黄土高原 紅棗がみのる村から




2016-12-01 ご報告

私はいま上海です。あす、生徒たちがやって来て、上海→大新→崇左(広西省チワン族自治区)から、憑祥→友誼関を越えてベトナムに入ります。生徒たちは来月10日には、ダナンから帰国するので、その後にまたベトナムの様子などアップできると思います。

2016-11-21 歳紙

ゆうべ9時ころにバチバチバチッ!っと短く爆竹がなりました。人が死んだ、という意味です。音の聞こえた方角から、すぐに思い当たる家があって、外に出てみると、やはりその家で、煌々と明かりがつき、「哭」の声が闇のしじまを縫って響き渡りました。

ちょうど半年くらい前のことですが、水場の横の石段のところに腰かけていた賀さんに、「どうしたの?最近元気がないね」と声をかけたのですが、「肺ガンなんだ」とサラリと言われて、私は返す言葉もみつかりませんでした。50代後半のここの夫婦はほんとうに働き者で、耕作放棄された他の人の畑も手広く耕して、朝から晩まで、食事時間以外には家の門が開いているのを滅多に見ることもありませんでした。特にオクサンの方がチャキチャキの明るい性格で、村の人気者、その上傍目にもとても夫婦仲が良くて、ほんとうに気持ちのいいカップルでした。

私はちょうどもらいものの朝鮮ニンジンがあったので、「とにかく免疫力を付けてね」と、内心気休めに過ぎないとは思いつつも彼に届けたのが、結局彼に会った最後になりました。中国医療費はとても高くて、手術すれば300万円ほどかかるそうで、「どうしようもないわ」とオクサンは笑っていました。

実はこの2か月の間に、40代の人の葬儀が続けてありました。2人ともガンです。すでに5,6年前から、比較的若い人がガンで亡くなる話をよく耳にするのです。大気汚染と食品添加物が原因だろうと私は思います。臨県(賀家湾村があるのは招賢鎮で、その上の行政単位。もひとつ上が呂梁市で、その上は山西省)というのは、“国家級貧困地区”に指定されているような辺鄙な地域のはずですが、天気予報欄を見ると、ここのところ大気の中度汚染マークが出ているのです。なぜならこの地域は中小規模の炭鉱が多く、そこから石炭を運び出す超大型トラックの排気ガスがものすごいからです。各家庭やビルで焚く暖房の石炭も一気に増える季節です。離石市内に炭鉱はないはずですが、陝西省へ通じる幹線道路が通じているために、時には先が見えないほどの大気汚染にさらされます。

それと食品添加物。なぜそう思うかというと、私自身が、商店で購入したお菓子の類を、ちょっと食べすぎたかなと思うくらいに食べると、必ずといっていいほど気持ちが悪くなるのです。これは私の逆流性胃炎の関係はもちろんありますが、それが悪化するずっと以前から、この問題はありました。実際政府も規制強化はしているようです。しかしこの地域では、地場の中小企業の商品が多く、価格の高い、比較的安全な有名メーカーの食品はそれほど多くはないのです(最近はかなり多くなりましたが)。同じような商品が並んでいれば、村人はやはり安い方を買います。

その上に医療費はべらぼうに高く、農民たちには“ガン治療”などという選択肢はありません。賀家湾は一見、汚染はないように思われますが、すぐ下の招賢が汚染にまみれているわけですから、計測してみればそうとうにヒドイのではないかと思います。水も、給水車がどこからか汲んでくるのですが、おそらくは水質検査など一度もしたことはないでしょう。農民たちの化学肥料の使用量は膨大だし、農薬はそれほど使いませんが、水脈とどう関係があるのかないのか。

中国の“国民病”は、現在のところ高血圧と糖尿病のようですが、いずれガンがその位置を取って替ることでしょう。私自身もすでにかなり“

あら、どうしたことでしょう?下半分が消えてしまいましたね。

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とても不思議なことなのですが、ちょうどこの書き込みの後半分が消えてしまった時間帯に、いつもここにコメントをくださる、私の大先輩の六文銭さんのお宅でご不幸がありました。それで、この項はこのままの状態にしておきます。タイトルの「歳紙」の写真だけアップしておきます。人が亡くなってから埋葬の前夜まで門口に掲げられるもので、年齢+2(天と地)枚の紙で作ります。 19:47

六文銭六文銭 2016/11/21 11:22  訃報が爆竹でやってくるのですね。
 今日の「朝日歌壇」の最初の歌が、「ほなまたなと言うてたやつの訃報来る ほなどうしたらええんや俺は」でした。
 私にも一人、高校時代から親しくしている友人で、末期の肺がんを宣告されている人がいて、治療法もなしといわれています。
 時折、安否確認の電話をするのですが、恐る恐るです。彼は、病の発見時に余命3ヶ月と言われ、すでにその時期を過ぎているからです。
 先般、電話した折は、予想外に元気な声で、12月にはぜひ会おうということになりました。
 同人誌の先達、I さんを2年前に亡くしたのも肺がんでした。
 病気はどれもいやですが肺がんは最近、とくに嫌いな病になりました。

さんこさんこ 2016/11/27 15:21 上のようなコメントを載せていた、人のお連れ合いが、突然に亡くなられました。5年前賀家湾に一緒に旅をした友人の大事なお連れ合いが。
 いまだに信じがたいのです。哀しく淋しいです。私たちは3人とも60年前、同級生として知りあった仲ですから。

maotouyingmaotouying 2016/11/27 22:05 六文銭さんのブログの内容から察しても、ほんと〜〜に突然のことだったようですね。余命宣言されてあと何日と指折り数えるのも業火に焼かれる苦しみがありますが、ある意味そのきわめて人間的な営みからも疎外されて生→死、有→無の世界に引きずり倒された六文銭さんの虚しさはいかばかりかと思います。今はその心痛が身体の方に大きく影響しなければいいがと気にかかっています。

2016-11-16 豆ひろい今日はどこまで行ったやら

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これで私がそうとうのヒマ人であることがバレてしまいましたが、本日、当初の目標を達成しました。いつもは午後にチビなつの散歩に出るのですが、今日は起きてすぐに行って見たのです。ちょうど豆を畑から降ろしている人がいて、その人の来た道を上って見ると、ありがたい落し物が随所にぽつぽつ。遠慮なくいただきました。

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私はこれまで、道の上ばかりを探していたのですが、そうではなくて、道の両側の枯草や枯れ枝のあたりを注意しなければならなかったのです。しかも村人たちは朝早くに作業をするので、午後に行っていては、すでに誰かが拾っているのです。その上に、豆柄も枯草も大地も(おまけにチビなつまで)すべてまったく同じ色なので、かなり真剣に視線をくまなく回さなければ見落とします。

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遠出はしないつもりでしたが、ついつい豆につられて、久々に樊家山の近くまで行ってしまいました。もっとも、なつめがいた頃は、毎日のようにこれくらいは歩いていましたが。遠くから見る段々畑は、やはり耕作放棄をしたところが多く、雑草に覆われて徐々に自然に還ってゆくところです。なつめと歩いた頃は、もっともっと下まで、あんなところまでと思うくらい谷底の猫の額のような平地にまで人の手が入っていました。あの畑に再び鍬が入ることはもうないのでしょう。私もこの地に来てすでに10年。月日の経つのは速く、こんな最果ての地の風景もひどく変わり、私も歳をとりましたが、いえいえまだまだやりたいことも行きたいところも。。。がんばらなくっちゃ!

ということで、帰って来て測ってみたら、1キロを超えていました。で、これをどうするかというと、もやしをつくろうと思っているのです。

六文銭六文銭 2016/11/17 01:51  前にもっとすごい山のような豆を背負った人の写真を載せていらっしゃいましたたね。
 今日の「朝日」に中国当局が、いわゆる留守児童(両親が出稼ぎのため農村部に残された児童)が半減したという記事が載っていました。そちらへお邪魔した折、もう何年も両親が帰ってこなくで、祖母が育てているという姉弟に会ったことを思い出しました。女の子はかわいくて、大きくなったら、『初恋のきた道』のチャン・ツィイーのようになるかもしれないと思ったものです。
 しかし、当局の発表は本当でしょうか。統計の基準を恣意的に変えただけの数字のマジックだという批判的な意見が中国国内でも噴出していると報じていました。
 山の風景を見るたびに、帰国してからその辺の虚空写真を見て改めて感心したことを思い出します。まるで厚紙を積み重ねて等高線を表した模型の地図のようですね。
 以下が賀家湾村近辺ですが、開きますでしょうか。
 https://www.google.co.jp/maps/search/%E5%B1%B1%E8%A5%BF%E7%9C%81%E5%91%82%E6%A2%81%E5%B8%82%E8%87%A8%E7%9C%8C%E6%8B%9B%E8%B3%A2%E9%8E%AE%E8%B3%80%E5%AE%B6%E6%B9%BE%E6%9D%91/@37.6757687,110.9529999,731m/data=!3m1!1e3?hl=ja
 Googleの地図ですから開かないかもしれませんね。

maotouyingmaotouying 2016/11/17 20:31 さすがによく見ていらっしゃいますね。あの家族は現在離石に住んでいて、何か行事があったりすると村に帰って来ます。お姉ちゃんは見るたびに美しく成長して、“美少女コンテスト”入賞間違いないですね。たしかに、チャンツーイーにとてもよく似ています。
ただ、両親が帰らないのではなく、口さがない村人のいいによると、お母さんが男を作っていなくなった、らしいです。あの子によく似たお母さんだとしたら、さぞかし美人でしょうね。お父さんには何度か会っています。口数の少ない武骨な感じの人ですが、私も何度か車に乗せてもらったことがあります。

半減かどうかはわかりませんが、留守児童は減っているはずです。昔は、村の戸籍で町の小学校に入れなかったのですが、今はできるからです。第一、村に小学校がなくなってしまったのだから、当然のことです。賀家湾村の子どもたちも、離石、臨県、林家坪の小学校に行っていますが、全寮制。2週間に1度、親元に帰って来ます。そんなに小さなころから集団生活をたたき込まれるわけですから、日本の子どもたちとの違いは大きいでしょうね。祖父母に育てられて村にいるのは就学前の幼児です。しかしそれも以前よりずっと少なくなっています。少し余裕ができると、幼稚園に入れるからです。今、ちょっとした町では、幼稚園産業は隆盛です。ただし、あくまでこの界隈の事情で、もっともっと辺鄙なところはたくさんありますが、それはよくわからないです。

1枚目の写真のおじいさんは、もう70歳を過ぎていますから、少なめです。これで20キロちょっとではないでしょうか?ただ、これを担いで山道を何十回も上り下りしなければならないので重労働です。

maotouyingmaotouying 2016/11/17 22:06 追記;招賢にも小学校はあります。炭鉱が金を出して造ったものなので、校舎は遠目にも映える立派なものです。しかし、ここに通っている子どもはそれほど多くないです。“より高いレベル”の教育を求めて、町の学校に行かせる親が多いからです。

六文銭六文銭 2016/11/17 22:30  おっ、やはりチャン・ツィイー似の美少女になりましたか。私の審美眼も捨てたものではありませんね。どこかのタレント発掘事務所のアンテナマンにでもなろうかな。
 その容貌はともかく、お父さんが一緒とのことで安心しました。その無骨なお父さんのもとで健やかに育ちますように。

2016-11-15 クロの帰還

ほんとうにびっくりしました。

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今日の昼前、扉を開けたままかたずけものをしていて、フト振り返ると、クロがいたのです。1年ほど前、突然姿を消して、おばあちゃんに聞いてもまったく要領を得ず、私がてっきり食肉として売られていったと、悲観的な早トチリをしてしまったあのクロです。実際それはあり得ることでしたが、こうやって元々の自分の家に戻って来たのです!

ところが、自分でも自由には入れてもらえない私の部屋にすんなり入り込んできたクロを、チビなつが見逃すはずはありません。彼もきかん気が強くて、自分より大きな相手にも敢然と向かってゆきます。ギャウー!ワンワン!ガヒィーッ!ブワッ!と一戦始まったのですが、なつが圧勝して、クロはかわいそうに脚を咬まれたようで、びっこ引き引き戻ってゆきました。

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クロはそもそもが10歳くらいの老犬です。それがしばらく見ないうちに、ますます老いて、チビなつにもやられるほど覇気のない犬になっていました。この1年間どんな暮らしをしていたのか、とても大事にしてもらっていたとは思われないし、とにかく、焼いたサツマイモを持って、おじいちゃんの方に話を聞きに行きました。

おじいちゃんは、方山県の方で、知り合いが家を新築するのに、材料や機材が野積みになっているので、盗られないように見張り番に行っていたというのです。たしかにクロは知らない人にはとてもよく吠えるし、見てくれが怖そうなので、番犬にはもってこいです。番犬のことをこちらでは“看門狗”(看=見る)といいますが、クロは1年間、ずっとお仕事をしていたんだなぁと納得しました。それにしても老いて、やつれて、元気がありません。仕事をしても何もご褒美などもらえなかったのでしょう。あしたは来るだろうか?今日、なつに完敗したので、もう来ないかもしれない。なんだかとても哀れで、私はまたぞろ、招賢の肉屋まで、きっと骨買いに行くんだろうなぁ。。。  

六文銭六文銭 2016/11/16 01:27  クロのこと覚えていますよ。食われたかもしれないということも。
 でも、生きていてよかった。チビなつとの平和共存ができればいいのですが・・・。

さんこさんこ 2016/11/16 11:07 クロちゃん!!良かったねえ。生きていたんだねえ。涙。うれし涙です。ちびなつにやられても、優しい誰かさんが、肉屋へ行ったから、もう大丈夫だよ。がんばれ!!日本のばあちゃんも頑張るよ。

2016-11-13 秋の終わりの落ち角ひろい

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私がせっせと落ち豆ひろいをしている間に、チビなつもこんな“ごちそう”をひろって来ました。山羊の角です。さすがに硬くて食べられませんが、中にちょっとだけ髄の部分が残っていて、それは一生懸命ほじくりだして完食しました。からっぽになった角も銜えて持って帰って、おもちゃになっています。

落ち豆は測って見たら400グラムありました。1日100グラムということですが、あと6日間もこんなことやってるわけにもゆかないので、1斤(500グラム)に下方修正です。それに、村人ももったいないから目に付けばひろう人もいるので、もうそんなに落ちてはいないのです。遠出すればともかく。