西国三十三所巡礼


仕事の先輩が、近頃はじめた西国三十三所巡礼。
彼女は奈良に住むご友人から贈られて始めることになったそう。
本日運転手としてお供いたしましたらば、
案の定、、といいましょうか、これもご縁と申しましょうか、、
私も買い与えられてしまいました。納経帳です。



金糸の織り込まれた華やかなものが目を引くなかで、
わたしの選んだ納経帳は、愛想のない無地紺色の質素なもの。
「相変わらず渋いの好きだね。おじさんが持つやつみたい。。」
と苦笑されましたが、わたしはこれでいいのだ!!


さて、納経帳という名前からも察せられるとおり
本来、ご朱印は納経(写経を納める)や納札、読経の証としていただくもの。
ただし、私たちのようにご朱印だけいただく不届き者もかなり多いよう。


でも、ちゃんと写経もしなくては!!などとこだわってしまうと、
いつまでたっても、一歩も前に進めない気がするので、
不届き者を自覚しつつ、まずは巡りはじめてみることにします。
なんとなく心落ち着くだけでも、なにかしらプラスだと思うから。


ゆっくり時間をかけて進んでいく、新しい道のりのはじまりです。

 御嶽山清水寺(二十五)


山深い場所にあるお寺。敷地も広く、歩いていても気持ちよく。
まだすこし残っている紅葉も美しく。
紅葉も盛りのころは、さぞかし綺麗だったことでしょう。
ちがう季節にも訪れてじっくり歩いてみたい場所でした。


はじめてのご朱印をいただいて
しあわせを招くという鐘もつかせていただいて
顔写すと寿命3年延びるというおかげの井戸も覗かせていただいて
(ただし暗くて顔はぼんやりしか見えず。。笑)
ありがとうございました。


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開 基:法道仙人 
創 建:推古35年( 627年 )
本 尊:十一面千手観世音菩薩
宗 派:天台宗
御詠歌:あはれみや 普き門の品々になにをか 波のここに清水


春は 桜、こぶし、山つつじ、ひらどつつじ
夏は せみしぐれ
秋は 栗、紅葉
冬は 雲海

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 東光山花山院(番外)


西国三十三所巡礼を再興した花山院ゆかりのお寺です。
こじんまりと素朴なお寺で、わたしはとても好き。
今日はあいにく霞んでいたけれど、眺望もすばらしく。


なにより、ご住職(?)が気さくなよい方で
ご朱印を書きながら、いろいろお話もしてくださいました。


本来、写経を納めるべきなのだよ(...冷や汗)とか
札所に飾られている御詠歌は全て花山院の御製なのだよ、とか
「散華」や「笈摺」は、こういう字を書くのだよ、、とか。


きっと本当は知っているべきことばかりだけど、
まだまだ未熟な若輩の小娘、頭を垂れて先人のお話を伺うもまたよし。
こういうやさしい時間が、とても貴重でとてもうれしい。


あぁでも痛恨、、、
忘れないように、とせっかく書き留めてくださった
散華と笈摺(笈摺はなんと図説つき。)の紙を紛失してしまい。
折り目などつけないように、、と手に持っていたのが失敗のもと。
自分のダメさに溜息。。。ほんとうに申し訳もございません。


ところで笈摺って、みなさんはご存知ですか?
笈摺は(おいずる)と読みます。笈は「かご」、摺は「する」。


巡礼の荷物を入れて背負うかごが肩で擦れるのを防ぐためのもの
だそうです。(←この絵を描いてくださったのに..)
笈摺の由来には、他にも諸説あるのかもしれませんが、
私の中では、もちろんご住職の説が「正」でございます。


このお寺は普通に訪れるにもお薦めですよ。とても落ち着きます。


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開 基:法道仙人
創 建:白雉2年(651年)
本 尊:薬師瑠璃光如来
宗 派:真言宗花山院派(本山)
御詠歌:有馬富士 ふもとの霧は海に以て 波かときけば小野の松風

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