マンガばっかり

マンガ批評

ヤングブラック・ジャック


★★★★
田畑由秋大熊ゆうごによる若かりし日のブラック・ジャックを描いたマンガ。
原作をよく読み込んで、1960年代の世相をうまく取り入れながらブラック・ジャックをより人間らしく、リアルに描こうとしている意欲作。
女子の中ではかなりの人気なのだという…
が、元のブラックジャックをほぼオンタイムで読んでいたために、その印象が強すぎるのか、どうにも違和感が拭えなかった。
なんだかんだ言っても、ブラックジャックは子どもマンガであり、ピノコが出てきたり、宇宙人やコンピュータを治療したりというマンガであった。
まだオタクなどという言葉も概念も思いつかないような牧歌的な時代に、牧歌的なタッチで描かれたマンガだったから可能だったことだと思う。
単なるノスタルジーなのかもしれないのだけれど…
ともあれ、率直な感想として、私にはリアル路線で行くなら行くで、もっと元のマンガから離れて爆走してくれた方が安心して楽しんで読めたように思うのである。
(No.850)