lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

日本の参謀本部(battleとwar。)

日本の参謀本部 (中公新書 (765))

日本の参謀本部 (中公新書 (765))

国際社会においてその目的とするところは,時刻の政治目的を達成することである。軍事はその目的達成の一手段にすぎない。参謀本部は軍の最高将帥の軍事的スタッフである。政略と戦略との関係,政治の手段としての暴力行使である戦争が目的とするものと暴力手段である軍事力との関係について,明確な認識なしには最高将帥の軍事的スタッフの任務をはたすことはできない。

しかし,著者は日本の参謀本部について以下のような特徴(短所)を指摘しています。

ドイツ参謀本部の起源が兵站幕僚部にあったのとちがって,日本の参謀本部は戦術中心の思想のうえに成立した。戦術中心の作戦は,正確な軍事情報ぬきには成立しないのにもかかわらず,情報操作,情報作為によって自己の政治的地位を高めてきた山県のもとでそだった情報将校たちは,正確な軍事情報の入手よりも,情勢を作為するための謀略に重きをおく傾向をつよめた。作戦部は情報部の情報活動に信頼をおくことができず,作戦に必要な軍事情報活動を作戦部自身がおこなうことになった。

情報活動は,情報部がおこなう謀略活動と作戦部がおこなう軍事情報活動とに二元化した。

それぞれ持っている情報がバラバラでは全体の足並みが揃うわけはありませんね。
しかも,

作戦部の情報分析は,自軍の作戦行動の様式でもって敵軍に対する情報を評価するという楽観主義*1におちいりやすい。

せっかく集めた「情報」も解釈の甘さで役に立たなかったということでしょうか。
仮に謀略を駆使してbattleに勝ってもwarで負けては意味が無いということを考えさせられました。

*1:自己の行動様式にてらしてのみ情報を解釈し自己の方針に有利なように情報を判断する主観主義。

情報と戦争 叢書コムニス02(ネックは人の心。)

情報と戦争 叢書コムニス02

情報と戦争 叢書コムニス02

近年の情報技術の進歩が戦争(のやり方)を大きく変えているというお話です。豊富な知識に基づく確実な記述という印象です。
ネットワークを介し瞬時に情報を伝達できるようになったことから,例えば次のような作戦も可能になったそうです。

それはバグダッド陥落2日前の4月7日のことであった。(中略)バグダッドマンスール地区という高級住宅街にあるレストランに,サダム・フセイン大統領以下政権幹部が集合するという情報がもたらされた。おそらく米本土の国防総省経由でこの情報が中央軍司令部に伝えられると,その場所を攻撃して,フセイン政権幹部の抹殺を図る作戦の実施が決定された。直ちにCAOCは攻撃手段の選択に入ったが,ちょうどその時,別の目標を攻撃するためにJDAMを搭載してバグダッドの近くを飛んでいる米空軍のB-B1爆撃機がいた。レストランの場所(座標値)はデータベースからわかっている。その爆撃機に,当初の目標攻撃を後回しにしてバグダッドのレストランを攻撃するよう命令が与えられ,レストランの座標値が爆撃機に伝えられた。指令を受けたB-B1は直ちに針路を変更,バグダッド上空に到達すると,指示された座標値に向けてJDAM4発を投下した。爆撃機の乗員には,その目標が何であるかは知らされていない。乗員はJDAMを落とせと指示された座標値を,搭載するJDAMに入力して,ただ目標近くで投下しただけである。(中略)投下されたJDAMは,まさに目標のレストランに直撃し,その建物だけを破壊した。

もし,このような作戦を12年前の湾岸戦争当時に行おうとしたら,4日から1週間を要したであろう。

さらに,ネットワークで各部隊や兵器を結ぶことにより,陸海空といった区別を超えた統合作戦が可能になっているそうです。
しかし,著者は次のようにも書いています。

しかしだからと言って,陸海空軍の軍種の区別が不要になったわけではない。(中略)
まず何しろ人間の能力には限界があって,陸戦もできれば軍艦の操艦もでき,ジェット戦闘機を飛ばせる人間はいない。(中略)
そうするとやはり陸軍,海軍,空軍という軍種区分は,いくら技術が進歩しても,今後も長く残るものと予想される。これが統合作戦の実現を難しくする。陸海空と分かれていると,どうしても各々の縄張り意識が生まれてくる。
お互いの専門性と相手の実情に対する知識の欠如からくる確執が生まれがちである。別の言葉で言えば,相手を信用(信頼)できない。
信頼ができない以上,情報の共有は難しい。(中略)互いに信頼していないと,すべての情報を提供しようとする気持ちにならなくなるし,(ネットワークから)提供された情報を信じない結果になりかねない。
これは「文化(カルチャー)」の問題である。ネットワークというものをどのようなもので,それによってどのような効率(戦闘能力)の改善を得られるかを理解できる「意識革命」が必要とされる。だがそれは容易なものではない。同じ者同士で群れるという,人間性(人間の特性)に関する問題だからである。

呪いの研究-拡張する意識と霊性(精神世界とか苦手です。)

呪いの研究-拡張する意識と霊性

呪いの研究-拡張する意識と霊性

著者は,トランスパーソナル心理学を研究する心理学者と神職の二足のわらじを履いておられるそうです。四国在住で地元の霊能力者との交流もあり,フィールドワークから得られた知見が本の前半にまとめられています。それらの真偽のほどはともかく,記述は生々しいです。
後半は,トランスパーソナル心理学からの考察と,近年の量子力学からの知見について解説されています。
lionusはトランスパーソナル心理学も,量子力学も知らないので,何とも評価できないのですが,こんな考え方があるのかと新鮮な驚きがありました。
ところで,思わず大きくうなづきながら読んだ箇所があります。
現在では違うようですが,トランスパーソナル心理学を背景にして広まったものに,新霊性運動(ニューエイジ運動)というものがあります。日本では「精神世界」と呼ばれるもの(ヒーリング,レイキ等々)がそれに当たります。
lionusは「精神世界」関係のもの・人・こと,を苦手としております。しかし,精神世界系の人はlionusを好んで近づいて来られることが時々あり,その場合,居心地の悪さに堪えかね,ニコニコしながら脱兎のごとく逃げるのが常です。居心地を悪く感じる理由について自分なりに大体整理はしていたのですが・・・

トランスパーソナル学者のバティスタは1970年代以降の新霊性運動(ニューエイジ運動)の出現によって,自分の心の問題をすり替え,置き換えようとして,その考えや実践を誤用する人々が増えてきたと述べている。彼はこれを,「偽りの霊性」と呼んでいる。バティスタの言う偽りの霊性には,霊的防衛と攻撃的霊性があげられる。

霊的防衛とは,われわれの「あるがまま」の自己表現を妨げる霊的な信念を指す。(中略)霊的防衛が,自分の本音を否認し,抑圧する根拠となっているのである。

本書では,ある特定の宗教の信者が,その教義に(教条的に;過剰に)従い,人間関係において怒りを表現したり自己主張しないことを例に挙げています。つまり,自分の”善”なる部分のみに目を向け,怒りなど”悪い”部分を否定して存在しないかのように振舞うことのようです。霊的防衛のパターンは他にも複数指摘されています。いずれも「精神世界」系の人にはよく見られるパターンだと思いました。

もう一つの偽りの霊性,すなわち攻撃的霊性とは,他者を束縛したり,自分を支持するようにしむける手段として,自分が「霊的に発達している」と主張することを指している。そのような行動は,脅かされ,傷つきそうな自分を支えようとして自己愛的に機能する。それゆえ,攻撃的霊性は,じつは欠乏感や無価値感,他者から拒絶されることへの恐れを含み,ひいては否認された「本当の自分」との接触を避ける結果となっている。

このようなナルシシズムも,実はニューエイジ/精神世界系の人間に蔓延している。トランスパーソナル心理学の旗手の一人,ケン・ウィルバーも,基本的にはニューエイジ(精神世界)の住人を,自我の確立以前の「前個的」な自己愛症候群,誇張,万能感にとらわれている,と厳しく批判している。

もちろん,本当に悟りの境地というか,ある一定のレベルまでに達しておられる方も一部にはいらっしゃるのかもしれませんが。
あと,lionusの中に「魅入られる」ような隙があるのがいけないのだと思ったりもします。
死んでいる人(幽霊)よりも生きている人(生霊)の方がずっとずっと怖いです。

チョイ悪狙い?

上の記事を書き終わって寝ようかと思ったら,夜1時のNHKニュースでびっくり。

藤井康生アナです。参照:NHKの公式ページのプロフィール(写真付き)
彼に何が起こったのでせうか。
つい,某巨大掲示板の実況スレに飛んでしまいましたよ。深夜ながらプチ祭りでした。

446 名前:公共放送名無しさん 投稿日:2007/02/10(土) 01:00:15.63
藤井さんが変になってる
447 名前:公共放送名無しさん 投稿日:2007/02/10(土) 01:00:21.41
ワロスw
448 名前:公共放送名無しさん 投稿日:2007/02/10(土) 01:00:31.78
誰このキモいアナ
449 名前:公共放送名無しさん 投稿日:2007/02/10(土) 01:00:34.40
誰やねんこのアナw
450 名前:公共放送名無しさん 投稿日:2007/02/10(土) 01:00:35.12
なんだその頭とメガネw
451 名前:公共放送名無しさん 投稿日:2007/02/10(土) 01:00:36.92
ネクタイまずいだろw
452 名前:公共放送名無しさん 投稿日:2007/02/10(土) 01:00:38.95
この人メガネだったっけ?

いつからこんなことになっているのか知りませんが,

462 名前:公共放送名無しさん 投稿日:2007/02/10(土) 01:00:59.41
>>446
大相撲初場所の実況であの眼鏡は登場済み

と,いうことだそうです。