「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「たけし、さんま、所の「すごい」仕事現場」(吉川圭三)

 


たけし、さんま、所の「すごい」仕事現場 (小学館新書)


最近は、こんなタイトルの本も新書になるんだね。ほー!φ(..)メモメモ!

30年以上前からテレビを席巻する「ビートたけし明石家さんま所ジョージの3人は、なぜいつまでもテレビバラエティの頂点に君臨できるのか―その秘密は驚くべきプロフェッショナリズムにあった世界まる見え!テレビ特捜部』『恋のから騒ぎなど数々の大ヒット番組を立ち上げた日本テレビの名物プロデューサーが、「テレビの3大天才」の知られざる仕事現場を明かす。これは胸が熱くなる「テレビ黄金時代」の記録である。


明石家さんまーテレビ画面で見るあの天才芸人は、いつもカッカッカッと白い歯を見せて笑っている。しかしそんな男が、こと番組作りに関しては「真顔」になる。あの真剣な表情と強烈なエネルギーは、当時は周囲の人間の強い緊張感を感じさせるほどのものだった。あの迫力は味わってみなとわからない。


・30年お付き合いをしてきたが、明石家さんまほど分析が難しい人物はいないと思う。それでもあえて分析してみると、こうなる。

限りなく残酷に本質を見抜き、瞬間的にそれを付いてくる。しかし、限りなく優しい。
限りなくデリケートかつ繊細であり、限りなく強靭でタフである。
限りなくいい加減で、限りなく几帳面である。
限りなくバカができて、限りなく真面目に世の中を生きている。
限りなくルールにとらわれないが、限りなく堅牢な哲学がある。
限りなく慎重でありが、限りなく間抜けなこともしてしまう。

超一流の人気コメディアンは皆、すべてこのような「二律背反性」を持っているが、さんまは特にとられどころが難しい


ビートたけしテリー伊藤はテレビからの引用は絶対しなかった。彼らのインプットにはすさまじいものがあった。映画・本・漫画などに加え、若い放送作家たけし軍団との会話、電車の中吊り広告まで日常体験を全て引用してテレビ化していたので、独自の『たけしワールド』『伊藤ワールド』を作り上げることができた。一方、1を100にする人間は山ほどいる。それは本物のクリエーターではなく職人的なテレビ屋だ。


ビートたけしは、狂気とも呼ぶべき天才性と、人を惹きつけてやまない人間味が同居する稀有な人物である。非常にシャイである。スタジオに入ってきてあのオープニングの派手な衣装を着たら、壁をぼーっと見て一言もしゃべらない。


ビートたけし明石家さんま所ジョージはそれぞれ「独自の哲学」を持ち、「自分の美意識を磨き」ながら「毎日新しく自己再生」して「自らをプロデュース」できる。あらゆるタレントが日々消費され、消耗され尽くされていくテレビメディアの中で、彼らは摩耗することなく長く生き延びていく「自己発信力のビートたけし」「反射神経の塊である明石家さんま」「空気を作り出す所ジョージ……それぞれの持ち味はあるが、それぞれを築き上げた3人の個性にはいつも平伏してしまう。


「テレビ屋・所ジョージ論」「元気が出るテレビ!!」は、なるほど!とナットクしてしまう。テレビの見方が変わるかも。オススメです。(・∀・)


 


たけし、さんま、所の「すごい」仕事現場 (小学館新書)