日本の心・さいき

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ドクターG・・・

 平成26年8月29日(金)、22:00〜22:50、NHKで、「総合診療医ドクターG」がありました。今回は、子どもを取り上げていました(←この番組で子どものケースは、初めて・・・)。
 5歳の女児が、ある朝、突然、高熱と腹痛に見舞われて・・・脱水の恐れがあるので入院させて経過を見ていたのですが・・・なかなか病名が突き止められなくて(川崎病を知る上で、とても良く作られた内容だと思いました。)…→
 初め、(お腹を痛がるので、子どもによくある)腸重積症、急性虫垂炎流行性耳下腺炎による膵臓炎などが疑われ、更には、(猫からひっかかれていて、その後、頸部のリンパ節が腫張してきたので)ネコひっかき病、更には、検査上、(尿の白血球数が多くて)腎盂腎炎なども疑われていましたが・・・その後の検査で、尿の培養が陰性で・・・その後、唇や舌や眼球が赤くなり(こうなると、診断は、直ぐに付く感じになるのですが→)、「川崎病」と診断されました。
 この子の場合、検査上、CRP高値で、白血球数多く、GOT・GPTも高値、それに、尿の白球数がやたらと多くなっていて、それなりに、鑑別するべき病名が多くなっていましたが・・・。
 川崎病の場合、経験的には、血沈が早くから促進していますね。腹痛はないことの方が多い感じですが、この子の場合、胆嚢が拡張していて、それによる腹痛でした(←川崎病の10人に1人に、胆嚢水腫が発症)。
 診断を付ける時、これらの症状や検査以外に、とても大切なことがあると私は思っています。それは、いつもと違って、「機嫌」、「顔付き」、「食欲」、「睡眠」がどうかと言うことです。母親が、「先生、熱があっても、こんなに元気ないこと、今までなかったです。殆ど食べていません・・・」などと言えば、熱が出てまる1日も経ってなくても、検査する必要がある場合も多いかと思いますが・・・?!
 「機嫌、顔付き、食欲、睡眠」に関しては、いつも寄り添っている親御さんの方が、その時だけ診るクターよりもよく理解できるはずです。つまり、診断を付ける上では、どうしても、いつも見ている人の協力が必要だし、いい医療は、親御さんとドクターとの共同作業なのです。
 一般的に、普通のウイルス疾患では、熱があっても、結構、元気にしています。熱に強い子は、たくさんいます。「麻疹」や「川崎病」の場合、症状が出揃わない初期の時でも、普段の風邪(急性ウイルス性上気道感染症)と違って、兎に角、食欲なく、元気ないですね。これが見方としては、とてもとても大切なことだと私自身思っています。
 私の長女が、昔、川崎病になりました。その時、熱があり、頸部のリンパ節が1個腫張してた以外、特に、所見はありませんでしたが・・・いつもの(熱があっても)元気な長女でなく、とてもきつそうにしていました。その時、私は、何故か川崎病の特効薬のアスピリンだけを上げていました(当時は、まだ、カロナール一辺倒の時代でなかったこともあり、私の診療では、発熱にアスピリンを頻用していましたが・・・)。その後、眼球充血、唇と舌が明らかに赤くなって、「川崎病」と確信しました。
 その後、解熱してから、再び、「発熱」「発疹」があり、頸部のリンパ節が数個明らか腫張し、眼球充血もありました。しかし、さほど、落ち込んだ感じもなく、元気でした。血沈の促進もなく、CRPや白球数も、ほぼ正常でした。「川崎病」の再発ではなくて、「風疹」だったのです。
 番組の最後の方で、「川崎病」を発見した「川崎富作」先生の番組へのメッセージがありました。89歳の高齢な川崎先生、昨年まで仕事をされていたそうで、今は、「川崎病で悩む」患者さんとの電話相談をしていました。で、そのメッセージでは・・・→教科書で学ぶより、患者を診ることの大切さを強調されていました。(←私も、全く同感です!)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E7%97%85(←川崎病