菊月亭で頂戴した白餡に刻み栗が入った栗饅頭。栗林公園に栗の木がたくさんあった時代を思い起こすという。湊屋は1953年創業、初代はシベリア抑留から引き上げされた方と聞く。お点前をされた和服の方々の楚々とした振る舞い、優しい笑顔に癒やされました。◎
栗林公園 -2 掬月亭
掬月亭は四方正面数寄屋風書院造、どこから訪ねても美しい、歴代藩主が好んだ建物で「大茶屋」と呼んだとか。特に掬月の間から南湖を望む景観は見事(パチリはしていません)、見上げる根上り五葉松もよろしおす。
掬月の間の床飾り 軸のお言葉は「菊水月有手」(月は絵で表される)。「唐の詩人干良史の作『春山夜月』と題する詩の一句『水を掬すれば月手にあり』で、掬月亭の名の由来だという。十畳の部屋に座して南湖を望めばお殿様の気分。気分だけですが、姫の筝曲でも楽しみましょう(ハハ)
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お抹茶とお菓子を頂戴したあと、奥様と商工奨励館などを見学。松の緑はわたしたちの気分に合いますな(ホント)。
金毘羅大歌舞伎 -3 幕間弁当
向こう桟敷 二階正面の前船、中船、後船(仕切りのない追込場)
ブドウ棚 丸竹を荒縄で縛り格子状に組んだ天井で、紙(桜)吹雪やホタル(極小電球)を飛ばす演出などに使用。丸竹は凡そ500本。
かけすじ 天井右(花道真上)にある役者が宙返りする装置。
平成の大改修の際にブドウ棚とかけすじが発見された。
平場 舞台に向かって中央、以前は枡席、今回は背もたれありも。
歩み 仮花道と本花道の間をよこにつなぐ幅の広い(約15センチ)敷き板が五箇所渡る。
西桟敷
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観劇は幕間のお弁当が楽しみ。小生、重要文化財の為アルコールを我慢しております。
料亭二蝶、高松市 1946年創業。JR四国とJTBが販売する「四国こんぴら歌舞伎大芝居」観劇セット第一部に付く。
鰆、新豆、筍、蕨、木の芽などの「香川の春」仕立て、上品なお味、シニアには嬉しい箸運び、冷酒が欲しいですな。我慢、我慢。
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金丸座の座紋「佐伯鶴の丸」、元禄期の金毘羅祭礼図屏風が起源と聞く。
金毘羅大歌舞伎 -2 金丸座
金丸座のオフィシャルサイトによると「古くから金毘羅参拝の楽しみとして芝居、相撲、軽業、操り人形などが掛けられた仮設小屋は、1835年に高松藩寺社方より許され常設の芝居小屋として大阪道頓堀の大西芝居(浪速座)の規模、様式、構造を模して建てられた。現存する日本最古の芝居小屋だという」国の重要文化財で現在地に移築復元されたのは1976年。2003年、及び、2020年〜2022年の大改修、コロナ禍での公演見合わせを経て、5年ぶりとなる本年4月、こけら落としで『第三十七回 四国こんぴら 歌舞伎大芝居』が催されることとなった。拙宅の奥様が以前から演者と観客の触れ合いに秀でた当座で観劇したいと望んでいた訳なのです。
小生は江戸時代の仕掛けなど、建物の構造に興味津々、サイトに説明があるので、都度、引用したい。備忘録です。→ https://www.konpirakabuki.jp/gakuya/guide.html
仮花道 幅約0.8メートル、長さ約14メートル 舞台上手より後方に客席を貫く、江戸時代の芝居小屋において客席への通路として使用、演出から生まれたという。
顔見世提灯 天井にある提灯、役者の家紋が入り興行の際の役者番付となる。高さ約1.2メートル、幅約45センチ。
二階西桟敷 九間、後方に明かり窓
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花道(本花道) 幅約1.3メートル、長さ約14メートル
廻り舞台とセリ(切り穴 0.9 × 1.9メートル)は人力可動、木製コロは2010年機械遺産認定。
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11:02 さあ、『伊賀越道中双六 沼津』の上演、まずは「沼津棒鼻の場」。演目の内容は→ https://enmokudb.kabuki.ne.jp/repertoire/1233/ に詳しい。
初心者としては、仮花道から平場に入る歩みの使い方に演出の工夫を感じた。視線がコミカルな動きにつられる間に「舞台背景」を変えるのは良いですな。足元がおぼつかない雲助平作老人と、バランスを崩しかける呉服屋十兵衛の掛け合い、前者は四代目中村雁治郎、後者は十代目松本幸四郎。高麗屋と成駒屋。子の世代から孫の世代に様変わりと奥様、ため息をついています。それにしても、娘お米の艶っぽさにはしびれます、吉原の遊女瀬川でしたら、こうですよね(しらんけど) 中村壱太郎は34歳、舞台で着替えなんて、日本の女のエロテックさ、ギャラリースコープで見とれてしまいました。
前述の演目内容にある「主な登場人物」から第三幕・千本松原の場で最後に登場するやっこさんが和田家の家来、池添孫八と知って謎が解けました。お米のご亭主では、無理ありますからね。
演者の発声と秘めた感情を語る浄瑠璃義太夫の回しぶりに三味線。長い年月をかけて無駄がなく、心にしみります。親子、兄妹、人情噺の涙ポロリについては、書くと長くなるので別の機会といたします。
嵐電踏切遮断機 at 四条通交差部
4月2日 14:44
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嵐電西院駅隣接の踏切遮断器、順調に運用開始。心配されていた(?)鉄道遺産の電鐘式踏切も存続し「カン、カン、カン」と刻んでおります。地元民として安堵しました。→ https://manrayist.hateblo.jp/entry/2024/03/27/060000
4月11日 13:25
いろはもみじ by 藤い屋
先日、若い友人の広島土産に藤い屋の「いろはもみじ」を頂戴した。「炊き上った豆を寒天と砂糖で煮詰めたものが包んでいます。外はしゃりっと、中はふっくら」愛らしく、甘~い。お味は小豆とえんどう豆の二種、わては小豆が好きですな。
京都御苑── 出水の小川
4月14日(日)
池田康著『ひかりの天幕』(洪水企画 2024年)
19.8 × 12.8 cm 120pp 定価: 税込1870円
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池田康さんが詩集『ひかりの天幕』(4月20日発行)を上梓された。「近年書いている比較的長めの詩を中心」に纏められたそうだが、彼の詩には社会へのアンチテーゼが含まれ潔く、阿ることなくわが道を行く姿勢が小生にも伝わって「プロテストの写真」と同じ立ち位置を味あわせてもらった。例えば『左目の王』の一連 「左目の王が逝く/ もうとうに異界に入っていた右目を追って / 今朝 川を渡り」。あるいは、小気味良い謎解きの『地図』など「赤いバッテンはなんなのだ」楽しめますね、ありがとう。
お花見パトロール -5 岡崎疎水
4月10日(水)
今年も堪能させていただきました。この後、古書ヘリングで世間話。