで収録期間が拡大されています。最終的にはさらに遡って、1920年の東亜日報から検索できるようになるとのこと。

これまで無料・会員登録不要の新聞記事データベースとして国史編纂委員会の「韓国近現代新聞資料」や韓国言論振興財団運営の「KINDS」などが提供されてきましたが(有料・要登録のものも含めると朝鮮日報の「DB朝鮮」などもあります)、DNAは最後発だけあって、従来のデータベースにはないユニークな機能をいくつも備えているのが特筆されます。

日本で新聞の記事データベースや縮刷版のデジタルアーカイブは基本的に有料サービスで、無料で利用するには大きな図書館などに行く必要があるわけですが、韓国では国史編纂委員会やKINDSなどのWebサイトで、誰でも無料で過去の新聞の縮刷版閲覧ができるようになってから久しいです。

とくにDNAを含む各データベースサイトに対し、日本統治時代創刊の2大紙の一角を占め、長い歴史を誇る東亜日報が紙面提供に全面協力していることもあり、いずれも資料性の高いものとなっていますが、国史編纂委員会の東亜日報は1962年末までで終わっていて、それ以降のものはKINDSにあるものの、こちらは1面1ファイルのPDFのため、検索性に劣ります。

DNAの凄い点は収録されている全記事について全文検索が可能なことで、かつ検索対象範囲が記事のみならず、広告にまで及んでいる(ただし広告は商品名、広告主、ヘッドコピーのみ)ことです。ただし、どうやら紙面の取り込みにスキャナOCRを用いたようで、漢字を中心に一部誤字が混じっていることがあります。ちなみに本文表示は、漢字にハングル訳付きと無しの2種類が選べ、韓国の実状に合わせてか前者がデフォルトになっています。

紙面の画質は国史編纂委員会のものより鮮明で、PDFと遜色のないものです。韓国最大のネットサービス企業が運営しているだけあって、サーバーの応答速度や動作の安定性も申し分ありません。

ちなみに過去の新聞というと、いつから始まったのか不明ですが、日本統治時代の「毎日申報(後に毎日新報に改題)」が検索できるサービスも、KINDSと同じく韓国言論振興財団によって行われています。これもPDFなのですが、資料的に重要度が高いと思われる日本統治時代後期、1935年5月18日から1945年8月14日までの紙面についてはすべての記事にインデックスが付いていて、一部は全文検索も可能となっています。同じサイトからは、ほかに旧韓末の新聞(毎日申報の前身「大韓毎日申報」を含む)や海外の抗日団体が発行していた機関紙なども読めます。ただ「毎日新報」は同紙の後身である現在のソウル新聞が版権を主張していると思われる(発行が従業員自治委員会の手に移った)1945年8月17日付以降は公開されていないのが残念です。