「幕末大名」失敗の研究
- 作者: 瀧澤中
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2015/02/04
- メディア: 文庫
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山内容堂の主張は、佐幕でありながら尊皇で、幕府を助け朝廷を敬うという、今から見れば穏当な主張だが、最終的には受け入れられなかった。
主張が正しいかどうか、というところに容堂はこだわりを持ったが、政治が大きく動く時には、論理よりも感情の方が優先する。幕府を助けるならば会津のごとく徹底して薩長と事を構えるか、尊皇ならば早々に倒幕に舵を切るか。そのどちらにも行けなかったところに、「良心的中道」の弱さがある。
幕末の政治状況は、複雑である。しかし、そこに属した者を思想的な派閥に分けると、意外とわかりやすくなる。
まず、幕府を助け、現在の幕藩体制を維持する、という佐幕最右派は、井伊直弼。
幕府は助けるが、大幅に政治体制を変える、という佐幕左派に、幕臣・勝海舟や土佐藩の山内容堂、伊予宇和島藩の伊達宗城、ほかに越前福井藩の松平春嶽がいる。
幕府とはケースバイケースで協力しながら、権力獲得を目指す攘夷右派の薩摩藩。
幕府と距離を置き、必要なら幕府の手先を殺し、攘夷を実行する、攘夷最左派の長州藩や水戸藩浪士。
感想
本「戦国大名 失敗の研究」が面白かったんで、同じ著者のシリーズ本を読んでみた。本当を言えば、まずは戦国時代に特化して詳しくなりたいんで、幕末はまた後回しにしたかったんだけど。でも、今まで欠けていた知識が補えて幕末全体が見渡せるようになり、すごく面白い読書になった。ここで覚えた各藩や藩主の名前、地理を出来るだけ保っておきたいもんだ。
改めて、日本史をもっともっと詳しく知りたいという知識欲が芽生えてきた。去年は小説をよく読んだけど、その場限りの世界観なわけで、発展性のなさに飽きてきた部分があったのかもね。歴史ならば、その知識は今後にも活かせるわけで。
昔買った日本史の本がいくつかあるんで、あれにも取り組んでみようかなあ。当時、勉強はもっと時間が出来てからにしよう、今は仕事のストレスを解消する娯楽に専念しよう、という結論だったわけだけど。今興味あることは、今のうちにやっておくのもいいかな。今後にも活きてくる知識ならば、早めに得ておいたほうがなにかといい。旅行だってより楽しくなるし。
まずは戦国期から、色々と知識を取り入れていこう。