近鉄2011年ダイヤ改正ネタ その2 普通が快速急行に追いついてしまう

その1では、下位列車に追い付かれる上位列車の例として、大阪線の準急と普通を紹介しましたが、重箱の隅をつつくようなネタとして山田線(近鉄のですよ。岩手県のJR山田線にあらず)にもこのような列車がありますので、紹介します。


山田線上りの夕方に、普通が快速急行に追い付いてしまうというものです。
2010年以前のダイヤでもこの事例があったのですが、2011年改正においてもそのまま生き残りました。

↑の画像は、2011年の時刻表より抜粋。


快速急行上本町行き4820レと同4920レは、松阪と櫛田で先行の普通(松阪4780レ、櫛田4880レ)を追い越しています。
しかしながら、快速急行が伊勢中川で停車している間に、普通が追いついてしまうのです。
平日ダイヤ、休日ダイヤとも同様です。


大阪線名古屋線、山田線のジャンクションである伊勢中川駅であるが故に発生する稀有な事例なのでしょう。
3線区ともダイヤのパターンが異なっているので、直通する列車は特急・一般列車にかかわらず時間調整による数分の停車が多数発生するのです。
その中において、上記の快速急行2本は時間調整している間に、追い越したはずの普通に追いつかれてしまったのでしょう。


伊勢中川駅ですから、名古屋からの急行を待っているのかとも思い調べてみましたが、両快速急行とも発車の数分後に名古屋からの急行が到着するダイヤとなっていますので、急行系統どうしでの接続待ちではない様子です。


では、名古屋からの特急と接続をしているのかと思い調べてみました。
4820レの場合、特急(7813レ鳥羽行)1903着/快急1905発でOKです。
しかし4920レの場合は、特急(9913レ宇治山田行)2005着/快急2005発と同時刻の発着となっています。
秒単位の時刻は表示されていないので接続できているのかどうか不明です。


確実に接続していそうなのは、白塚発普通4841レ(伊勢中川1900着)と、四日市発普通1843レ(伊勢中川2003着)でした。


事の真相としては、快速急行大阪線のダイヤパターンの中に進入する前に、伊勢中川にて時間調整で長々と停車していると、(接続することを意識している訳でないが)追い抜いた普通や名古屋線からの列車が到着してしまった(ので結果的に接続した)、といったところでしょうか。


実は私、2009年7月に、本事例を体験したことがあります。
18切符で紀勢本線を和歌山→新宮→松阪と、ぐるっと回って、松阪で近鉄に乗り換えた時の事です。
出発前に乗り換えの時刻を調べていたところ、本事例に気付いたのです。
こんな面白い事例ならば、「ぜひ!」ということで体験してみました。



↑松阪で6番線の快速急行に乗らずに、7番線の普通に乗りました。



↑先に快速急行が発車していきました。



↑伊勢中川の5番線に普通が到着。
なんと、4番線に停車中の快速急行に追いついてしまいました。
同一ホームに両列車が停車していますので、乗り換えも大変簡単です。


こんな例があるからこそ、時刻表は面白いのですネ。